心理的安全性(4)人間の欲求に寄り添っていこう!

心理的安全性を実現する上で、場を作ることの重要性は前回ご案内しました。

でも、そうは言っても「場づくり」は進展しない場合があります。

上手くいく場合は、「アウトプットを出す」→「その為に場づくりが有効」という成功体験を持っている人がいたり、実際にその方がリードしている場合が多いと言えます。

この成功体験は、何もビジネスの場である必要はないのです。むしろ、友人達との食事や遊びの場であったり、家族や親せきの団欒の場でもいいのです。楽しい雰囲気だと何か意見(自分は、こう思う)やアイデア(今度、○○しよう)が出やすいなということは、実は、誰しもが経験していることが多いのではないでしょうか。

「それは、友人(家族)は良く知っているし、仲もいいからできるけど、ビジネスのシーンで組織のメンバーとは出来ないよ」という声も聞こえてきそうです。

もちろん、その通りです。会議室で組織のメンバーでは、友人(家族)に囲まれている居心地の良さはないかもしれません。

なので極端に言えば、無理やり(意図的に)その場だけ友人(家族)との距離感に近くなるようお互いが振舞うということなのです。

そんなのできないよ。という方が多いと思います。自分だけがやろうとするからです。有効なのは、みんなで一斉にやることであり、その為のルールの宣言でしょうか?

もし、皆さんがまとめ役だったり、何とかしてアウトプットを出したいのであれば、今から、1時間半の間は、このルールで進めましょう!(終わったら元に戻っていいですよ!)」と声を掛けてみましょう。ずっと、やる必要はありません。時間を区切ることです。

例えば、「他人の意見は否定しないで!」と声を掛けるだけで、「場」は劇的に変わっててきます。否定されないのであれば、意見を言ってみようかな?となるのです。

これは、人がいかに「自分(の意見)を否定されたくない(否定されるのが怖い)」かということの裏返しとも言えます。

「かならず、反応してみて!」というのも効果的です。

これも、人がいかに「自分(の意見)を無視されたくない(無視されるのが怖い)」という証明のようなものです。

今、二つの例を挙げましたが、この二つだけでも効果は出てきます。逆に言えば、これをしなければ、意見さえも出てこないし、場もかわらないということになります。

この根底にあるのは、人間の安全欲求や承認欲求といえます。これらは、ご存知の方も多いと思いますが、アブラハム・マズローの欲求五段階説に基づくものですね。(別の機会に掘り下げたいと思います。)

他にも場を作るための魔法のルールがありますので、ご紹介をしていきます。

(つづく)



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