糖尿病予備群について

今朝は寒くて、歩いていると手が悴(かじか)みました。
強い寒気の影響で冷え込みが強まっているそうです。
全国の8割以上のアメダス観測地点で冬日(最低気温0度未満)となったとのこと。
日中も寒いので、
万全な寒さ対策をが必要です。

今日は、糖尿病までいかないけど血糖値が高い、
糖尿病予備軍、境界型(耐糖能異常)の話。

Prediabetes
Mayo Clinic

Prediabetes(前糖尿病状態、前糖尿病)とは、血糖値が正常値より高い状態を指します。まだ 2 型糖尿病とみなされるほど高くはありません。しかし、生活習慣を変えなければ、前糖尿病の成人や小児は 2 型糖尿病を発症するリスクが高くなります。特に心臓、血管、腎臓に対する糖尿病の長期的な損傷がすでに始まっている可能性があります。しかし、糖尿病前症から 2 型糖尿病への進行は避けられないことではありません。
健康的な食品を食べ、運動を日常生活の一部にし、健康的な体重を維持することは、血糖値を正常に戻すのに役立ちます。

空腹時血糖が126mg/dL
HbA1cが6.5%以上だと
「糖尿病型」となりますが、
そこまでいかないけど、正常値より高めの方は結構います。

糖尿病の「境界型」は、HbA1c 6.5%未満で、
1)空腹時血糖値が110~125mg/dL
2)75g経口ブドウ糖負荷後2時間の血糖値が140~199mg/dL
のいずれかを満たしている方といいます。

空腹時血糖値が110~125mg/dLの方、
HbA1cが6.0~6.4%の方は、
「糖尿病の疑いが否定できない
」グループとされ、
75g OGTTの検査が推奨されています。

空腹時血糖値が100~109mg/dLの方、
HbA1cが5.6~5.9%の方は、
「将来糖尿病を発症するリスクが高い」グループとされ、
特に高血圧・脂質異常症・肥満などがある方は
75g OGTTの検査をするのが望ましいとされています。
(糖尿病予備軍といわれたら 
国立国際医療研究センター糖尿病情報センター)

75gOGTTは、
10時間以上絶食状態で、ブドウ糖液(トレーランG:デンプン部分加水分解物)を飲み、ブドウ糖負荷前後4回血糖値を測るという検査です。
まず空腹時血糖または随時血糖を測定するべきで、
糖尿病の方や著しい高血糖状態で75gOGTTを行うと、
さらなる高血糖を引き起こし有害です。

妊娠中期検査では、
グルコースチャレンジテスト(ブドウ糖の入ったサイダーを飲み、1時間後に血糖値を測定する)が施行され、
その値が140mg/dl以上であれば、
妊娠糖尿病の疑いとして75gOGTTが施行されます。

症状
前糖尿病には通常、兆候や症状はありません。
前糖尿病の兆候として考えられるのは、体の特定の部分の皮膚が黒ずむことです。影響を受ける部位には、首、脇の下、股間などがあります。
前糖尿病から 2 型糖尿病に移行したことを示す典型的な兆候と症状には、次のものがあります。
・喉の渇きが増す
・頻尿
・空腹感の増加
・倦怠感
・視界がぼやける
・足や手のしびれやチクチク感
・頻繁な感染
・治りの遅い傷
・意図しない体重減少

症状がでると、
糖尿病に移行している可能性があります。
足が痺れるといって、
整形外科に来院されたかたもいました。

原因
前糖尿病の原因は不明です。しかし、家族歴と遺伝が重要な役割を果たしているようです。明らかなのは、前糖尿病の人は糖分(グルコース)を適切に処理できないということです。体内のブドウ糖のほとんどは、食べ物から摂取されます。食べ物が消化されると、糖が血流に入ります。インスリンは糖が細胞に入り込むのを助け、血中の糖の量を減らします。インスリンは、胃の後ろにある膵臓によって生成されます。食事をすると、膵臓はインスリンを血液に送ります。血糖値が低下し始めると、膵臓は血液へのインスリンの分泌を遅くします。前糖尿病の場合、このプロセスはうまく機能しません。その結果、細胞にエネルギーを供給する代わりに、血流中に糖が蓄積します。これは、次のような理由で起こります。
・膵臓が十分なインスリンを生成できない可能性があります
・細胞がインスリンに抵抗性になり、糖分が体内に取り込まれなくなる

2型糖尿病(10人に9人以上はこのタイプ)では、
インスリン分泌不全か、
インスリン抵抗性をしめします。
食生活などの環境因子と体質(遺伝)の組み合わせで
起こると考えられています

