材料力学第4回:材料の引張に関して~不静定問題~演習問題1
今回も前回(前回の記事はコチラ)に引き続き公務員試験や機械設計技術者試験でよくみられる問題ですね。そして、材料力学のことを嫌いになるきっかけになる問題としても有名です。もし解説がわかりにくい部分があれば、コメントで気軽におっしゃってください!確認でき次第、修正しますので!
では、今回の問題はコチラ!
step1 力のつり合い
まずは、力のつり合いですね!
あれ?解けない...そうなんです。このままでは式が一つ足りないんですよね。このように力のつり合いだけでは反力を求められない式を不静定問題と言います!
step2 伸びに関する等式を立てる
では、どのような式を追加すればよいのでしょうか...?注目すべきは伸びです。そう、部材1(λ1)と部材2(λ2)の伸び量の合計が0!!(壁面で固定されているので、部材1が縮んだ分だけ部材2が伸びるはず)←めちゃくちゃ重要。これを具体的に式で表すと、
step3 各部材の伸び(縮み)を求める
上式を念頭に置いて仮想断面から各部材に働く内力と伸び量を求めてみましょう!まずは答えを見ずに解いてみましょう!
・・・
どうでしょうか?それでは部材1から答えを見てみましょう!仮想断面は前回言ったように二つのうち一つだけ使用すればよいので今回は左図だけ...
あれマイナスになっちゃった!?大丈夫です!マイナスになった場合は指定した力と逆向きに動くという意味です。今回の場合はQ1を右向きに設定して、マイナスなので左向きに部材が変形するということになります!つまり、今回の場合はマイナスです!
続いて部材2は、二つのうち右図のみで、以下のようになります!
step4 伸び量の式、力のつり合い式から反力を求める
まず、伸びの等式と各部材の伸び量の式から反力R1はR2を用いてこのようにあらわすことができます。
この式を力のつり合い式に代入すると、
この式から、R1も力のつり合い式から導出され、以下のようになります。
step5 各部材の応力を求める
応力の式は第一回(第一回はコチラ)で解説したようにσ=P/Aなので
となります!
step6 O点の移動量を求める
O点の移動量といわれてもピンときませんよね...。O点が伸びるということは部材が伸びもしくは縮むという意味になります。すなわち、O点の伸び=片方の部材の伸び量(もしくは縮み量を求めればよい)ということになります!
今回の問題は以上です!今回の問題は結構難しかったんじゃないでしょうか?冒頭でも申し上げた通り、分かりにくかったら遠慮なくコメントくださいね!次回も不静定問題を解いていきたいと思います。それでは!