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二.吾輩の働き方は、過去の遺物となるのか?! 「リモート不可」から当たり前の日常を疑う

連載『吾輩はおっさんである アフターコロナの準備はまだできていない』

残業なし、有給休暇は年間30日!ドイツの職場でワークライフバランス重視の会社員生活を満喫していた45歳・靴職人の夫が、コロナ危機をきっかけに目覚めた!?リモートワーク不可、IT化とはほぼ無縁のハンドメイドな職人業、SNSは未経験……。人生100年時代を希望を持って生き抜くため、一人のおっさんが今、ゆっくりと立ち上がろうとしている! 2話目もどうぞお楽しみください。

世界が変わる? それとも自分が変わる?

2020年3月、ドイツでは我々が住む街を含む地域が「ロックダウン状態」に入った。これによって自分を取り巻く世界は一変した。

当時のドイツの状況は「都市封鎖」ではなかったものの、「ステイホーム」がメインの厳格な接触制限だった。

例えばこんな感じ。

・同居家族以外の人を家に招いてはダメですよ
・同居家族以外の人と公共の場で会う時は二人まで、2メートルは離れてね
・学校も幼稚園もお休みだけど、おじいちゃん・おばあちゃんは、孫のお世話をしないで!
(営業OKの業種の子どもの受け入れ先はある)
・手洗い、せきやくしゃみの時の衛生マナーを徹底しよう
・日常生活を維持するのに必要な、スーパーマーケット、薬局、ドラッグストア、医療関係は営業OK
・レストラン、居酒屋、映画館、文化施設、公園、遊園地、バーベキュー会場は営業NG、イベント中止

これによって、息子は幼稚園にも習い事にも行けない、友達にも会えない日々がスタート。
↓この時の息子の心境はこちら↓

フリーランスとして働いている妻は、業務委託を受けている会社のオフィスへの通勤を免除され、完全在宅勤務に。

そんな生活が2カ月以上も続くと、

息子の頬はふっくらと丸くなり
(完全に運動不足)

妻の神経はキレッキレに尖っていった…。
(数分おきの報連相を欠かさない「ホームオフィスの同僚=6歳の息子」が同室にいる苦悩)

一方、自分はというと「整形外科靴」という整形外科医が処方するオーダーメイドの医療用の靴を作るという仕事柄、幸い「営業OK」の業種に入った。
しかし、素材も機材も靴の木型も、なんにもない自宅でできる仕事は一つもない。
リモートワークはもちろん不可。

自分以外の家族は社会との接触を避けて、最低限の買い物や散歩以外は家にいる。
つまり、家族を危険に晒しているは自分ではないか、という不安が芽生えてくる。
勤める会社だって、コロナ危機を乗り越えられるか誰にも分からない。
フリーランスの妻の収入は、今後ますます不透明感を増す。

「安定した暮らし」だと思っていたものは、砂上の楼閣だったのだろうか。
静まり返る街の中を、毎日毎日通勤した。
電車に揺られながら、不安に揺さぶられながら通勤した。

このままでいいのか。

自分は何がしたいんだったかな。


一枚の紙が出てきた。

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2012年のある晴れた10月の日曜日、当時はまだ結婚して1年目。
ライン川沿いを散歩しながら、これからどんな未来に向かおうか、思い付くまま妄想した自分たちの未来の姿をポツポツと話した。

妻が書き留めていたその日のメモには

「45歳で独立」「ハンドメイドの靴職人になる」

ということが書いてある。

2020年までには開業資金バッチリためて、日本に拠点を作って、自分のお店を開こうと、自宅兼お店を持ち、1階を靴屋さん、二階を自宅として妻の仕事場を作ろうと、そう夢みていたらしい。

今、あの頃の未来に立っている45歳の自分。
夢の続きを見るにはもう歳をとりすぎている?

いや、そのメモにはこうも書いてある
「夢は語ってみて、はじめて形をあらわす」

時間は戻らない、ならば進むしかない。
何から手をつけていいのかもまだ見えていないけど、
2020年版の「夢」を、妻に語ることから始めてみよう。

ーーこんな感じで、コロナ危機の最中に自分を見つめ直し、行動を起こそうと決意を新たにしたおっさんであった。

>>>続きは、こちら


次回、「吾輩のドイツで会社員生活と、これまでの日常」

ますはアウトプットだ! 思考の棚卸しだ!と、ブログを書いて見ることにしてた吾輩は、妻の勧めでNoteにアカウントを開設。

しかし、そのアカウントはその後、およそ1カ月間放置される…。

「決意を新たにする」のは容易だが、実際に「日常生活を変える」ことは言うほど容易いことではないようで…。

会社員、父、夫として、ドイツでどのような日常を送っているのか、おっさんの実態に迫る!

→→この記事のおっさん(夫っさん)本人が綴る徒然なる日記はこちら

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Megumi/ドイツ在住フリー編集者
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