読者の心を揺さぶる「星のかけら」願いは意志
「生きているひとは、みんな、自分の力で歩いていかないと、だめなの」
人生が上手くいかない時に、度々こと言葉を思い出し、主人公がそこに向き合った瞬間のように、自分も覚悟を決めて自分の課題に正面から向き合う、しかない。
そんな勇気をもらえた作品でした。
重松清さんの作品は、子どもが小学校になった頃から共感するところというか、タメになるというか、
作品の中に答えはないけども、自分自身が抱えている不安の奥底にある一部分を題材にしているので、興味がわくんじゃないかなぁ、と思っている。
今ウチの子どもは小学四年生。
この作品の主人公は6年生、だからちょいと先の話になる。
中学年から高学年になるとどんどん人間関係が複雑になっていく。
嫉妬、恨み、怒り、理不尽…知恵がついた分、経験が重なった分、様々な感情が膨らんでいく時期。
この本の登場人物がそれぞれ多種多様な問題を抱えながら生きている。
学校でのいじめ
交通事故により小さな子どもをなくす
不登校の兄
子供に全く興味のない親
親の離婚により夢を諦めなければならない
それぞれが抱える問題は自分でどうにかできる問題ではないし、簡単な解決策なんてすぐにみつからない。
でも共通して言えることは、その問題に対しては、自分の力で取り組まなければならない、ということ。
願いを叶えてくれるとウワサされている「星のかけら」に縋って掴んだ答えはこれだった。
ここに強い共感というか、
(やっぱりそうだよな)
という確信を持てたことが、この物語に今出会えたことの一番の喜び。
9月から新生活を迎える私。
住む場所、働く場所がガラッと変わる。
8年全うした駐在を終えて、9月から帰任する。
子どもも9月から新しい学校に転校する、しかも日本の小学校に通うのは、初めてのこと。自分よりも不安は大きいだろう。
それなのに、以前働いていた職場に戻るだけなのに、なんだろう、この不安は。
上手くやれるだろうか
また怒られる毎日が続くのか
残業ばかりの日々になるのか
と不安は尽きない。
そんな悩みを抱えていた時にふと出会った「星のかけら」
私にとって、この本自体がまさに星のかけらだったなぁ。
この本握りしめて、誓う
自分の力で歩いていこう
やぁ、今回も良い作品に出会いました。
読書って本当に素敵ですね
では今日も素敵な1日になりますように。