
緊張のほどき方~アレクサンダーテクニークにヨガを添えて。
対面で話すときに緊張せずに落ち着けるよう、ヨガを使ったグラウンディングを教えて欲しい。
そんなリクエストをいただきました。
緊張の開放といえば、アレクサンダーテクニークがぴったり。
アレクサンダーテクニークとは
アレクサンダーテクニークを学び、ヨガに取り入れ始めて3年近くなりました。
アレクサンダーテクニークって何?
そう思われる人も多いでしょう。
日本ではあまり知られていないのですが、実は海外では有名なボディワークです。
アレクサンダーテクニーク(Alexander Technique)とは、心身が行なっている緊張をやめていく事で、自分がやりすぎている事について感じる気づき(アウェアネス)を高めることによって、自己についての学びを深めることを目指す心身技法である。(Wikipediaより)
アレクサンダーテクニークを一言でいうと…
いや、一言でいうのは難しい…なぁ。
アレクサンダーというのは、フレデリック・マサイアス・アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander)さんという、オーストリア生まれの俳優さんの名前。
ご本人が舞台で声が出なくなってしまい、どんな医者に相談しても原因がわからず、大変悩みました。
試行錯誤し、自分を観察する中で、緊張した時に起きる体の反応に気づきました。そこからたどり着いた体へのアプローチ・思考法がアレクサンダーテクニークのベースです。
自分の存在を思い出す
頭と軸の使い方
全体性やバランス
「頭が動いて体全体で」がキーワードです。
本当にまだまだ奥が深いので、私が理解している範囲でお伝えできればいいなと思います。
緊張のほぐし方、という話に戻りましょう。
緊張って何だろう
そもそも緊張って何でしょう?
例えば緊張するときというと、こんな場面かな。
うわっ!と脅かされた
大きな役割を任された
命の危険を感じたとき
大事なプレゼンをする
大勢の前で演奏をする
大きな試合の決勝戦
小さなことから大きなことまでいろいろですが、緊張する場面って誰でも1度や2度は体験したことがありますよね。
そのとき、自分にどんなことが起きていますか?
ちょっと想像してみてください。
緊張すると、
視野が狭くなる
頭の中が真っ白になる
呼吸が浅くなる
のどが詰まる感じ
胸がギュッとなる
お腹が痛くなる
首の後ろが重くなる
などなど、人それぞれで感じ方が違うかもしれません。
緊張するとは、脊椎反射が起きて、脊椎がギュッと縮んだ状態なんですって。
その反射を最初に受け止めるのが脊椎に近い脳の「偏桃体」。
ここは、いわば動物の本能をつかさどっている場所で、
いざ!逃げるか戦うか!という状態に備えようとします。
闘争逃走反応ってやつ。
危機に備えるから、体を固め縮む、酸素が行かない、血液のめぐりが悪くなる、ホルモンのめぐりが悪くなる。
そして、思うようなフォーマンスが発揮できなくなる・・。
本能だったり、反射だから、なかなか太刀打ちできません。
でも、大事なイベントや試合で実力を発揮したいじゃないですか。
それじゃあ、緊張ってやつを手放していきましょう。
で、どうしたらいいの?
自分の存在を思い出す方法
これからすること、目の前の観客に気持ちが行ってて
何とかうまくやろうって焦っている時。
それは、意識が相手や未来へ向いている状態ですよね。
その意識をまず自分に向けていきましょう。
そこで、アレクサンダーテクニークの出番です。
まず、動いてみましょう。
立ち上がって、歩いてみます。
動きながら、頭と脊椎、体全体のつながりを思い出します。
実際に手で体に触れていくのもいいですよ。
あ、私がここにいて、全部つながってるって。
私はここで動いたり、言葉で受け止めたり、自分がやってきた経験や、
得てきた資格がある。私はそれを伝える者として、ここにいる。
そのことを認めちゃいましょう。
次に、周りを見回して、自分の体と今いる場所の情報を集めてみる。
「いま、ここは安全ですか〜って」
はぁ~っと息を吐きながら、頭を上から前に丸く下ろしていき、
たくさんある骨が動いてねと、下に行ったり。
ゆっくり頭から上がってきて、脊椎を動かしながら、
手とか足も一緒に動かして伸びをしてみたり。
こんなこともしていいですよ。
腕を大きくまわしてみる。
体をねじってみる。
手で触れて立体の自分を思い出す。
普段から、ここにいくつかあげてる動きをやってみて、
使えそうなものを覚えておくのいいですよ。
そのうち、軽く目を閉じ、「大丈夫」って思うだけで、
すーっと頭が軽くなり、緊張がほぐれるようになりますから。
キーワードは、「頭が動いて体全体で」です。