10年の失楽園。 全部、神様たちのせい。
タイトル:
トロイアの黒い船団 ギリシア神話の物語・上
キーとなる言葉解説:
トロイア戦争:トロイア都市国家と同盟軍vsギリシア都市国家と同盟軍
戦争の発端:トロイアの末のイケメン王子が、スパルタの美人王妃を寝取って自国に逃げた。
アキレス腱:ギリシアの英雄、アキレウスの弱点。
でも英雄アキレウスは、本編でメンタル病み系な女装男子「男の娘」であることが判明。弱点は、アキレス腱どころじゃないかもしれない疑惑が。
トロイの木馬:10年目で使われたリーサル・ウェポン。
本の要点:
そもそもNTRエピソードが、3女神による「キレイな嫁をプレゼント企画」で、美の女神アフロディーテが人妻をあてがっちゃった所です。
大問題です。美の女神は倫理面がガバガバだったようです。
ギリシアの精鋭武将で結成された「嫁奪還部隊」により、攻城戦が展開されるも、神様たちのチャチャによって決着がつきません。また英雄アキレウスは、美人捕虜を取り合って総大将と喧嘩。戦列から一時撤退など、ゴシップ以外の何者でもない状況になってきます。
ヘソを曲げた英雄を復帰させたのは、親友の死。
英雄アキレウスは、親友の仇である総大将ヘクトルを打ち取りますが、怒り冷めやらずにヘクトルの遺体を戦車に繋いで戦場引き回し&親友の墓3周コース。神々もドン引きする性格でした。唯一彼が耳を傾けるのは、母親の海の精テティス。英雄は神様ハーフだったんですね。強くて、イケメンで、男の娘で、メンタル病み系のマザコン。
英雄って何なのか、言葉の意味が分からなくなりますね。
そんなこんなの戦いで10年。
「嫁奪還部隊」の武将たちが戦死していくと、占い師の助言によって皆様よくご存知のトロイの木馬が建設されました。
トロイアが陥落し、男たちは殺され、女たちは捉えられ、奴隷として武将の船に乗せられる。10年に渡る逃亡をした、王妃ヘレネ以外は。
王妃は、自分の夫スパルタ王によって王妃として「救出」され、トロイアを去った。一つの都市国家とその同盟軍を壊滅させた王妃。今後の夫婦仲再構築が、気になって仕方がありません。因みに、ギリシア側総大将はスパルタ王のお兄ちゃんでした。
ターゲットとしてる人達:
歴史好き。
ギリシア神話好き。
ファンタジー好きだけど、歴史のカタい読み物はちょっとねーという方(絵がいっぱい)。
児童書コレクター。
心に刺さった内容:
弓の名手ピロクテテス。
10年前にトロイア行く途中、レムノス島でドラゴン倒したけど、足が毒汁で汚され、島に置き去りにされた。10年後、戦局に困ったギリシア軍によってピックアップされ、戦列に復帰。
自前の毒汁アローで末王子を執念の撃破。しかし前半は一切登場しない(置き去り属性)。でも毒で命は風前の灯火。
情報量が多すぎる人物。
読了日:2021年10月