備忘録|個人誌のカバー巻き
12月1日(日)の文フリ東京39で頒布するために私家版歌集をつくっている。
わたしは本の印刷・製本とカバー印刷を別々の印刷会社にお願いして、カバーは手作業で巻くつもりだ。もし同じようなことを検討している方がいれば、(雑多な感じになってしまったけれど)お役に立てるとうれしい。
手作業でカバーを巻く理由
今回本をつくるにあたり、本の印刷・製本はちょ古っ都製本工房さん、カバー印刷はプリンパさんにお願いすることにした。
本の印刷からカバー巻きまですべてお願いできる印刷会社も複数あり、そういった会社にお願いすればカバーが巻かれた状態で納品してもらえる。今回その方法を取らなかったいちばんの理由は、当初はカバーをつけない予定で話を進めていたからだ。
印刷と製本をお願いするちょ古っ都製本工房さんでは2024年10月現在、カバー印刷とカバー巻きには対応していない様子であった。
しかし秋山さんとデザインについてのやり取りをしている途中、想定している予算内で別途カバーを印刷できることがわかり、急遽カバーありに変更することにした。急な変更を引き受けてくださった秋山さんに心から感謝している。
紙の種類と加工について
紙の種類と加工については下記のとおり。本の大きさは文庫サイズ(A6)にした。
本:表紙は色上質最厚口(アイボリー・PP加工なし)、本文は書籍用紙90kg。
カバー:マットコート110kg。オプションで片面マットPP加工・片袖折りの加工を追加。
マットPP加工は本の表紙をすべすべさせる加工(ざっくりとした把握)で、印刷が剥がれないように保護する役目もあるらしい。
片袖折りはカバーの片側に折り目をつける加工だ。片袖折りのおかげでカバー折り作業が半分になり、本当にありがたかった。もしわたしと同じように本を作ろうとしているひとがいればこの加工をおすすめしたい。
カバーが届いた
11月3日に本の試し刷り見本1冊とブックカバー全部が届いた。カバーなしでも可愛いけれど、カバーをつけるともっとかわいい。市販の文庫本のような見た目になり、個人的な嬉しさもある。文庫本が好きだ。
ブックカバーは失敗したとき用に多めに刷っていたのだけれど、予備のカバーが数枚付いてきた。ありがたい。
本(本体)は11月の最終週に届く予定だ。本体が届く前にできる限りの準備をしておこうと考え、この1週間はカバーに折り目をつける作業をしていた。本体が届いたら付けておいた折り目にしたがってどんどん巻いていく算段だ。
カバーを触ってみる
注文したマットコート紙110kgは流通している文庫本のカバーよりも分厚く、そして硬い。PP加工をしている表面も、加工をしていない裏面もどちらもすべすべしている。
一般的にPP加工のデメリットとして、反りやすいことがよく挙げられる。うちに届いたカバーも例外ではなかった。重しをせずに置いておくと一晩でうっすらと反ってしまう。湿気の多い地域に暮らしているというのもあるかもしれない。
今は反らないように重しをして保管している。もし今後本を作ったりカバーを増刷したりすることがあれば、PP加工については検討したい。機会があれば有識者の方にお話を伺えたらうれしい。
カバーを折る
カバー折りは思っていたより大変だった。はじめは10枚折るのに1時間かかり、まだ巻いてすらいないのにこんなに時間がかかるのかと途方に暮れていた。紙折りは前職で飽きるほどやっていたので少し自信があったけれど、コピー用紙を三つ折りにするのとは訳が違う。
現時点で100枚+予備分(数枚)のカバーを折り、総作業時間は4時間半くらいだ。手先が器用なひとならもう少し早く折れるのではないかと思う。
ぴったりの定規との出会い
作業中、ぴったりの定規を見つけてすこしスピードが上がった。ぴったりの定規とは、測るときにあまり考えなくてもいい定規だ。たとえば下の写真の定規は、ぴったり8cmのところにカバーの端を合わせて、定規のお尻のところでカバーを折るといい感じになる。
効率か怠惰か
最初は本にカバーがフィットしやすいよう背表紙のところにも折り目を入れていたのだけど、それは巻くときにフィットさせればいいと考えて途中で辞めた。この作戦が吉と出るか凶と出るかは、巻いてみないとわからない。巻くときにすっごい大変だったらどうしよう……。
これからのこと
2週間後に本が来る予定で、今の作業の答え合わせができるのはそのときだ。もし上に書いたやり方に致命的な失敗があったら、このnoteをひっそりと修正するかもしれない。
いつもの日記の10倍くらい長くなってしまった。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。