みんなの話を聞いていることは嫌じゃないから、ほとんど芝居でもみているような心地できいている。 2020/08/12
世間はお盆休みなのだろうか。今年は墓参りにもいけないなぁと思いながら仕事している、孫の顔見たそう。早朝、6時頃に走りに行ったら結構ランナーがいたのだけど、今日は6時でも暑い。
カラヤンのは読み込み終わって、次はアバドのSONYのボックス読み込んでいる。これは39枚。単調な作業だけど、単調な作業は淡々とこなしているだけで進むし、そのうち終わるから、楽だ。
全く勝手な連想なのだが、朝吹真理子は朝顔を連想する。ただの勝手な連想なのでご本人からしたら何言ってるんだこいつという話かもしれないが、だからどうということはなくて、日の出とともに今日も暑さがガラス越しに伝わってくるので夏だな、と思いながらふと朝顔を連想しただけなのだけど。
朝吹真理子『TIMELESS』は芥川賞受賞から7年経って出た新作。エッセイ集『抽斗のなかの海』でも全然書けない、ということを呟いているくだりがあったけれど、本当に時間がかったんだな。とはいえ別にすぐに書かなきゃいけない謂れもないし、なんなら別に書くことは義務でもないんだろうから、書けるときに書いて欲しいし、エッセイももっと読みたいけれど、別にプレッシャーをかけたいわけでもなく、これからも出てきたときに読めればいいな、というただそれだけの話。
うみは秘密が多そう、ずっと言われてきた。わかる、クールだしね。何もないから言わないだけだった。人を好きにならないから恋愛の話をしないだけだった。恋をすると花鳥風月がしみるらしいことはわかっても実感がないままここまできた。アミとつきあうのも、結婚するなれそめもみんなに言うべきことがなにもない。みんなの話を聞いていることは嫌じゃないから、ほ とんど芝居でもみているような心地できいている。
朝吹真理子『TIMELESS』P.61
主人公に感情移入して物語を楽しむようなものではなくて、なんならそんな筋はどうでも良くてただ読んでて心地よいような小説で、現実と夢の間も曖昧になる小説だから、読みながらちょっと自分もうつらうつらと微睡んだりする、そんなのが心地よかった。
しかし、ちょっと昼ごはんを買いに出るだけでも溶けるような暑さ。まぁ夏なので当然なのかもしれないが、何も考えずにプールで遊べたらいいのにね、と子供と話しながら歩いた。
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