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【ドローン1対多運航】Wing社50機ワンオペ認可取得(世界と日本の差が拡大)
世界のドローンデリバリー業界を牽引するAlphabet(Google)傘下のWing Aviation社(以下、Wing社)はメルボルンへのドローンデリバリーサービス拡大に際してオーストラリア政府から1人のオペレーターで同時に最大50機のデリバリードローン(配送用UAV)を運航させる認可を取得した。
情弱な衰退途上国かつドローン後進国である日本のメディアはドローンデリバリーというと馬鹿の一つ覚えでAmazon社(Prime Air)やZipline社を引き合いに出すが、実際にドローンデリバリー業界をリードしているのはWing社である。
【形だけの既成事実】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) February 3, 2023
Amazon社ドローンデリバリー「Prime Air」がサービスイン初月に行った宅配は10件未満。実証実験レベル。推理した通り「形だけの既成事実」作りだった。#ドローン物流
《Amazon’s No-Fly Zone: Drone Delivery Largely Grounded Despite Splashy Launch》https://t.co/y6ShQzdCGU pic.twitter.com/JTWPUygQod
【Amazonドローン再び脱落】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) April 23, 2024
2022年に書いた『【ドローンデリバリー】Amazonが脱落し、GoogleとWalmartが飛翔』(https://t.co/pnEr3dgvXg)から大して状況変わらず。「Prime Air」プラットフォームは惨憺たる有様。#ドローン物流
《Amazon is shutting down its drone delivery service in California… https://t.co/7fohAjqwxG
Wing社のドローンデリバリープラットフォームはロジスティクスオートメーションソフトでドローンフリートが効率的に管理された分散型の自動システムであり、これまで同社のオーストラリアにおける1対多運航は1人のオペレーターで同時に最大15機までとされていたが、今回の許可で3倍以上の50機に拡大された。
【ドローン配送の最適化】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) March 10, 2023
Wing社のドローンデリバリープラットフォームはロジスティクスオートメーションソフトでドローンフリートが効率的に管理された分散型の自動システム。#ドローン物流
《Wing’s new delivery network lets its drones deliver more with fewer stops》https://t.co/swKWIorVs3 pic.twitter.com/f9PQBQPWMF
【ドローンにパイロットは不要】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) December 9, 2022
Wing社は新開設のドローン配送指令センターを公開。職務名こそ「Pilots in Command」だがジョイスティックを握ることはなく、自動運航する複数のドローンを監視・管理する。#ドローン
《Wing unveils first-of-its-kind Remote Operations Center for drone delivery》 https://t.co/8LlBm1RwAG
【Wingドローン1対50機同時運航】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) July 20, 2024
Wing Aviation(@Wing)社はメルボルンでのドローンデリバリー開始に際して1人のオペレーターで同時に50機を運航させる許可を豪州政府から取得。1対多運航。#ドローン物流
《Australia Leads Wing’s Latest Drone Delivery Expansion》https://t.co/7g7ZLFkbMW pic.twitter.com/mk6QDG3Wys
これによりプラットフォーム本来の効率性が活かされるようになり、ドローンデリバリー運用コストがさらに低減されることになる。1対1運航ベースの稚拙なアーキテクチャしか想像できない所為なのか日本には「ドローンデリバリーは採算が合わない」「コストが掛かる」などといった思い込みによるデマが根強く残っているが、実際は低コストでエネルギー効率が高く、環境負荷(環境負担)の少ないエコでクリーンなロジスティックスである。
【エコで低コストなドローン物流】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) August 18, 2022
ドローンデリバリーのメリットは一般的陸上輸送手段に比べ低コストかつ温室効果ガス排出量を大幅削減できること。#ドローン物流
《Drone flight data reveal energy and greenhouse gas emissions savings for very small package delivery》https://t.co/DmV18DVuH6 pic.twitter.com/hnWFl7HUZp
世界の1対多運航
ドローンの1対多運航は今回Wing社がオーストラリアで1対15機から50機に拡大。同じくオーストラリアでは世界の医療物資ドローンデリバリーサービスを牽引するSwoop Aero社が1対5機の同時BVLOS運航認可をオーストラリア民間航空安全庁(CASA)から受けている。自律型ドローンによる自動警備・モニタリング・点検システムではPercepto社がアメリカ連邦航空局(FAA)から1対30機の同時BVLOS運航認可を取得している。もちろん、これらは実用化・社会実装されているものであり、単なる実証実験ではない。
