オーディンはドMか。北欧神話とゲーム・オブ・スローンズ。
前もちょろっと書いたけど、ギリシャ神話より北欧神話由来の
モチーフが増えている気がする。
なので、読んでみた。
北欧神話をちゃんと読むのは初めてなのだが、
オーディンはギリシャ神話で言うところのゼウス的なポジション。
ファイナルファンタジーのイメージが強いけど、
彼の本当の武器はグングニルという槍だぞ。
彼は何かと自分を犠牲にしていて、
片目と引き換えに知恵を得たとされている。
で、さらにルーン文字を知り魔法の力を得るために、
自分自身を自分に捧げるとか言い出して、
ユグドラシルと言う世界樹に9日間自分を吊るしていたらしい。
で、その間に脇腹を槍で何度も突かれたらしいのだけど、
一体どんなシチュエーションなんだ??
(誰になぜ突かれたかは言及されていない)
とりあえず吊るされてる人を見たら槍で突く文化なのか??
そしてもう死ぬっていう瞬間にオーディンは力を得たらしいのだけど、
ドMの所業だよな、これ。。
ただ、吊るされて槍で突かれるというのは、
キリストの礫系のイメージとも重なるから面白いよね。
基本的に北欧神話は暴力が溢れている。
ヴァイキングの文化というか、理想の世界が
戦いに満ちている感じなんだよね。
北欧雑貨的な牧歌的な雰囲気は微塵もない。
だって勇敢な戦士は死後、ヴァルキュリアに選ばれ、
オーディンの城=ヴァルハラに招かれるんだけど、
そこでは宴と戦いが繰り返される。
いわゆるキリスト教的天国のイメージとは程遠い。
この世界の終わりはラグナロクと呼ばれ、神々もそこで死ぬ運命にある。
とにかく、暴力と死のイメージ。
もちろん神話ならではの滑稽なエピソードもある。
オーディンの息子にして最強の神トールの妻、
シヴの金髪が全部抜かれてつるっ禿げになったり、
トールの自慢の槌が盗まれてしまい、
花嫁に化けて取り返しに行ったり。
結婚式の場面は面白いけど、結末は皆殺しだ。
そう言えば序文にこんな一節があった。
火と氷から世界が始まり、火と氷の中で世界が終わる。
そう、炎と氷は北欧神話の象徴的な存在。
ゲーム・オブ・スローンズの原題は氷と炎の歌だ。
あの暴力と死に満ちた物語は北欧神話の世界観なんだよね。
モチーフも神話から採られていると思える箇所がちらほら。
例えば結婚式が皆殺しの場になったり、
サーセイが坊主になるのもシヴが金髪を失うイメージと重なる。
ティリオンの立ち回りはロキ的だ。
ゲーム・オブ・スローンズはもうじき最終章が公開されるけど、
最後はどうなるのかな。神話になぞらえながら観るのも面白そう。