Meg&Me

日英翻訳・通訳者。ここでは日々考えたことを少しずつ書き溜めています。すきま時間や、何でもない何かをさらっと読みたいとき、そんなあなたに寄り添えたら。

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最近の記事

「ただ訳すだけ」でも、個性は出るし活かせる

個性ということばを聞いてよく思い出すのは、新卒生の就職活動だ。 まるでそれが就活の制服でもあるかのように、一様に黒スーツと白シャツを身につける、あの独特な光景。 わたし自身も、新卒の就職活動のときにはその「制服」を身につけて会社説明会やら面接やらに向かっていた記憶がある。 違和感はあった。だけど、枠からはみ出すほどの勇気もなかったあのころ、長い就職活動を経て気づいたことがある。 同じようなものを身につけていても、個性は出る。 出るというより、にじみ出る、と言ったほうが

    • 当たり前みたいな顔で赤リップをまといたい

      気に入って買った赤の口紅。 わたしはもともとの唇の色が薄いので、赤色をのせると顔の印象が大きく変わる。ぱっと華やぐ感じが、けっこう気に入っている。 ところがある時から、この口紅を手に取るたびに、あるひとの言葉が思い出されるようになってしまった。 「赤リップなんてもう流行らないですからねぇ」 化粧品売り場の販売員さんの言葉。 アイシャドウを探していたときだったと思う、アイメイクとリップメイクのバランスとか、そんな話の中でこの言葉が出てきた記憶がある。 そしてこのとき皮肉

      • ひとからもらった親切は、別の誰かにつないでいきたい

        先日、用事を済ませた帰りに東京駅の中をさまよっていたら、ある像の前で一人の女性に声をかけられた。 「すみません、ここで写真を撮ってもらえませんか?」 聞けば、ご家族(おそらくお孫さん)から、自分がその像と一緒に写っている写真を撮ってきてほしいとリクエストされているとのこと。 それなら、とスマホをお借りしてご希望のポーズで撮影。お役に立ててよかったな、と帰路についた。 実はその1時間ほど前、私はこれまた見知らぬひとから助けられていたので、このご恩を別の誰かに返せるといいな

        • 通訳業はしばらくなくならない職業だと思う

          通訳者として仕事をしていると、この仕事はまだしばらく需要がありそうだなと感じることが多い。 実は少し前まで、通訳の仕事は法廷通訳とか医療通訳のように専門的な内容を扱う場合を除いて、近い将来なくなってしまうのだと私自身思っていた。 10年ほど前だろうか、「将来なくなる仕事ランキング」のようなものが発表されたときも、そこに通訳業が含まれていた記憶がある。 だけど今改めて、「通訳という立場」の重要性を実感している。 通訳の現場や求められる内容にもよるけれど、通訳者は、単純に〇

        • 「ただ訳すだけ」でも、個性は出るし活かせる

        • 当たり前みたいな顔で赤リップをまといたい

        • ひとからもらった親切は、別の誰かにつないでいきたい

        • 通訳業はしばらくなくならない職業だと思う

          円満退社ってそんなに大切だったのかな?

          社会人になってからこれまで何度か退職する、というのをやってきているけど、一つだけ後悔していることがあるとすれば、それは「退職理由で本音をいわなかった」ことかもしれない。 嘘をついていたわけではない。 むしろ、精一杯の誠意を込めて、相手に「それなら仕方ないか」と思ってもらえるように、言葉を選んで伝えていたつもりだ。 退職を決めるときって、理由が一つしかないことって少ないと思う。 仕事のなかの人間関係だったり業務の内容だったり組織の性格だったり、そういういろいろなもののなかに

          円満退社ってそんなに大切だったのかな?

          だれよりも私が、私を応援していたい|ドラマ「ユミの細胞たち」

          去年「愛の不時着」にハマってから韓国ドラマの魅力に初めて気がついて。(それまでの韓流ドラマのイメージは、恥ずかしながら冬ソナで止まっていました) 最近観ている「ユミの細胞たち」がとてもよいのでご紹介。 主人公のユミを中心としたラブコメなんだけど、ユミやそのお相手など、主要な登場人物の「頭のなか」、それも「細胞たち」の働きっぷりがのぞけるのです。 ひとはみんなそれぞれさまざまな役割をもった「〇〇細胞」というのが頭のなかにいて、彼らの働きによっていろいろなことを考えたり、判

          だれよりも私が、私を応援していたい|ドラマ「ユミの細胞たち」

          noteをこれからどう書いていくかちょっと考えてみたくて、数日時間をとろうかなと。書けそうなときは記事を書いてみますね。 写真はこの前行ったUSJ。雨の合間の虹がきれいだった!

          noteをこれからどう書いていくかちょっと考えてみたくて、数日時間をとろうかなと。書けそうなときは記事を書いてみますね。 写真はこの前行ったUSJ。雨の合間の虹がきれいだった!

