好きなことを極めていくということ/漫画「ブルーピリオド」感想
私はあまり漫画はよまないたちなのだが、(何巻もある本を最後まで買えない)、これはたしかLINE漫画で一話無料でよんでハマり、ちょこちょこ買っている。
あらすじはこんな感じ。
成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。
その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。
(アフタヌーン公式サイトより)
引き込まれる登場人物の表情
表紙だと印象が薄くなるのだが、本編の割と重要じゃないシーンでも、これくらいの気迫のある表情が描かれる。そう聞くと、ダレるのではと思うかもしれないが、これが意外といい味になっており読者は引き込まれてしまう。その表情に、登場人物の内面や真剣さを感じ取るのだ。
美術に興味がなくても読みやすい
専門用語や美術の知識に関して、軽い説明をしてくれるので、これまで人生で美術への関わりがなかった私でも楽しく読めた。そもそも主人公が、美術初心者なので、一緒に学べる。学生の頃に知ってたら、美術の点数上がったかな……。少なくとも、楽しくはなった気がする。
個性豊かな登場人物
主人公も、努力家なヤンキーという変わった人物だが、女装してる子とかおさげ髪の子とかいろいろ変わった子がいて、性格も個性豊か。ユカちゃんかわいい。
ブルーピリオドを読んで
主人公の矢虎は、元々美術には興味がなかったが、早朝の渋谷を青い、と感じ、それを表現した絵を、友達にみてわかってもらうことで、美術に興味を持つようになる。この時の、「初めて人とちゃんと会話できた気がした」と涙ぐむ矢虎にこっちまで泣きそうになってしまった。
この話では、絵を上手く書けるようになるためには(正しくは芸大に合格するためには)、技術だけじゃなく、自分がどう見るか、どう感じるか(=自分の答え)、そしてそれをどう表現するか考えることが大切と言うことを繰り返される。当たり前だが、自分の答えをもつには、自分と向き合わなければならない。矢虎も悩みながら、いろんな人に聞いて自分の考えを深めていく。(これを後になって、絵を通して、自分は人が好きなんだと気がつくのも、またアツイ)
その過程でも、真面目すぎるとか空気を読みすぎだとかいろんな人に指摘される。これは、普段の矢虎が人とうまくやるためにやってしまうことと一緒だ。
私は、趣味で誰にも見せない小説を書いているのだが、その過程で、ふと、自分の思いに気がつくことがある。このキャラに言わせたこのセリフ、私のことだよな、とか。(恥ずかしいので、具体的な内容は伏せさせてください💦)
そのことにより、ただ小説ができるだけでなく、自分自身の気持ちや繰り返してしまう悪いくせなどを、深くわかっていく。
そういう体験をしていたので、この矢虎の美術を通して、自分の弱点と向き合っていく様にとても共感した。
なにか好きなことを極めていくこと、なにかを作り出していくことは、すなわち自分と向き合うことなのかもしれない。自分の作品を通して、自分の未熟さに向き合うこと、自分の真の思いに向き合うこと、そして、それさえ自分の作品なのだ、それが今の自分なのだ、と理解していくこと。そういう過程が、好きなことをやって深めていくことにはあるのかもしれない。
あと、「俺が俺の絵をダメにしていく」と不調な矢虎が自分に思うシーンがあるんだけど、あるあるすぎて心に刺さった……。
好きなことをやること、何かを作り出すこと、それは簡単じゃないけど、私はそれで自分のことを少しだけ理解することができたから、これからも続けていきたいなあ、と思う。
本当に面白い漫画で、しかも試し読みがあるので、読んでみてください!!(なにももらってないです、当たり前ですが笑)
↓公式サイト↓
(リンク初めてなので、うまくできてなかったらスミマセン……)
ブルーピリオドで検索したら、多分出てくると思います。
ここまで読んでくださった方ありがとうございます!!自分のことを話すのって緊張しますね(笑)
ブルーピリオドに似ててオススメの漫画とか、他にもここの場面がよかったとかあったら、コメントで教えていただけると嬉しいです!