働き方ノートVol.7 筒井雄一先生
放射線技師から経営者へ。
大変なこともたくさんあるけど、
自分自身の可能性に向き合える楽しさを感じています。
診療放射線技師/株式会社バンブー 代表取締役
筒井雄一先生
■ 仕事編
Q診療放射線技師をめざしたきっかけは何ですか?
母親と5つ上の姉が看護師だったこともあり、病院の方々の仕事はよく知っていたので子供のころから「将来病院関連の仕事に就くのかな~」と思っていました。
ただ、中学生のころから始めたバンド活動でプロを目指すようになり、ライブハウスなどで活動していましたが、客観的に見てバンドマンとしての限界を感じ、高校3年生の時、真剣に将来を考えて診療放射線技師を目指すことにしました。臨床工学技士、臨床検査技師も視野にありましたが学校見学に行ったり、仕事内容を考えて診療放射線技師を選びました。理由はわかりませんでしたが、自分に合っていると感じたからです。
Qスポーツジムなど様々な事業を立ち上げようと思ったきっかけは何ですか?
友人に勧められて、ロバート・キヨサキ著の「金持ち父さん貧乏父さん」の本を読んで、社長になろうと決めました。そこから起業して何をしようかを考えるようになりました。
現在、キックボクシングジム2店舗、エステサロン1店舗、全身もみほぐし店4店舗、学習塾2店舗、タイ料理店など計10店舗ほどを経営しています。起業した当時、最初に作った店舗はキックボクシングジムで、私自身はプロ選手ではありませんが極真空手、キックボクシングを経験したことがあり、格闘技はとても好きなスポーツということもあり、ジムを作ることにしました。
以前からの友人がキックボクシングジムの代表でしたので、当社はフランチャイズとして運営を始めました。エステサロンなどの他の店舗に関しては、キックボクシングジムの会員さんつながりでスタッフも増えていき、マッサージやエステなど、興味のあるものは「じゃ、店舗を作ろっか~」という感じで軽いノリで作っています(笑)。
軽いノリと言うとあまりいい表現ではありませんが、いい具合に肩の力を抜いて運営できているので、問題ないかと思います。
~ある一日のスケジュール~
5:30 起床 メールチェックやSNSなどのチェック
8:00 経営する各店舗に行ってオープン前のチェックを行う
9:00 朝食
10:30 新店舗物件内覧と内装打ち合わせ
12:00 スタッフ用社宅内覧
13:00 広告担当者とZOOM打ち合わせ
14:00 昼食
15:00 キックボクシングジムスタッフとミーティング
16:00 学習塾講師とミーティング
17:00 SNS投稿やYouTube撮影など
18:00 診療放射線技師派遣スタッフのシフト調整ミーティング
20:00 帰宅
00:00 就寝
Q診療放射線技師、各種事業を展開するやりがいは?
診療放射線技師は医師や看護師など多くの医療従事者と一緒に、チーム医療で患者さんを救っていけるところにやりがいと魅力を感じています。僕の場合は診療放射線技師でもしっかりと読影ができないと正しい画像提供ができないと思っているので、CTやMRIの読影技術については特に力を入れて勉強しています。なかなか発見しにくい病変を発見できた時は特にやりがいを感じています。
各種事業展開においては、お客様が来店してくださったときやキックボクシングジムに入会してくださったとき、運営する店舗で提供しているサービスを購入してくださったときに、お客様から必要とされていると感じられることがとてもうれしく思い、やりがいを感じています。特に勤務するスタッフの方々が笑顔で接客をしている姿を見るのは、社長として幸せを感じます。
Q様々なことに挑戦、起業して変わったこと(生活スタイルなど)
・不安や葛藤は?