          こうでなきゃいけない、を崩してみたい

          ちづこさんのnoteを読んでハッとさせられたので備忘も兼ねて。 点てたお抹茶にミルクを合わせてみたら思いのほかおいしかった、というお話。これ、さりげなく書かれているけれど、本質を突いている気がして。 日常生活のなかにあるものの多くは、どういう形でそこに存在すべきかを無意識のうちに決めつけてしまっている気がする。 この料理はこの材料で作るべきとか、この道具はこのように使うべきとか。 その「決めつけ」のおかげで生活が安定して安心して毎日を送れる、という側面があるんだと思うけ

          こうでなきゃいけない、を崩してみたい

          セレンディピティは自覚してこそ生きるんだと思う

          わたしは、自分をとても運の良いほうだと思っている。なんというか、「もってる」ほうだと思う。 つい先日、ことばと広告さんがセレンディピティの話をしていて、そのなかでDiscordのことに触れていた。 このDiscord、気になってたあれだ!と嬉しくなった。 実は先週、仕事で一緒になった20代のひとと話をしてるときに「友だちと連絡を取りたいときにどのツールを使うか」という話題になって。 Facebookはもう流行ってないんだよね…?と聞いたところ、WhatsAppやInsta

          セレンディピティは自覚してこそ生きるんだと思う

          こういうひとをプロフェッショナルと呼ぶんだと思う

          最近好きな曲のひとつ、幾田りらさんの「レンズ」。 彼女がYOASOBIとしてとあるバラエティー番組に出演していた際に表現していた、歌うことに対する姿勢がとても印象的だった。 ワンフレーズどころか一音ずつ、もしかしたらもっと細かい単位まで分解して、歌い方を工夫しているのだそう。 もちろん、彼女の歌を聴いただけでは、少なくとも素人のわたしにはどの部分でどんな工夫が凝らされているかは分からない。ただ、すっとやさしく心に染み渡るような、そんな心地いい感覚に浸れてしまうことはたし

          こういうひとをプロフェッショナルと呼ぶんだと思う

          ストレスはゼロにできないし、しなくていい

          昔、自律神経の先生に言われてハッとしたことがある。 「ストレスはね、ゼロにしないほうがいいんですよ」 多少の刺激があってこそ、人が考えたり行動したりすることにつながる。だから、適度なストレスは必要という考え方。 第一、ストレスをなくすなんて無理な話だ。 一日中布団に横になっていたって、周囲の音や窓から差し込む日差しで小さなストレスは生まれるのに、生活を営んでいたらあらゆるストレス源に出会うことになる。 代筆屋けんせいさんの言う、「心地良い自分に戻る」ことを大事にしたい、

          ストレスはゼロにできないし、しなくていい

          親になったわたしにとってもテーマパークは楽しい

          独身のころは友人たちと行くのが楽しかったテーマパークも、結婚し子どもがいる今では家族で訪れるようになった。 その昔、テーマパークで友人たちとわいわい過ごしている横で家族連れ、特に小さな子ども連れを見ると「あのお父さんとお母さん、大変そうだな」と同情に近い気持ちをもったこともあったが、逆の立場になった今、あのころ抱いていたイメージとは少し違う景色が見えていることに気づく。 そもそも今は、テーマパークのアトラクションそのものよりもアトラクションに目を輝かせる子どもを見るのが楽

          親になったわたしにとってもテーマパークは楽しい

          TikTokアプリ問題に思う、身を守るには知識が必要ということ

          最近見つけた、TikTokアプリを使っているとパスワードやクレジットカード情報が漏れてしまう可能性がある、という記事。 こういうニュースを目にすると、何人か思い出すひとたちがいる。 そのひとたちに共通するのは、デジタルとかITとか、そういうものにあまり詳しいとは言えないということ。 このひとたちに、どのように説明すれば、こういうアプリの危険性を分かってもらえるだろう。どうしたら安心してインターネットを使えるようになるだろう。そんなことを考える。 だって、身を守るのには、

          TikTokアプリ問題に思う、身を守るには知識が必要ということ

          おしゃれは我慢、してもしなくてもいい

          わたしの母は、おしゃれが大好きだ。 それはかなり前からのことだそうで、母が20代のころなどはファッション雑誌のモデルさんの着こなしに憧れては、ページに小さく添えられたブランド名などの情報を頼りに同じものを買いに走ったほど。 そんな母の口癖のひとつが「おしゃれは我慢よ」だった。 いわく、季節を先取りすることが大切で、まだ肌寒くても春物を着て、まだ暑さが残ってても秋物のニットをまとう、そんな努力も必要なのだと。場面に合ったものを着ることも大事で、多少着心地が悪くても見栄えを優

          おしゃれは我慢、してもしなくてもいい

          待機児童がいなくなっても、親と子が安心して過ごせなければ意味がない

          この記事を読んで、わが家の保育園探しを思い出した。 あれは、当時住んでいた地域の待機児童がゼロになったか、限りなくそれに近い状態のタイミングだったと思う。 通える範囲にある保育園をリストアップするとかなりの数があることが分かった。さすが待機児童ゼロを目指しているだけあるな、と感じた。 ところが、実際に見学に足を運んだり、それぞれの園にまつわる情報を調べていってみると、手元のリストにある園全てが候補になるわけではないことが分かった。 ある保育園では見学に訪れると、先生方が

          待機児童がいなくなっても、親と子が安心して過ごせなければ意味がない

          とどまる理由がなければ離れてしまうものだから

          マイナビによる「新入社員の意識調査」2022年版に関する記事。 調査結果の結論に関する部分に、少し違和感がある。 たしかに、調査結果を見る限り「仕事がつらい、もう辞めたい」という印象は受けない。かといって、これが「ポジティブな転職の意識」ととらえられるかどうかは疑問だ。 「ライフステージに合わせて働き方を変えたい」「転職でキャリアアップしていきたい」が転職を検討する理由として挙がっているということは、言い換えれば、「ライフステージが変わったらこの仕事は続けられない」「こ

          とどまる理由がなければ離れてしまうものだから