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逃げながらマキビシ撒くのは間違い! 忍者の秘密が明らかになってしまった
伊賀と甲賀に伝わる四十九流の忍術を集大成した秘伝書が、
全文現代語訳されてしまった。
もちろん、初の偉業である。
万の川が集まって海となる。
伊賀甲賀罪業の忍術流派という川が、全て大海に注ぎ込み、そして一つになった広大な書であるが故に「万川集海」と名付けた。
いやぁ、もうこれによって忍術の秘伝が丸裸になってしまった訳です。
知謀計略の類いから、天候の予測、時刻の測り方や方角の判定方法まで、
こと細かに記されている。
身分を絶対に明かすなと言った心得もあれば、
潜入後、具体的にどう相手の首領を仕留めるかと言った話まである。
あえて自分から侵入者がいるのでお逃げください、とか言ってみて、
出て来た奴を仕留める、といったやり方や、
潜入を待ち構えられていた際には、逃げたフリをして戻り、
おのれっ、追いかけろ!と出て来たところを仕留める、といった
ノウハウも記されている。
実は特に派手なことは書かれていなくて、実に地に足のついた話ばかり。
相手の忍びを捕えたら、二重スパイに仕立てあげろ、とか
とにかく情報が大切というスタンス。
一番驚いたのは、撒菱(マキビシ)の使い方。
忍者が逃げる際にばらまくトゲトゲの奴なのだけど、
逃げながらばらまくのでは無くて、
あらかじめ逃走ルートに撒いておくのが良いとされているらしい。
で、自分が通るときには足をあげずに摺り足で通過するとのこと。
ちゃんとwikipediaにもそう書いてあった。
wikipediaすごいな。
さらに、糸にくくりつけて、
自ら引きずりながら逃げるという使い方もあるそうな。
というわけで、逃げながら撒くのは違うらしい。
あと、忍者同士は違う主君に仕えていても、
お互い協力しあって情報を融通していたなんて話もあった。
忍者はスパイ大辞典でも東洋のスパイマスターとして紹介される存在。
忍術は超常現象でもなんでも無く、
地に足のついたノウハウの塊であることは、
『万川集海』を読めば一目瞭然なのだけど、
逆に超能力としての忍術もまた気になってしまって、
山田風太郎の忍法帖シリーズが読みたくなってしまったのでした。
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