経営経験が全くなしで起業しましたが、なぜか成功すると思い込んでいたので、不安や葛藤はありませんでした。臆病なくせに、気持ちが大きいところがあるので起業にあたっては臆病さが出なかったように思います。
・これからの展望(お仕事面)
経営している会社については、一緒に働いてくれるスタッフさんがいたり、お客様が喜んでくれるビジネスであったり、僕自身が楽しいと思ううちは拡大を続けていこうと考えています。直近ではキックボクシングジムの2店舗目、全身もみほぐし店5店舗目のオープンが決まっています。もみほぐし店は直営で100店舗を目指そうと思っています。
・診療放射線技師として得意な事柄
整形外科分野は撮影含め読影も得意です。ただ、新卒時に勤務した病院が脳神経外科だったということもあり、脳神経外科領域の患者様がくると、臨床症状から異常部位を予測し画像診断に望むことも得意かなと思います。
■ プライベート編
・仕事とプライベート(趣味など)との両立
診療放射線技師の仕事、運営する会社のこと、24時間、常に考えてしまうので仕事とプライベートは分けられていないかもしれません。しかし、診療放射線技師として医療現場に立つこともあるので医療人として、会社の社長としていつでも仕事のことは考えてしまうでのこれは仕方ないのかな?と思っています。
でも、楽しんで仕事をさせてもらっているので両立しようとか仕事とプライベートを分けようと考えたことはあまりないかもしれません。
・夢
現在、診療放射線技師については、自分自身が現場に立ちつつも、診療放射線技師を医療現場に紹介する業務も行っております。
診療放射線技師の仕事は好きなので、現場での仕事時間が少なくなったとしても、現場での仕事を続けていき、病変の早期発見に携わって多くの人を助けていきたいというのは診療放射線技師としての夢であります。
経営する会社については、僕自身が現場で勤務しないスタイルで拡大をしてきましたが、まだまだ関わっていかないとトラブルなどを解決できないことがあるので、いずれは完全に僕自身が全く関わらなくても、すべての店舗が運営できる強い会社を作りたいと考えています。目下の夢はこんなところですが、もっと先の夢は仕事で完全な自動化ができるようになったら、世界中を旅してまわろうと思っています。
・若い方に向けて一言
診療放射線技師さんや運営する会社でも多くの若い方に出会いますが、もっとぎらぎらとしていいと思います。もっと勉強したい、出世したい!お金を稼ぎたい!など、思っていることを出してもらいたいです。
日本の風潮では協調性をもって、横に習えの姿勢が評価されるところがありますが、欲や個性を出すことでもっともっと自分自身の価値を高めてほしいと思います。簡単に言うなら「生意気な若いやつ」になってみてください。必ず評価してくれる人が出てくると思います。
・趣味
仕事ばかりしているので無趣味かもしれません。寝ているときも仕事の夢を見るくらいです。売り上げを上げるためにはどうするか?新規事業は何をするか?など考えています。仕事に縛られているという人もいますが、僕にとって仕事は趣味であって遊びの一環なので日々充実しています。あ、でも、車は好きです。
・コロナ禍で思う事
相手のことを知り、適切に怖がることはとても大事だなと思いました。多くのマスコミで、コロナウイルスの恐ろしさを伝えてくれていましたが、必要以上に恐れてしまう情報を流していたこともあるように思います。
僕らの会社もコロナウイルスで金銭的、人事的にも大きな代償を支払いましたが、それでも1店舗も閉鎖せず営業することができました。人間なんていつかは死んでしまうもの、明日にでもコロナウイルスに感染して死んでしまうかもしれないので、適切な感染対策をしつつ、日々楽しんでいこうと思っております。
■ 筒井先生に聞きたい!
・今までと働き方で変わったところはありますか?
経営者になってすごく変わりました。自分が自ら動くのではなく、スタッフの皆さんとよく話し合い、どの様に働いていただけたら効率的に仕事が回るのか?などを考えています。
起業前までは自分がどのように動くか?という考え方だったので180°変わったと思います。
・診療放射線技師として、今気になるトピックはありますか?
AIに興味はあります。
Qこの先、取り組んでいきたいこと(起業家として、診療放射線技師として)
・起業家として取り組んでいきたいこと
出会う若い人で、起業することに興味を持っているけど何をしたらいいかわからない、お金がない(資金調達方法がわからない)など、悩みを持っている方が多くいるのでサポートしたいと思っています。
そのためにいろいろな職種の事業を立ち上げている側面もあるので、当社での事業に興味がある人が入れば格安のフランチャイズ料金で店舗を持たせてあげたり、などの準備をしています。
Qお仕事をするうえでのこだわり
・運営している会社について
自分が現場に立たないこと。現場のスタッフさんに任せることをこだわっています。おかげさまでアルバイト、社員にかかわらず有能な方が多いので、まだ完全ではありませんが僕の出番はあまりなくても会社は回っています。
・診療放射線技師について
診療において見やすい画像提供をすることは当然ながら、読影もできる技師にこだわっています。診療放射線技師になりたての頃、友人に「技師なんて『息を吸って、はいて~』って写真撮ってるだけだろ?」と言われて悔しかったので、読影もできて、誰からも頼られる診療放射線技師になることを目指しています。