好きなものを食べてもダイエットは成功できる理由
はじめに
こんにちは、もんてです。
「ダイエットを成功させたい」と思っていないダイエッターはいないはず。
現在はダイエットといっても様々な方法があります。
何かを制限するダイエット、食事の時間を限定して空腹の時間を長めに取るダイエット、何か"だけ"を摂るダイエット、運動中心のダイエットなど挙げればキリがないです。
しかし、僕は数あるダイエット法の中でも「食べて痩せる」を推奨しています。
何かを制限したりは一切していません。もちろん、ラーメン、ドーナツ、ハンバーガー、ケーキ、スナック、アルコールもOK。
「そんなもの食べたら痩せるどころか太りやすくなるじゃないか」と思われるかもしれませんが、実際そんなことはありません。
今回は、好きなものを食べても痩せられると言える理由と、その方法についてお話ししていきます。
シロクマの実験
ここで1つ非常に有名な実験をご紹介しましょう。
1985年トリニティ大学にて、心理学者のダニエル・ウェグナーは被験者に次のような指示を出しました。
これから5分間、"シロクマ"のことを考えないようにしてください
シロクマ以外なら他のどんなことを考えてもいいです。実に簡単な指示です。
しかし結果は驚くべきものでした。被験者はシロクマのことが頭から離れなくなり、むしろ他のことを考えられなくなっていました。
このシロクマ実験は繰り返し行われ、他の対象について考えることを禁じられた場合も同様の結果が出ました。
何かについて考えないようにしようと努めるほど逆効果で、考えないようにしようと思わなかった時より、かえってそのことばかり考えてしまいました。
興味深いのは、「シロクマのことについて考えよう」と意識した時よりも「シロクマのことは考えないようにしよう」とした時の方がよけいにそのことを考えてしまうのです。
ウェグナーはこの現象を「皮肉なリバウンド効果」と呼びました。
なにかを制限されるとどうなる?
繰り返しますが、シロクマの実験から、人は何かを制限されるとかえって制限されたものについて考えたり、そのために行動したりしてしまうことがわかりました。
別の実験でも、ある食べ物を制限されると、その食べ物をますます食べたくなることが明らかになっています。
例えば次の場面を想像してください。
これからダイエットを始めようとしている人、あるいはダイエット中だけどルールを変えようと考えている人がいるとします。
この人たちにたった1つだけルールが課されました。
「ダイエット中、ケーキだけは食べないでください」
もちろん、ラーメンやお菓子、ハンバーガーは食べてもかまいません。
あなたにもしこのルールが課されたら、ケーキを食べずにダイエットができるでしょうか。
100%できないとは断言できませんが、極めて難しいことはほぼ間違いないかと思います。
他にも身近な事例だと、翌日に大事なプレゼンや恋人とのデートがあると「早く寝ないと」と思って焦るほどよけいに眠れなくなって、結果的に普段よりも睡眠時間が短かったなんて経験はあるかもしれません。
この皮肉なリバウンド効果は、強いストレスを抱えていたり、疲れていたり、気が散っている時ほどより顕著に現れることもわかっています。
皮肉なリバウンド効果の予防法
皮肉なリバウンド効果を防ぐには、ずばりなにも"禁じない"ことです。
これをダイエットに当てはめると、「食べ物を一切禁止しない=何を食べてもいい」ルールにすることだと思います。
何かを禁じると、そのことばかりを考えてしまい、「いや、こんなことは考えてはいけない」とつい思ってしまいます。
このように、無理に考えを押さえ込もうとする行為を「思考の抑制」と呼んでいます。
ダイエッターの多くが、この思考の抑制を効果的だと勘違いして使いがちです。
確かに最初のうちは、例えば食べ物のことを考えないようにすることでダイエットがうまくいっているように感じるでしょう。
しかし、人間は頭で浮かんだことを抑制することはそもそもできません。この事実を受け入れないと、「抑制が足りないから余計なことを考えてしまうのだ」と思い込み、ますます思考の抑制を強化してしまいます。
その結果、跳ね返ってくる反動も大きくなって我慢の限界を迎え、暴食に走ってリバウンドするという最悪のシナリオをむかえます。
もしお菓子やこってりしたものが食べたくなったとしても、次のステップでその欲求や衝動と向き合ってください。
1欲求/衝動を素直に認める。
→「あ、今〇〇が食べたくなったな」と心で呟く/口に出して言う
2なぜその欲求/衝動が湧いたのかを考える
→「どうして〇〇を食べたいと思ったのかな?」
→「〜〜だからかな、それとも〜〜が理由かな」
正確な答えを導く必要はなく、あくまで考えることに重きを置く
3欲求/衝動は本当に必要なのか自問する
→「〇〇は今本当に必要なのかな?」
この3つのステップを1分かけてやってみてください。
最初のうちは3つのステップを行なったあとでも衝動は消えず、つい食べてしまうかもしれません。
その場合は食べたことを決してネガティブに捉えず、食べた感想(味や食感など)や食べたことで心情にどんな変化があったか観察して下さい。
こうして欲求/衝動を分析・観察することで自制心が少しずつ強化されることがワシントン大学のセアラ・ボーウェンの実験で明らかになっています。
おわりに
ダイエットを成功させるのに我慢や制限が及ぼす影響についてお話ししました。
「ダイエットには我慢がつきものだ」と思われた方には朗報だったかもしれません。
我慢や縛りをすることで確かに短期的には結果が出るかもしれません。人間はなるべく楽をしたい生き物ですので、超最短ルートを求めたくなる気持ちも分かります。
しかし、多かれ少なかれ"ツケ"は来ると思いますし、リバウンドの可能性も高まるでしょう。
「何を食べてはいけないか」よりも、「何を食べるといいのか」に着目することで、「我慢」や「制限」から「オススメ」に視点を向けられるので、モチベーションを保ちやすいです。
もし何かを制限しながらダイエットに取り組んでいれば、その我慢が負担になっていないか、再度振り返ってみるとよいでしょう。
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