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井上靖著『しろばんば』|前編第六章まで読み終える。|大正時代初期の田舎の様子が、なぜか懐かしく感じる。


井上靖著『しろばんば』を読み進めています。現在、前編第六章まで読み終えたところです。

物語の主人公である洪作は、伊豆半島の真ん中あたりにある、湯ヶ島という集落で、豊橋にいる実の父母や妹と離れて、義理の祖母と一緒に暮らしています。

物語は、大正時代初期の田舎の様子が、ありありと描かれています。
昔の田舎では、子供から大人まで、ある意味、家族や親戚のようなつながりをもって暮らしていました。
大正時代初期といえば、今から100年以上も前になりますが、私が子供の頃の昭和の時代までは、同じような雰囲気が残っていたので、読みながら懐かしさも感じています。

また、叔母のお産や曽祖母の死を、7歳の少年である洪作の視点で描かれているところは、改めて命について考えさせられます。

そして、離れて暮らす実の母への思いは、何とも言えない切なさを感じます。
この後、洪作少年がどのように成長していくのか、果たして家族と一緒に暮らすときがくるのか、読み進めていくのが楽しみです。


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