【読書】清水克行(著)『室町ワンダーランド』を読み始める。
清水克行(著)『室町ワンダーランド』という本を読み始めています。
この本、知り合いとの待ち合わせ時間までに少し時間があったので、ジュンク堂書店あべのハルカス店を巡回しているときに見つけてしまいました。
垣根涼介(著)『室町無頼』を読んでから、室町時代に対して、興味が高まっています。
そのため「室町」という文字に反応してしまうのです。
私は、「日本史が好きです」といっても、その知識のほとんどは戦国時代と幕末に集中しています。
室町時代に何があったか?残念ながらあまり興味がありませんでした。
足利尊氏が光明天皇に征夷大将軍に任じられ、新たな幕府が成立したのが1338年。
そして15代将軍足利義昭が、織田信長に京都から追われたのが1573年です。室町時代は、235年間も続いたのです。
『室町ワンダーランド』は、室町時代の解説を含めた清水克行さんのエッセイ集です。
室町時代のエピソードが、面白おかしく書かれています。
例えば相撲鑑賞における室町時代と現在の比較や、「ワリカン」という室町時代の文化が、現在にまで影響を与えている事柄などが紹介されています。
歴史の知識だと思っている中には、後から創作されたものが意外と多く含まれています。
創作されたものを史実だと認識してしまうのは、あまり好ましいことではありません。
何が史実で、何がフィクションなのかは知っておく必要があります。
とはいえ、史実が事実だったかも微妙です。
500年も600年も前の一次情報を取得することは、タイムマシンがない限り不可能なことです。
足利義満を直接取材することなんてできないのです。
せいぜい、現存している日記や手紙を読み解くしかありません。
それでさえ、作者の都合のいいように書かれているはずです。
本の最後のページをめくって、著者の清水克行さんのプロフィールを確認しました。
清水克行さんは、明治大学商学部教授で、専門は日本中世史です。
日本史に関する著書がいくつか紹介されています。
その中に、なんと高野秀行さんとの共著作品があるではないですか。
高野秀行さんは、世界中の辺境地に出かけて行って、年中奇妙な冒険を繰り返しているノンフィクション作家です。
そんな高野秀行さんと、日本史の研究をされている清水克行さんが、どのようにしてつながったのか、不思議です。
タイトルを見ると、『世界の辺境とハードボイルド室町時代』と『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』です。
もう、これは読むしかありません。
積読本の消化が進んでいない状況ですが、このようにして読みたい本がどんどん現れてくるのです。
そういえば、高野秀行さんの『謎の独立国家ソマリランド』という本を、途中まで読んで、積読本になったままなのを思い出しました。
1冊の本が、複数の本につながっていくことがよくあります。
本屋さんに行けば、たくさんの本が並べられていますが、全てなんらかの形でつながっているように感じます。
そのつながりを辿っていく読書の旅には、終わりがないのです。