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私の前世探求記【第九話】

前回のあらすじ:
Q太郎はちょっとだけ霊能力に目覚めた!しかしそれよりも、もっと前世探究の手がかりが欲しい!
そう思ったQ太郎は、再びヒプノセラピーを受けようとするのだが……


【2023年6月】
なんと、母の足について、再手術する方向となった。

骨折自体は完治していたのであるが、膝の関節がすり減っていて、左右の足のバランスが崩れているそう。

その状態だと転倒しやすく、もしまた転倒して骨折した場合、今度は完治しなくなる可能性が高いのだとか。
そうなる前に膝の手術をし、しっかりと歩けるようにしておいた方が良いという主治医からのアドバイスがあったのだ。

母は膝の手術を受けるため、また一ヶ月ほど入院することになった。

その準備や何やかんやのため、Q太郎はヒプノセラピーの日程を8月まで延期することにした。
その旨をYさんに告げると、Yさんもそれに合わせるとのこと。

Yさんはヒプノセラピーが延期になった間、もう一度R先生に占ってもらいに行くと言った。


後から分かるのだが、このときYさんが再びR先生に占ってもらったことが、Q太郎の前世探究に大きな手がかりをもたらすことになる。


【2023年7月】
母の入退院の手続きや、母不在の我が家の家事、なんやかんやに追われる日々を過ごす。


【2023年8月】
母の膝の手術も無事終わり、退院。
リハビリのための歩行器の手配、家の中を車椅子が通れるように整理するなど、退院した母を受け入れる準備をする。

それらがひと段落して、Q太郎はようやく前世探究を再開できるようになった。


【2023年8月某日】
YさんがR先生のもとへ占いに行く際、Q太郎は、Yさんにあるものを渡していた。

それはQ太郎が調べたチェコの地名リストで、その中でもYさんが前世で暮らしていた可能性のある町の候補をいくつかに絞り、それをR先生に見せて欲しいとお願いしたのだった。

もしアレシュと関わりのある人物であったならば、アレシュが暮らしていた街の近辺に住んでいた可能性が高い。
そしてなぜか、Yさんと前世で関わったとしたら、アレシュが幼い頃か、もしくは歴史の表舞台に立つ以前の、かなり若い頃だったのではないかという予感がしていた。

アレシュが幼少期に暮らしたであろう街は二ヶ所あり、ひとつはŽernov(ジェルノフ)、もうひとつがBoháňka(ボハーニカ)という名前の町だ。

どちらもアレシュにまつわる歴史書に、ちょびっとだけ登場する地名である。

ジェルノフは東ボヘミア地方の川沿いの町で、リーズンブルク城の城下町である。
アレシュはおそらく、この町で生まれたのではないかとQ太郎は考えている。

一方のボハーニカという村は「一斤のパン」という意味をもつ、変わった名前の村だ。東ボヘミア地方に位置する。
この村には悲しい伝説があり、そこはかつてペストに襲われ、村人が全滅してしまった。しかし、たった一人だけ幼い娘が生き残り、それをパンに例えて「ボハーニカ」という地名になったのだという。

チェコ語で「Boha」は「神」とか、「神からの恩恵」のような意味をもつ。
悲しい事があったればこそ、死後の魂に神の恩恵があるようにという願いのこもった名前をつけたのかもしれない。

【2023年8月中旬】
Q太郎も、ようやくヒプノセラピーを受けることができた。
今回は、アレシュの幼少期から青年期にかけてのビジョンを見たいと思ってヒプノセラピーを受け、みごとに望み通りの時代のビジョンを見ることに成功した。

アレシュの幼少期と青年期についてのビジョンを見たQ太郎は、その中に現れた「パン屋の娘」が、Yさんの前世だったのではないかと思った。

というか、アレシュに生みの親と育ての親がいた、というのも驚きだった。
歴史書にはそんな記載はないのだが、何か事情があってのことだろうと感じた。

さらに、右腕の怪我についても、さらなる真相が判明したのも驚いた。そして、怪我の理由にも。

青年期のアレシュが二股をかけ、それがバレて激高した娘(肉屋の娘)に棒で殴られたというのだから!

あれ?待てよ。
二の腕を切りつけられた時も、原因となったのは女性問題だったような……。

おいアレシュ。何か私に言うことはあるかい?

ともかく、次にYさんに会うときにはYさんもヒプノセラピーを受けていることだろうから、占いの結果とヒプノセラピーの結果を聞ける。

どんな答え合わせになるか楽しみだ。

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