ダメ人間のカリスマたちが失敗談をポップに紹介していくよ。
紅茶の香りに満ちた喫茶店から商店街に目をやると女とホストが喧嘩していた。 二人を仲裁しているのは僕の知り合いのバイク乗りだった。 隣の席のカップルも商店街の異変に気づいたようだ。 オタク風のメガネが窓の外にスマホを向ける。 「カオリ! これ絶対バズるぞ」 鼻息を荒くする恋人を尻目に紅茶好きはティースプーンを動かし続けていた。 外では腰痛持ちと高学歴も仲裁に加わっていた。 それでも喧嘩は治まらない。 しびれを切らした高血圧は喫茶店から飛び出した。 「うちの店の前で騒ぐなゴラ
モンスターの属性はじめに、各モンスターには属性があります。 属性は土・風・火・水・光・闇の6種類です。 見分け方は次のとおり。 土:四足歩行 風:浮いて移動している 火:二足歩行 水:泳いで移動している 光:瞬間移動する 闇:黒い色を基調としている 例えば、電気系の攻撃を仕掛けてくるビリビリねずみの場合… 泳ぐので水属性です。 残滓のドロップモンスターを倒すと残滓(ざんし)をドロップすることがあります。 種類は 土の残滓 電気の残滓 水の残滓 暗黒の残滓 の4
ちょっと外に出ただけで秒で体力ミリになった。 そこで家に帰って馬力のあるバイクの動画をずっと見ていた。 その結果、ギガがピンチだ。来月までまだ日があるのに…。 しかも、ゆっくりしてたのに、親父が「パケットしてないで働け」とか言ってきやがったわ。 そしたらお袋が親父に 「あんたも家で枚を洗うなり、平米を掃除するなりして働いて貰わないと円減らすよ!家でダラダラするのも度が過ぎる」 と、説教開始。 親父は 「円が減ろうが屁とも思わん!」って言いながら、尻に度をつけ、ヘクトパスカ
むかしむかしあるところに おじいさんとおばあさんがZOOMでミーティングをしていました。 おじいさんは山を背景に、おばあさんは川を背景に設定していると、「桃」という人物が入室してきました。 突然の訪問者に老夫婦は大慌て。 しかし、画面をよく見てみると、それは名前を変更し忘れた男の子「太郎」でした。 二人は嘲笑の意味を込めて彼を「桃太郎」と呼びました。 それから数分のときが経った頃。 桃太郎の発言力はぐんぐん大きく育ちました。 彼は「鬼退治に行きたい」とアジェンダにな
男はシューベルトを外し、ズボンをおろす。 そして女のなだらかな背に手を回しブラームスをゆっくりと脱がせると、 たわわに実ったモーツァルトがあらわになった。 モーツァルトの頂点にある黒鍵を弾いてみると甲高い音を鳴らす。 その声に反応するかのように男のカスティリオーニはクレッシェンドしていき、思い切りバッハしていた。 (中略) 女の秘めたるワーグナーをじっくりと焦らすようにチャイコフスキーする。 ワーグナーからは甘いメロディがとろりと溢れ出していた。
たかしの夏 たかしは商店街を歩いて神社に向かっていた。 どこかで鳴り響く太鼓の音と赤く輝くちょうちんの光とは不釣り合いな表情で。 「結局、いつもと同じ夏か」 たかしはそう呟きながら歩く。 神社に特に用はない。 「祭りの日に家にずっといるのは寂しい」という理由だけでふらっと神社に足を運ぶ。 商店街に軒を連ねる屋台で何かを買うこともない。ただ神社に行って何もせずに家に帰ってくる。毎年その繰り返しだった。 でも、この年は違った。 「チョ
お昼のニュースです。 わいせつ目的で食パンを食べたとして無職の男を逮捕しました。 食パンの入った袋を無理やりこじ開け、耳を咥えるなどのわいせつな行為を働いた疑いが持たれています。 警察の調べに対し、容疑者は「食欲を抑えきれなかった」と供述しています。 また相撲界に不祥事です。 海外力士のクロワッサンがあきたこまち関に対し、暴行を加えたとして、被害届が出されていたことが週刊誌の取材で判明しました。 あきたこまち関は「態度が悪いという理由で頭を鈍器で殴られ十針のけがを負わ
