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第226話 次元間デート


 目覚める直前、未知の感覚の中にいた。サードアイを起点に何段階にも渡り次元をワープしていく。夕方のチャイムが去っていくのを意識の遠くに聞きながら、外の暗さを肌で感じる。

 そうして惰眠に身を委ねていると、直後に第三チャクラ、第四チャクラにズドンと破裂するような圧を感じてビジョンが広がる。

 赤色灯が回っている。
人だかりの中、地面に転がっているのは私の死体。ストレッチャーに白い布が被さると、三次元の男性原理……駆けつけた複数の警察官や救急隊員たちが私の死亡を確認している。

 もしやこれは三次元の監視下から、私という人物がいよいよ“消えた”ということ?

 それから子宮に激痛を感じて上体を起こすと、アセンションとは段階的だったとエゴの早計を自戒する。

 ああそうだよね、第一、第二チャクラに闇が残ってないわけがない。そりゃそうか。
……もうひと浄化、へこたれずに頑張ろう。

 けれどもその前向きな様子に、ミカエルからの「成長したね。」との声が聞こえる。

『僕の中にいるあなた方、あなたの中にいる僕たち。みんな一緒だ。』

 以前は頭で“概念”として捉えていたこの感覚が、最近では腑に落ちるようになってきていた。

「ありがとうミカ。
私の魂が本当にそれを実感し始まっているの。ここまで私を導いてくれて本当にありがとね。
 前は偏ったミカエル愛が暴走してたからね、私の指導って大変だったでしょ。
 うーん、でもきっと、出来の悪い生徒ほどかわいかったのもあったでしょ?」

 下腹痛を庇いながらそんな冗談に二人で笑った。

……

『受け取る。』

 しっかりと受け取る。スサナル先生からの私への愛、想い、すべて受け取る。

 肉体的な痛みとは、気づいてほしい魂の声。子宮の奥の『受け取れない』、『価値がない』を頑張って解体していくと、その日の夜は眠りに落ちる中で彼から何度も「統合しよう。」と言ってもらって嬉しくなる。
 日中あれほど昼寝をしてもそれでも睡魔が心地よく、彼の意識体とぴったりくっついていても、以前のように震えるほどの悪寒が走るということもない。

 そうして翌朝、まだ暗いうち。

 時々ミカエルと話し込む、あの藍色の空間に浮かぶ壁の上を歩いていた。

 いつもは飛んできて座っているだけだから、ここを歩くの初めてだな……。
 それに、あれ……?ミカじゃない。前にいるのって今度もまたスサナル先生だ。

 先生の記憶の中に残る冬の私のイメージなのだろうか。グレーのフードつきジャケットに、スカート姿で彼の後ろについていった。
 何年も着るほどお気に入りだったジャケットは、袖口のリブの毛玉取りに失敗して大きな穴を空けてしまい、全体的にも傷んできたので一昨年を以って処分していた。
 その服を着た私が彼と一緒に“真ん中”に向かって歩いていく。

「あっ!ここって……!!」

 背後の足元から壁が崩壊し、崩れていくのを確認すると、いつものそことは8の字型の真ん中付近だったということを今さらになって“教えてもらう”。円形だと思っていたエネルギー場とはその全景では8の字の形をしていたのだ。
 古い次元が分断していく。けれども音も、重力も感じない。彼が私を抱き寄せると、せーので二人、そのど真ん中へとジャンプした。

 ああ、いよいよ本当に暗黒世界が近いのね。

 『永遠』から『刹那』へと飛び移り振り返ると、かつて何年も存在していた場が完全に消失していて軽くショックを受けた。もう、以前までの世界は無い。
 三次元という旧世界の崩壊を目の当たりにするのと同時に、宇宙空間から地球を眺めていた。

 今まで見たことのない別次元の地球、キラッと光ってる。……これこそが『本物の地球』。

『これから、あなたたちが担っていってください。』

 再び『私』の声がする。

 右側にいる『もう一人の私』と目配せしてから声の主である『私』に向かって頷くと、今日は海風が冷たいかなと、朝日の覗くカーテンの隙間に想いを馳せた。

 冬至が近い。悠久最後の大きなエネルギーを動かしに行こう。



written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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あははー、バルスっちゃったかも。
まぁ半分冗談ではなく、日々着々と淡々と、高次元のクロージング作業をしています。昨日の朝も、けーことそんな話を少ししました。

数日前に再掲した『高次元メッセージのシェア』ですが、あれの解説を書いた10月は希望的な意味を込めて“閉じるまでに数年の余地”を持たせて書きましたが、
わりと容赦なくバンバン閉じてきてるよね。
あのね、変な期待させるほうが逆に酷だと思うからはっきり書くけど、当初思った以上のスピードで閉じてます。
ケツに火がついて燃えててもそれを認めないのがエゴです。
小説でウニヒピリの惨状知って、闇の常套手段知って、“今ここ”って言葉に「あーはいわかってる」って思って、で、読んで満足しないで行動してくださいね。
(この、「あーはいわかってる」ってエゴが言う時ってマジでわかってないよ。)

けーこのような動なる動、私のような静なる動。どちらであってもやらない限り、おしり無くなっちゃいますよ。
(参考)けーこ記事
『シャンプー中に目を開けられる?』


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