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フィレンツェで残高20ユーロになった話。

最近、フィレンツェでの旅行のことが頭によぎり、思い出した。

イタリアが大好きすぎた24歳になったばかりの私は、
当時勤めていたマルタの会社から有給休暇を4日ほどもらい、
ずっと夢見ていたイタリアのフィレンツェへ5泊6日旅行へ旅立った。

Ryan AirでRome経由で、Amerigo Vespucci Airport空港へ到着後、
電車でFirenze Santa Maria Novella駅へ到着🚆

予算カツカツだった私は、Santa Maria Novella近くにある
6人部屋(Bedroom with 6 bulkbeds) のホステルを予約してたので、
Iphone 7をポケットから出して、ホステルまでの行き先を調べていたら、
なんと。。。Iphone 7がご臨終。

これはまずい、そもそもホテルの名前すら覚えていなかった私は、
駅中にあるガジェットがたくさん売られているお店へ駆け込み、
周りを見渡して、携帯を充電するためのSocketを探した。

やばい、コンセント無かったらオワコン、、どこ?( ;∀;)って
周辺をキョロキョロ見渡していたら、
縁デカ眼鏡をかけたアフリカ系の黒人男性(以下Tさん)が私に、
「Hey, What are you looking for? How can I help you?」
何探してるの?大丈夫?
と声をかけてきた。

眼鏡越しに3倍くらいに拡大された彼の巨大な目を見て、
戸惑った私は、スマホ充電のためにコンセント口を探してるんだけど、
見当たらなくて、、と伝えた。

そうすると彼は、
「あーここにあるよ、携帯貸してと」言って、
私の携帯をささっと充電。

携帯を20分ほど充電し終わった頃、
Tさん「どこに行くの?」

私「あー実は駅の近くのホステルを取ってて、
これから歩いて向かう所なんだよね。」

T「あーそうなんだ。ホステルの名前何?」

私「XXXXXホステルで、ここの駅から15分くらいのところなんだよね。」

T「あーここか
そんなに遠くないけど、荷物も大分重そうだし、連れて行ってあげるよ。」

私「あ、ありがとう。」

めっちゃ優男、、
ただ下心あるんじゃないのか?と疑った私。

Tさんは店を出た後、友達と待ち合わせているから、
ちょっと待ってねと言い、そこで5分ほど待機。

Tさん友人「Hey, Nice to meet you, I'm his friend」

私の内心
「え、誰だよこの人、もしやグルになって、スリとか女の人に手出したりしてるのか?」

しかも、何か変なことをしてくるわけでもなく、
Tさんとその友人は、私をホステルへ連れて行ってくれた。
(ただの良い人たちだった笑)

Tさん「俺、フィレンツェに15年以上住んでるから、
何か旅行中に分からない事あったら、俺に言ってね。」と言って、
連絡先を交換。

Tさんの話を聞いたところ、ナイジェリアから難民ビザで来て、
そこからずっとフィレンツェで仕事をして来ている人らしい。

フィレンツェ歴バリバリで、
イタリア語も完璧な、超しっかりしたメンズだったのだ。

主要観光地、
ヴェッキオ橋、ドゥーモ広場、ガリレオ博物館などを一人で周った後、
ミケランジェロ、ラファエロなどの
ルネサンス時代の絵画が有名なウフィツィ美術館のチケットを予約しようと思ったら、
公式サイトでも転売サイトでもチケットが売り切れてた。。
自分の計画性の無さを改めて痛感した。笑


そして4月25日、フィレンツェ滞在3日目に差しかかった頃、
会社からの給料を待っていたら、
なんと、会社から、
「We apologise to inform you that there has been delay of salary payment, salary is expected to be paid out after 28th April.」
給料支払いの遅延があるとの連絡が。