どんないろがすき(あか) あかいいろがすき いちばんさきに なくなるよ あかいクレヨン これは「どんな色が好き」の冒頭の歌詞だが、この4行だけでも作者の残虐性がわかる。 まず子供にどんな色が好きなのか聞き、 子供自身に答えさせ、 それが無くなる悲しい事実を伝えて終わる という計画的で極めて卑劣な4行だ。 確かに、好きな色のクレヨンはなくなるが、それを伝えたい歌なのであれば 「僕は赤い色が好き だから クレヨンがすぐなくなっちゃった」という感じの歌詞にすればいい。 に
Facebookユーザーのみなさん!近況報告してますか? 「近況報告ってなに?」という方のために念のため解説すると、 近況報告とは近況の確定申告のようなものです。 『Facebookユーザーは年に一度は必ず近況報告しないといけない』と義務付けられています。 この記事では近況報告初心者のために近況報告の方法を徹底解説していきます。 近況報告は導入文が9割いきなり本文を書き出すと『「いきなり自分語りし始めた奴」と思われてしまいます。 そこで、導入文を使いましょう。導入
デートから帰るとき、彼女は泣いていた。 なんで泣いているのか理由は聞かなかったが察しはついていた。 彼女はその日、あらゆる事がうまく行ってなかったのだ。 完璧主義な彼女はそんな自分自身に悔しさが込み上げていたんだと思う。 「うまくいかなかったのが悔しくて」とも説明できず、そして誰のせいにもできない彼女が可哀想だった。 いっそのこと僕が些細なことをやらかして泣かせていたら、まだ彼女もラクだったと思う。 そんな彼女にあえて僕は「今日楽しかったな〜次はどこに行こうか?」と、普
「散歩」を「三足」と書いたり、「マッサージボール」を「マサジボテ」と書く人物、それは僕の祖母だ。 そんな祖母が唯一、漢字で書ける言葉がある。 「骨粗鬆症」だ。 祖母は10年ほど前に骨粗鬆症の診断を受けた。 それからは週に一度整形外科に通っているが、年々腰は曲がって行くばかりである。 ある日、祖母はこの骨粗鬆症が原因で圧迫骨折を引き起こして入院した。 入院時、祖母は歩くことすらできなくなっていた。 こんな状態の高齢者を支えるシステムがある。 介護保険だ。 要介護認定を
ほんとうに申し訳ないと思う。 エモい感じのアイキャッチ画像を挿入して、エモそうなタイトルをつけた。 この記事を公開する時間もエモそうな時間にした。 ただ、問題なのは内容がひとつもないということだ。 完全にエモいタイトル発進だ。 noteでエモい感じの文章が書きたかった僕の犯した最大のミスが 【内容ではなく、エモそうなタイトルを先に考えたこと】 これだ。 『ぼく』をひらがなで書いたり、 『ぼくは』の後に『、』を打って文に間をとったり、 『名もない5分』という
誰にも言わないでほしいのですが、実を言うと『伝え方が9割』は読む価値がありません。 これから読む必要のない3つの理由を説明します。 1つ目は頭がくらくらするほど退屈だということです。 それはもう退屈退屈! 退屈を紛らわすためにこの本を読んだのですが、読んでいた時間のほうがよっぽど退屈でした。 「あ、読まない方が有意義だ。」と人生で初めて思いました。 2つ目は信じられないほどタメにならないということです。 ここだけの話、読んでいる最中に怒りで息が荒くなりました。
誰かが空気を悪くしたとき、自分が悪者になってでもフォローに回ることが多い。 それは、建築学生時代、木造建築で木と木をつなぎ合わせる技術を勉強していた時のこと。 前で授業をするのはおっさんの先生、そしてそれを聞くのは僕を含む男女の学生だ。 木造建築では木に凹凸をつくり、それをはめ込むようにして木と木を接合する方法がある。 そして、凹の形に削った木のほうを『女木』と呼び、凸の形に削りとった木を『男木』と呼ぶ。 この男木を女木に挿入するとがっちり木同士が固定される仕組みになっ