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Billlie「GingaMingaYo (the strange world)」
Twitterで「表情管理がすごい」と流れてきたこの動画。
ちらっと見てみると分かるが、こちらがまばたきをしている間にくるくる表情が変わる。振り付けごとに…いや振り付けの数以上に、コンマ何秒という世界で表情が変わり、愛らしさと気迫を両立する姿に見入ってしまう。髪型やメイク、スタイリングもあいまってお人形さんのよう。調べてみるとビリーというグループの日本人メンバーで、ツキちゃんというらしい。ちなみにツキちゃん、ダンサーとあって表情管理のみならずダンスもキレッキレである。日本でモデルとして活動していたキャリアを置いて、韓国に渡った覚悟の持ち主。
で、他の動画もチェックしてみるとこの曲、表情管理が半端ないのはツキちゃんだけではないので、そういうコンセプトなのだというのがわかる。
他のメンバーも、ニコニコ笑った直後に「目でコロす‼︎」と言わんばかりの迫力ある表情を見せてくれて最高だ。ラッパー・ムンスアちゃんのハスキーボイスも痺れるカッコよさ。私は女子の笑い声が入ってると「超クール!!」と感じるタチで、終盤に「キャハハハハッ」と挑発的に笑うところも好き。(その直後に、目でコロす‼︎が来る)
呪文のように繰り返されるGingaMingaYoというフレーズ、韓国語をローマ字表記でタイトルに冠してるのは、記号性を高めて中毒性を狙ってるのは間違いないだろう。この単語は日本語でいうところの「ちんぷんかんぷん」のニュアンスに近いらしい。自我が芽生え、抑えつけようとする大人たちに不条理を感じたり、それを上回る好奇心に自分自身が困惑したり。若い世代の揺れ動く心情をパワフルに表現していて、ティーンをエンパワメントする曲だなぁと思う。itzyを初めて聴いた時も「私は私。恋愛だけが楽しいことじゃない」というメッセージに感激したけれど、こういう感触は日本のメジャーな女子アイドルには薄い。日本の女子アイドルが託されるのは、自信のない異性を脅かさず、それを励まし優しく包み込む内容が多く感じられる。
the strange worldというのは、おかしく感じる世の中のことなのか、大人になるにつれ自覚してきた新しい自分のことなのか、想いを巡らせるのも楽しい。そんなBilllieの「GingaMingaYo」なのだ。