【1人で5機のBVLOS認可】@Swoop_aero 社はオーストラリア民間航空安全庁(@CASABriefing)から1人のパイロットで最大5機のドローンをBVLOS飛行で運航する認可を取得。今後パイロット1人で3大陸最大30機運用へ拡大予定。#ドローン
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) May 20, 2022
《Swoop Aero obtains CASA approval for Remote Operations Centre》 https://t.co/Q04mDY9Vp1
【自律型ドローン30機ワンオペ認可】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) November 30, 2023
Percepto(@PerceptoDrones)社は同社の自律型ドローンによるAI自動点検・監視システムにおいて1人のオペレーターで最大30機のドローン(UAV)を同時BVLOS遠隔操作・フリート運用させることの承認をFAA(@FAANews)から取得。#ドローン
《FAA green-lights… https://t.co/HJPvMzRT8Q pic.twitter.com/XEfaJLLKjV
ドローンフリート管理ソリューション
自社プラットフォームのUTM(ドローン運航管理システム)リンクなどでない場合でも幾つかのドローンフリート管理ソリューションが存在し、それぞれの国や地域の規制において運用されている。
【混合機種フリート運航C2】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) June 29, 2024
Delair(@DelairTech)社は機種の異なる複数のドローン(UAV)をフリート運航させるための制御インターフェース「DRAKO」(Drone Remote Access Command & Control for Operations)ユニバーサル地上局を発表。#ドローン
《Are Mixed Fleets the Future of Uncrewed… pic.twitter.com/oqvhf94ofO
【「AlarisPro」ドローンフリート管理】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) July 12, 2024
Skyports Drone Services(@Skyports_DS)社はドローン(UAV)のフリート管理プラットフォームにAlarisPro(@alarispro)社の「AlarisPro」を採用。ドローンデリバリー。#ドローン #ドローン物流
《AlarisPro Selected by Skyports Drone Services for UAS… pic.twitter.com/BkzpWZrs8m
海外の実証実験
自律型ドローンの分散型運航管理としてはハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学(Eötvös Loránd University)の実証実験が興味深く、記憶に新しい。エトヴェシュ・ロラーンド大学による自律型ドローンの分散型運航管理アルゴリズムはシミュレーション上で最大5000機、実証実験においては100機の同時運航管理に成功している。
【自律型ドローンの分散型運航管理】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) July 16, 2024
エトヴェシュ・ロラーンド大学(@elte_ttk)の研究者らは自律型ドローンの分散型運航管理アルゴリズムを開発。自己組織化する群ドローンがスマートシティの安全な交通ソリューションとなることを実証。#群ドローン #UTM #AI
《Decentralized traffic management of… pic.twitter.com/m6Vu2BmRNM
ドローン後進国日本の現状
翻って日本は規制などを加味するにせよ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」(ReAMoプロジェクト)の一環でKDDI社と日本航空(JAL)社が共同で実施した2024年5月15日の実証実験において、遠隔操縦者1名でドローン3機の同時運航に成功したことをマスコミが鬼の首を取ったように嬉々として報道している有様である。
【ドローンの1対多運航】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) June 28, 2024
1対多運航システムは既に海外では社会実装済み。Percepto社はFAAから1対30機、Swoop Aero社はCASAから1対5機の同時BVLOS運航認可取得など。実証実験段階の日本と世界との差。#ドローン #UTM… pic.twitter.com/4xnSXZiwt2
日本企業を応援しているが、稚拙なプラットフォームしかなく既にかもめや社が倒産している。残念だが、今回これでまた端からWing社など海外の優れたドローンデリバリープラットフォームを導入しないとドローン配送事業自体に対する誤った評価や風評被害を招きかねないという危惧がリアリティーを帯びることになった。
【日本のドローンデリバリー】
— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) November 20, 2023
日本企業を応援しているが、稚拙なプラットフォームしかなく既にかもめや社が倒産。残念だが端からWing社など海外の優れたドローンデリバリープラットフォームを導入しないとドローン配送事業自体に対する誤った評価や風評被害を招きかねない。https://t.co/RSDC9CTZip… https://t.co/2ZqFnjfJaS pic.twitter.com/2WE3eb8yzQ