New Gamesの与えた影響 * 点が線となり、線が面となる
私は、日本の大学で発達認知心理学を学び、ドイツの大学で遊びと学びのデザインを学び、現在はベルリンで遊具デザイナーとして、こどもミュージアムのファシリテーターとして働いています。
遊び、学び、こども、教育、心理学、空間、ワークショプ、デザインなどについてあれこれ考えたり学んだりする毎日です。
今日は、そんな中での嬉しい発見について書きたいと思います。
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先日、ミュンヘンのこどものまち「ミニ・ミュンヘン」と、ミュンヘンのこどもミュージアムについて書きました。
私が働いているベルリンのこどもミュージアムや世界中の美術館・博物館がコロナ禍で閉館中ですが、ミュンヘンのこどもミュージアムはオープンできていて。
世界中で、「こどものまち」も含むたくさんのイベントが中止や延期になっている中で、ミニ・ミュンヘンは開催されて。
それは運がよかったり偶然だったりではなく、ミュンヘンで美術教育や遊びの環境のために尽力せれてきた先駆者の熱意と活動が今につながっているからだと知り、私にもすごく熱い想いが溢れました!
「こことここがつながっていたんだ!
これからもこうしてつながっていくんだ!」
点と点がつながった!!!
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以前、1960年代後半から1970年代前半にアメリカで反戦運動の中で生まれ世界に広まった「新しい遊び」のカタチ、New Gamesについて書きました。
New Gamesについて更に調べてみたところ、その名称や経緯こそあまり知られていないものの、その波紋は本当にいろいろな分野に広まったようです。
○ 世界各地の遊び、健康、子どものスポーツに関する団体。
メンタルトレーニングの第一人者と言われているテリー・オーリックさんによる協調的な遊びやスポーツを用いた先駆的なプロジェクトもその一例。
○ 学校の体育の授業内での協調的な遊びの導入。
○ アメリカのスポーツ機器の分野への協調的な遊びの影響。
FlaghouseやSportimeもその一例。
○ ボーイスカウト、YMCAや4Hクラブのコンセプト。
○ The Strong National Museum of Playの設立。ニューヨークにある、遊びに関するコレクションベースのミュージアム。こどもミュージアムのようなインタラクティブな要素もあり。
○ 子どものための遊びやグループでの遊びの価値をテーマとしたアドボカシー・ロビーイング。
IPA(International Play Association)もその一例。
○ ヨーロッパの遊びを用いた活動や研修を行っている多数の団体。
ミュンヘンの"Pädagogische Aktion"、"Spiellandschaft Stadt München"。
"Akademie der kulturellen Bildung"(ドイツの若者の文化的教育のための国および州の中央研究所)など。
○ チームビルディングやワークショップでのアイスブレイク、コミュニケーション改善などを目的として取り入れられる遊び
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え、"Pädagogische Aktion"!!
上に挙げた、ミュンヘンで学校の枠組みを越えた美術教育への新しい考えを持って活動を行っていた芸術教育者たちのグループです。
ミニ・ミュンヘンを始めた、ミュンヘンのこどもミュージアムを設立した、そして他のたくさんの活動によって子どもの遊びや自発的な活動や体験を通じた学びをミュンヘンに浸透させていった、団体です。
ここにもNew Gamesの影響があったんだ。
わぁーここもつながってる!!
線と線がつながった!!!
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自分の興味があることについて学んだり調べたり実践したりしていて、部分的だった知識や経験がぴーんっとつながる瞬間がありますよね。
これまでの蓄積が雪だるまみたいにくっついて一気に大きくなる感覚。
そして、遊びの力に魅了されそれを信じてきた先人たちの広く深い想いを更に感じてまた力をもらいました。
最後まで読んでくれてありがとうございました!