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雪降る日 『POLA MUSEUM OF ART』を訪れる 「カラーズ 色の秘密にせまる」 (後編)

前回の続きです。
1月のある日、箱根のPOLA美術館に行ってきました。
個人的に気になった作品を紹介します。


○ 平面作品としての青磁 [伊藤秀人]

古来より、陶磁器や漆などの工芸においても豊かな色彩表現が追求されてきました。宋時代の陶工は理想の青磁の色を「雨過天晴」と表現し、その美意識は現代にも受け継がれています。陶芸家・伊藤秀人は、平面作品としても成立する青磁を探求し、奥深い色彩による没入感を生み出しました。

伊藤秀人

色にまず惹かれる。艶のある青磁の青は美しいですね。
器と違い立体的な形がないので、絵のようにずーっと見ていられる。貫入がひとつひとつ違うのも唯一無二の魅力。

「貫入」(かんにゅう)とは、焼き上がった陶器を窯から出して、冷ましている過程で生まれるヒビのような模様のこと。
その時に風鈴の鳴るようなチリチリという音が聞こえます。
今回の作品では、QRコードで貫入の音を聴くことができるようになっていました。

ずーっと聴いていられる音でした。風鈴のような、雨粒のような。

○ 色彩をまとう [小泉智貴]

圧巻の存在感
このボリューム!色が溢れる
近くに寄ると

衣服の色は個人の趣味や心理状態を反映し、周囲にも影響を与える。ファッションデザイナーの小泉智貴は、鮮やかな色彩と大胆なフリルを用いたボリュームのあるコスチュームで注目を集めた。彼は日暮里の生地屋で170色のポリエステル・オーガンジーに出会い、その美しいグラデーションを生かしたドレスを制作。「色彩をまとう」ような彼の作品は、既存の色彩を独創的に昇華させ、非日常的なファッションを生み出している。

パッチワークのようで可愛い
無限の色と形の組み合わせ


フロアの休憩スペースに置いてあった本
インタビューのページが多く読み応えがありそうでした!もちろん衣装の写真も✨

東京オリンピックの開会式の時に、MISIAさんが着用した衣装のデザイナーだったようです!
開会式ちゃんと見ていなかったので、知りませんでした💦 
TOKYOコレクション、パリコレ、ニューヨークコレクションと活躍中。
興味のある方は上記の公式サイトからコレクションの写真を見てみてください。

○ 色に塗れる体験 [草間彌生]

こちらの部屋に1グループごと入り、草間彌生体験が出来ました。

無限の鏡の間
21-01
一求道の輝く宇宙の無限の光
2020年

もうご高齢だと思うのですが、まだ作品制作は続いているのですね。これも2020年の作品。

荷物は預け、スマホのみで入室。30秒


おそるおそる入ると、、おぉ〜


どこまでも広がるカラフルな球体

上下左右が分からなくなりそうな感覚。鏡で反射しているので、自分達もどこまでも続く〜
万華鏡の中に入ったような。。

事前にスタッフの方から30秒と聞いていたので、あっというまかな?と思っていたけど、意外や意外。
状況を把握して、細かく見ていって、感じて。
うーんこれは面白い空間だけど、私には圧迫感がありずっとは居れないな〜と思ったところで、終了。ちょっとホッとしたのでした。

草間彌生作品の特徴でもありますね。強迫的な印象を与える。

○ 他の気になった作品

ヴォルフガング・ティルマンス

↑私というより、長男が最も気に入っていた作品。

どなたの作品か失念しました🙇


ニッポン画家 山本太郎

まとめ

colors というテーマは広い!時代、手法を飛び越えて、さまざまな作品を網羅していた今回の展示。
次々に切り口の違う作品に出会うので、頭がついていかず、感覚的に見ていきました。
思わぬ作品に出会えて面白かったです!


雪降る中の散歩道

走ると滑るよ〜💨
降ってきた〜
屋外作品の上にも雪

雪に縁のない私たちにとって、テンションが上がった雪の中の散歩でした🚶
箱根は寒いですね。

帰り道

まさに季節ごとの姿を見せてくれる、『POLA  MUSEUM OF ART』を実感した冬の訪問でした。

お読みいただきありがとうございました😊

前編はこちら↓


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