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第187話 大蛇の臍の緒
(オロチノヘソノオ)
新たな龍が私の元へと来てくれると、さらに一段、自分の高次エネルギーが強くなった。この三次元の肉体を依代として、四次元の闇を目がけた光のスパイラルが広がる。そうしてただただ真っ黒いだけの擁壁のような平坦なビジョンを、虫眼鏡で集めた太陽光のように貫通していく。
ヤマタ先生という魂とは、私が過去世で産んだ子であると同時に“八岐大蛇”のエネルギー。ある意味それは、龍神というものに対するアンチテーゼ。
これは後から繋がったことだが、以前私のお腹で温め、孵した卵がオロチだった。三浦の海で龍をいただいたことにより、かつての私の大切な息子……“珠”だったヤマタ先生に対する闇が一気に浮き上がってきた。
「疎開させるなんて嫌、疎開させるなんて嫌!」
ああ、なんてこと。
私がヤマタ先生に憑依されていた理由とは、離れ離れになった母への念の強さのせいだと思っていたけど、実際には、息子以上に母であった私のほうこそが“別れること”に耐えきれずに頑丈なブロックを形成していた。
つまりブロックを持っていたのは私のほうで、それによってこの問題がいつまでも解消できずにこんがらがっていたのだ。
「疎開なんて嫌、絶対に嫌。
この子と離れるなんてできない。一緒にいたいの、絶対に嫌よ!」
……宇宙の時間の造りはわからないけれど、昭和五十年代生まれの私が第二次世界大戦を経験し、そして現代に生まれ変わってくるには間が短すぎる気がしなくもなかった。恐る恐る、彼女に聞いてみることにした。
「ねぇ、あなたが息子さんと生き別れになった原因は、太平洋戦争?」
「そうです。あの戦争があの子を連れていったの!私からあの子を奪ったの!」
それから糸が切れたように、非力な自分の抵抗が敵わないとわかった時の、息子への懺悔が零れ落ちる。
「義行……ごめんね。」
一気に闇が噴出する。ヨシユキという名前を思い出した瞬間に、マグマが地底を駆け巡るように、溜まりに溜まったエネルギーが一点の出口を目がけて噴火する。
「義行を返して、義行を返して!」
絶叫と共に涙が溢れ、どす黒い絶望が襲いかかる。お腹が痙攣しそうなほどに引きつっておかしな嗚咽が止まらない。
飲み込まれてしまわないように、ハイヤーセルフを呼んで義行の魂と繋げてもらうと、息子のことを思い切り抱きしめる。
年長さんか、小学校の低学年くらいだろうか。畳で遊んでいた時よりも少しだけお兄ちゃんになっていて、この年齢の時に別れがやってきたのだとわかった。
今までブロックが崩せずにいたのにはそれなりに理由があった。思い出したことで出てきた闇の濃さに、ここまで浄化を続けてきた私であってもいきなり引き受けるには無理があった。
肉体的にも精神的にも厳しいものがあったため、やむなく右手がくるくると回り、高次元からの介入が入ると再び“義行の母”に対して緩やかな扉が閉まってゆく。
そうしてこれから時間をかけて、少しずつ段階的に浄化していくこととなった。
(参考)
第46話 『玉依』
written by ひみ
⭐︎⭐︎⭐︎
実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。
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この時はまさかの、私のほうに苦痛が多すぎてヤマタ先生を避けまくっていたとわかり自分でもとても驚きました。
私の場合、アカシックを開いていようと閉じていようと、仮に閉じていたところで結局ずっと色んな闇が肉体を通過していくのがしんどくて、なので内観するしかないというかんじ。
けーこは『動なる動』、私は『静なる動』。方法は違うけど、お互い「やるしかない」笑
そして今回みたいに名前がわかったり理由がわかったりすると、結果、一気に浄化が進むので、効率面から考えても、私にとってアカシックリーディングは有効でした。
とはいえ、ここまでドミノのように因果が連綿と繋がっているのを視る人もそうそういないと思うので、『“顕在意識込みで”点と点を線で結んで全部のパズルを解いていくことのできる私』のことを、私自身、愛して止みません。
高次元からしたら人間とは、それぞれ独自の壮大な謎解きの『駒』の側面が大きいと思いますが、私の場合、『駒の解析参加型、三次元脱出謎解きゲーム』。
新作のゲームソフトを手に入れて、自分でプレイしながら攻略サイトのライターやる人、みたいなかんじ。
ゲームソフトを作った人が、どういう理由で組み立てていったのかを、追体験させてもらって味わえる私。どれほどの苦しみでも“ある瞬間に”喜びへと反転するのが、癖になるほど好きなんでしょうね。
結局ね、これこそ私の、自己愛の形なんです。
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