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第118号報告(2021年12月27日)

祖父母の家の居間に立っている。部屋中が薄暗いが視界の右のほうでテレビだけ点いていて、音がない。何を映しているのかもよく分からない。

自分は祖父母と向かい合って立っていた。

対面の台所のカウンターを挟んで向こう側に、祖父母が並んで立ってこちらの顔をじっと凝視している。死んでるみたいな冷たい無表情なのに、怒っているのだと分かった。

自分はここが夢だと分かっている。夢の中なのに、そんな怖い顔で無言で見られ続けるのがいやだった。それで、ここは夢の中で、二人はいま自分の夢の中にいるのだ、と祖父母を必死に説得した。

しかし祖父母は表情を少しも変えず、瞬きもせず、こちらを凝視し続けていた。自分は、どんどん怖くなってきて、焦りだして、必死に同じことを何度も繰り返した。


全然聞いてくれない。話が通じない。

まるで時間が止まったみたいに祖父母は微動だにしない。

すると自分は、急に異変を感じたので、あたりを見回した。何が変わったのか分からないのに、何かが明らかにおかしい。

不安に駆られてもう一度祖父母のほうを向くと、自分は祖父母の顔に釘付けになった。

二人の顔の像が、まるで壊れたテレビの画面のように音もなく乱れ始めた。同時に部屋の光景自体も目の前でめちゃくちゃになって、
消えてしまった。

自分はただ何もないところに取り残された。



静寂。



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