「げえええええええ。やばいぞ。
Revolutの残高20ユーロしかないのに、
どうやって、後2日旅行楽しむわけ。。」と

頼れる友達や、知り合いが現地にいるわけでもない私は、
連絡先を交換したTさんが頭にパッと浮かんだ。

「あ。Tさんが何かあったら、俺に言ってねっ。」
って優しく声をかけてくれたよなぁ。

普通の人は社交辞令って分かるから、連絡いちいちしないと思うんだけど、
もうこの切り札を出すしか無かった私。

Tさんに、
「Hey,  Are you free tomorrow? wanna hang out with me?
Let's explore Florence before I leave」
ねえねえ、明日暇?よかったら出かけない?
私が帰る前にフィレンツェ一緒に回ろうよ。

Tさん「Hey, Megumi, of course, Let's meet up tomorrow afternoon,
we can meet in front of the station.」
やっほー、めぐみ。もちろん、明日の午後待ち合わせしようか、
駅前で待ち合わせよう。

私「sure, let's meet around 2pm there」
そうだね、じゃあ二時に駅集合で!

このメッセージした日も大してお金を使えるわけでもない私は、
カツカツの資金を切り崩し、シティセンター内のマックでチーズバーガーセットを食した。

そして翌日の午後2時ごろ、
約束通り、Santa Maria Novella駅でTさんと待ち合わせ。

Tさん「Hey, How Are you? Have you seen a lot in Florence?」
元気?フィレンツェのあたり、結構色々見れた?

私「yeah, I saw the major landmarks here but had to skip the Ufizi museum as I forgot to reserve the ticket haha」
「うん、大体有名な景色は見れたかな、でもウフィツィ美術館はチケット予約忘れて見れなかった、ハハ。」

T「Ok, then let me take you near the Ponte De Vecchio and some nice places for seeing beautiful sunset」
「わかった、ヴェッキオ橋の近くに行こうか。夕日が綺麗に見えるところがあるよ〜。」

私の内心「よし、今のところお金を使う場面にはでくわなさそうだな、、。」

そして、Duomo広場、ウフィツィ美術館、ヴェッキオ橋周辺近を、
二人でプラプラ散歩し、橋越しに見える美しい夕日を満喫してきた。

T「It's getting dark already, Are you hungry?」
暗くなってきたね。お腹空いてきた?

内心「ゲ、、ついに来てしまったか、、この時が。」

私「Yeah, A Little bit, Do you have any recommendations for dinner?」
うん、少しね。ご飯美味しいおすすめのところある?

T「Yeah, I know a nice local restaurant around here, Wanna try?」
うん、ここら辺のローカルレストラン知ってるから、行ってみる?

私「Sure, Let’s go」
そうだね、行こうか。

内心「自分のドリンクすら払えないレベルで、金欠だけどこれはどう切り出そう。」

Tさんがチョイスしたのは、Duomoの近くにある小じんまりした
可愛いイタリアンレストランだった。

私はパスタ、向こうはピザを注文した後、
Tさんは私がマルタに来たきっかけ、
マルタでしている仕事の事などを色々聞いてきた。

内心「ここで言うしかないな、
そもそも私が金欠なのって会社のせいでもあるし。」

私「実はさあ、、会社からの給料が遅延して支払われて無いんだよね。
だから、旅行の途中から全然楽しめてなくて。」

Tさん「あーそうだったの!?、
大丈夫だよ。これは俺が奢るから安心してね。」

内心「よ、良かったあああ、Tさんが払ってくれなかったら、食い逃げするしかなかったのかな。てかがめつすぎるな私w」

奢ってもらうことで安心した私は、
カルボナーラが、人生一美味しく感じ、一麺も残さずペロッと食べた。

優しいTさんは、赤ワインとデザートまで頼ませてくれて、
全てご馳走してくれた。

普通の男ならこの後、ご馳走に対する対価を女性に体等で求めてくることが多い。

ただ、Tさんはそんな卑しいメンズでもなく、
ホステルまで送り届けてくれ、
「フィレンツェに来てくれてありがとうね。美しい街でしょ?
また来る時があったら、いつでも連絡してね。」と、
最後の最後まで紳士的なメンズだった。

”もし、今後の人生でもう一度フィレンツェに訪れることがあったら、
Tさんに再会して、ご馳走してあげるのが私の夢。”

私はトスカーナ州の美しい街並みを飛行機上空から眺めながら、
自分にこう誓った。







































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