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私はさらに「金」に関することわざの「金」を片っ端から「酒」に置き換えても 全然違和感がないことに気づいたのだった。  2020/06/28

 朝から酒の穴『よむお酒』を手にとってしまった。読むだけでは収まらず朝から飲みたくなってしまいつつ、小腹空いたなぁと思いながらひたすら読む。昨日買ってきたカットメロンと生ハムが冷蔵庫にあることを思い出し、朝から一人生ハムメロンを試してみたらこれがすこぶるうまくて、癖になりそう。気づいたら朝から飲み始めていたけれど、まぁそういう日もあるというか、たまにはいいだろう、飲みながら、読む、至福のひと時。

 「大人たるもの、年齢 × 一〇〇〇円ぐらいは常に持っているべきだ」と聞いたことがある。
 現在三十九である私なら三九〇〇〇円である。それが常識なのだとすれば、残念だが私は大人失格だ。というか、その十分の一だって財布に常に入っているということはない。だいたいいつも二〇〇〇円ぐらいの所持金しかない、年齢 x 一〇〇〇円の計算でいけば二歳児だ。
酒の穴『よむお酒』P.20

 自分もカードと携帯で払えばいいやと思っている派なので、財布の中の現金は大体3000円くらいな気がする。7000円くらい入っているとなんか今日はたくさんあるな、と思うしなんとなくATMからおろす時、19000円ってことが多い気もする。何れにしても、現金がなくて、お会計しなくちゃいけないのに、カードが使えない店だったりするとATMもしくはコンビニを探しに彷徨うことになったりする。まぁ時代はキャッシュレス。現金主義はやめたいのだけど、どうしても素朴にうまい居酒屋系は現金使えないことも多い。

 尊敬する漫画家のラズウェル細木先生が「お酒を手段にするのはよくないと思うんです」と言っていた。「めちゃくちゃ飲んでストレス発散したい!」とか「今まで言えなかったことを酒の勢いで言ってやれ!」とか、最初に目的があって、そこに近づくために酒を利用するとなるとロクなことにならない。酒がうまいから、あるいは酒と一緒に味わう料理が美味しいから酒を飲む。ただ、飲みたいから飲む。「そうでなきゃね」、とラズウェル細木先生は言うのだ。
酒の穴『よむお酒』P.70

 お酒が本当に好きなのだけどそれは美味しいからで、美味しいから飲みたい、ただそれだけで、今日は何が飲みたいかから料理も選ぶくらいお酒は美味しいと思って生きているので、お酒を美味しく味わう以外の目的に使うなんてことはありえないわけで、美味しいもの美味しく飲みながら、本を読むのが最高の贅沢なのである。そういえば昔読んだなぁ、『酒のほそ道』、なんて回想に耽りながら、改めて読み直し(飲み直し?)たくなったりしてきた。この酔った勢いで全巻買っちゃうか。

 というか、私はさらに「金」に関することわざの「金」を片っ端から「酒」に置き換えても 全然違和感がないことに気づいたのだった。
 「時は酒なり」⋯⋯。どうだろう。この言葉のすごみ。「いいか、若いの。時間というのはな、酒なんだよ」と、謎の老人がまっすぐこっちを見ながら言ってきたら、「ああ、本当にそうですよね」と言ってしまいそうではないか。
「地獄の沙汰も酒次第」、「酒の切れ目が縁の切れ目」と、どれも、それぞれ意味ありげだ。
酒の穴『よむお酒』P.141

 酒飲みにとっては、酒は金なり?金は酒なり?たしかにことわざの金を酒に変えても違和感がないと言うかより含蓄が深い気がしてくるから不思議だ。「いつまでもあると思うな親と酒」とかもいいな。

 そもそも、自分が行くような大衆居酒屋にある「チューハイのプレーン」という飲み物って、味がほとんどない。 焼酎をただ炭酸で割ったものだ。それを自分は普段から好んで飲んでいたので、ただの炭酸水がほとんど「チューハイのプレーン」に感じられるのである。このときばかりは、「普段からの絶え間ない努力のおかげだ」と自分を褒めてやりたくなった。居酒屋の酒の中でもっとも安い部類の「チューハイのプレーン」を飲んでいたからこそ、炭酸水を飲んだだけで居酒屋気分を味わうことができる。
酒の穴『よむお酒』P.179

 あいにく「チューハイのプレーン」をあまり飲まないのでそのまま真似はできないのだけど、ただの炭酸水を飲んでも居酒屋気分を味わえると言うのは相当な酒飲みなわけで、まだまだ未熟な自分は、実際に酒を飲んでしまうので二流の酒飲みだと思うわけである。一流の酒飲みは酒を飲まずして飲んだ気分を味わえる境地に達している。おそるべし。

 ただ、炭酸水といえば、最近はビールよりもハイボールの方が健康的な気がして、炭酸水を箱買いして常備しているのだけど、このウィルキンソンの炭酸、発祥の地が兵庫県の宝塚ってのは知らなんだ。

 ナオ そういば「ウィルキンソン」の炭酸水の発祥が、兵庫県の宝塚市だってことを最近知って。
 バリ え?ウィルキンソンて日本のものなんですか?
 ナオ イギリス人のウィルキンソンさんが、宝塚に湧いている炭酸鉱泉を発見したのが始まりだそうです。
 酒の穴『よむお酒』P.229

 そしてほろ酔い気分のまま、本棚の整理に取り掛かる。あちらこちらに散在している本を、これは読んだな、とかこれは読んでないとか、これは久しぶりに読みたい、とか仕分けしていたのだけど、読みたいものと未読のものが改めて整理してみるとちょっと引くぐらいあって、あわわわわ、、、となった。ちょっと気合い入れて読まないと、まじで減らない。いや、日々読んでいるはずだし、そこそこ読めている気がするのだけど、まだまだみたいだ⋯⋯。

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読書好きな会社員
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