リスク要因
2 型糖尿病になる可能性を高める要因と同じ要因が、糖尿病前症のリスクも高めます。これらの要因には次のものが含まれます。
体重。太りすぎは糖尿病前症の主な危険因子です。脂肪組織(特に腹部の筋肉と皮膚の内側とその間)が多いほど、細胞のインスリン抵抗性が高まります。
ウエストのサイズ。ウエストのサイズが大きい場合、インスリン抵抗性がある可能性があります。ウエストが 40 インチ(約100㎝)を超える男性、およびウエストが 35 インチ(約89㎝)を超える女性では、インスリン抵抗性のリスクが高くなります。
食事。赤身の肉や加工肉を食べたり、砂糖の入った飲み物を飲んだりすると、糖尿病前症のリスクが高まります。
活動不足。活動量が少ないほど、糖尿病前症のリスクが高まります。
年齢。糖尿病はどの年齢でも発症する可能性がありますが、35 歳を過ぎると糖尿病前症のリスクが高まります。
家族歴。親または兄弟に 2 型糖尿病の人がいる場合、糖尿病前症のリスクが高まります。
人種または民族。理由は不明ですが、黒人、ヒスパニック、アメリカインディアン、アジア系アメリカ人などの特定の人々は、前糖尿病を発症する可能性が高くなります。
妊娠糖尿病。妊娠中に糖尿病(妊娠糖尿病)になった場合、本人と子供は糖尿病前症を発症するリスクが高くなります。
多嚢胞性卵巣症候群。月経不順、過剰な体毛の成長、肥満を特徴とするこの一般的な症状を持つ女性は、糖尿病前症のリスクが高くなります。
睡眠。睡眠を繰り返し妨げる閉塞性睡眠時無呼吸症の人は、インスリン抵抗性のリスクが高くなります。太りすぎや肥満の人は、閉塞性睡眠時無呼吸症を発症するリスクが高くなります。
タバコの煙。喫煙はインスリン抵抗性を高め、糖尿病予備群の人では 2 型糖尿病のリスクを高める可能性があります。また、喫煙は糖尿病の合併症のリスクも高めます。
⑫その他の状態:
・高血圧
・HDL(善玉)コレステロールの低値
・トリグリセリド(中性脂肪)の濃度が高い
メタボリックシンドローム

上記は、
ほかの病気でもよく上げられるリスク因子ですね。

ちなみに、具体的な数字で言うと・・・

糖尿病の発症リスクは、以下の要因で上がります。
①年齢…1歳年を取るごとに男性・女性ともに2%上昇
②肥満指数…BMIが1kg/m²増えるごとに、男性・女性とも17%上昇
③糖尿病の家族歴…家族歴があると、男性で2.0倍、女性で2.7倍上昇
④高血圧…高血圧があると、男性で1.3倍、女性で1.8倍上昇
⑤喫煙…1日20本以上吸う方は吸わない方と比べて、
    男性で1.4倍、女性で3.0倍上昇
⑥飲酒…1日1合以上呑む方は、飲まない方と比べて男性で1.3倍上昇

家族歴が、
高リスク因子となるようです(女性は喫煙)。

(糖尿病予備軍といわれたら 
国立国際医療研究センター糖尿病情報センター)


合併症
前糖尿病は、2 型糖尿病に進行していなくても、心臓、血管、腎臓などへの長期的な損傷と関連しています。前糖尿病は、認識されない (無症状の) 心臓発作とも関連しています。前糖尿病は 2 型糖尿病に進行する可能性があり、次のような症状を引き起こす可能性があります。
・高血圧
・高コレステロール
・心臓病
・脳卒中
・腎臓病
・抹消神経障害
・脂肪肝
・視力喪失を含む眼の損傷
・四肢切断

動脈硬化は、糖尿病予備群の段階から生じており、
心臓や脳などの血管の病気になりやすくなります。
75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値が高くなるタイプの境界型の方は
正常型と比較すると、
2.2倍も心血管疾患による死亡が多いといわれています。

予防
健康的なライフスタイルを選択することで、たとえ家族に糖尿病の人がいる場合でも、前糖尿病や 2 型糖尿病への進行を防ぐことができます。これには次のものが含まれます。
・健康的な食べ物を食べる
・活動的になる
・余分な体重を減らす
・血圧とコレステロールをコントロールする
・喫煙しない
米国糖尿病協会 (ADA) は、ほとんどの成人に対して 35 歳から糖尿病検査を開始することを推奨しています。ADAは、太りすぎで、糖尿病前症または 2 型糖尿病の追加の危険因子がある場合は、35 歳になる前に糖尿病検査を受けることを推奨しています。妊娠糖尿病になったことがある場合は少なくとも 3 年に 1 回は血糖値をチェックすることになります。

生活習慣改善法としては、
①食事は腹八分目でやめる
野菜を積極的に摂取する
散歩などの運動を少しずつでも始める
④体重を5~10%減らす
禁煙する
⑥健康状態の確認のために健診を受ける
ストレスと上手につきあう

とういうのを、
病院にいくと言われますが、
なかなか難しいですね
(言ってる医者が太ってたりして)。

どれくらい効果があるかというと、
食事・運動療法や減量をきちんと行った方は、
行わなかった方と比べて
2型糖尿病の発症を29~67%程度予防できる
というデータがあるそうです。

なかなか馬鹿にできない数字です。
やるしかありません。
安上りだし、
ほかの成人病にも効果あるし。

心血管病のリスクが高く、
75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値が高いタイプの境界型の方に対して、
ボグリボース(0.2mg)が保険適用になっています。
とはいっても、
この薬で糖尿病の発症をおさえる効果は40.5%程度とされていますので、

やはりまずは、
食事運動療法をしっかりするしかないですね。




 


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