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[読書] ぼくは戦争が大きらい


いなかのまどからさんのこちらの記事を読み、興味を持ったので、
『ぼくは戦争が大きらい』を読みました。

○ 食わず嫌いを反省



子どもが産まれてから気づいた、世の中の赤ちゃん向けマーケットがアンパンマン一色なこと。
小児科、保育園、児童館などに溢れたアンパンマン。
おもちゃ屋、赤ちゃんグッズの展開のほとんどがアンパンマンみたいな雰囲気。

知らないうちに赤ちゃんとの生活がアンパンマンだらけになりそうで、なんとなく謎のバリアを張ってしまっていたので、アンパンマンとやなせたかしさんからは遠ざかっていたのです。

戦争経験があるから、アンパンマンができたらしい。ことぐらいは知っていましたが、ふーん。くらいで。

今回、いなかのまどからさんが良い記事を書かれていたので、改めてやなせさんのことを知りたくなったというわけです。


○ 読んでよかった

 


当事者としての戦争体験の話はとても具体的で、気持ちの描写が多く書かれています。が、淡々とあっけらかんとしています。
戦争の話と聞くと、読む方も構えてしまいますが、肩の力が抜けた文章で、あまり苦しい気持ちにならず読み進めることができました。

そんなユーモラスな人間性は軍隊にいても変わらないようで、戦争には行きたくないが、仕方ない。やりたくないが仕方ないから容量よくやる。運がよかったからなんとかなった。
軍隊なんてその気になれば楽なもの。なんてことも書かれていました。

ご本人が戦地の最前線に立たなくてすんだこと、暗号班という裏方に配属されたことはもちろん関係していると思いますが、ある意味冷めた目で周りを観察して、自分の気持ちを殺さずにいれたことがやなせさんの強さだと思いました。

○ 印象的な箇所

食べる物がないことがどんなに辛くて情けないか、でした。
いろいろ辛いことはあっても、空腹ほど辛いこのはありません。

p.87

中国に派遣されたときには、「もう帰れないかもしれない」と覚悟を決めていたので、帰れたことがなによりだったのです。
うれし泣きです。
敗戦の悲しみとか、そういうものはまったくありません。

p.117

あとがきから

アンパンマンとばいきんまんは、食べ物とばい菌です。だから、仲良くしてもらっては困るのです。それでも、彼らはマンガの中でともに生きています。

ハッとしました。人じゃない👀
食べ物とばい菌なのか!
ばい菌だから食べ物に寄って悪さするのか!
それを阻止するために、アンパンマンはバイキンマンをやっつけるのか〜

あーー納得。
今まで、ばいきんまんをスルーしていました。そっか〜
そして、食べ物と菌だから共生しているのか!

ぼくが『アンパンマン』の中で描こうとしたのは、分け与えることで飢えはなくせるということと、嫌な相手とでも一緒に暮らすことはできるということです。

改めて、アンパンマンに込められた想いをきちんと知ることができました。
この本がやなせたかしさんの最後の著書とのことです。
まさにラストメッセージですね。


思いがけず、まとめるのが大変でした。
陳腐な感想になりそうで。
下書きのままも嫌なので、これで公開します。
お読みいただきありがとうございました!

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