自分を失くした恋愛。それでも、愛されたかった。都合のいい女から彼女に昇格するまで。
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昔、付き合っていた人に言われた言葉。
「太っている人は人間と認めない」
私はこう思った。
「元々痩せている人と付き合えば良いのに…」
「じゃあ、別れよ」
そう言われるのが怖くて、思った言葉は、言えなかった。
都合のいい女から彼女に成り上がった体験談
彼とは、10年以上の付き合いだった。
10年の間に、関係性はどんどん変わっていった。
最初は彼のアプローチで始まった恋愛だったのに、どんどん私への扱いは雑になっていった。
私はそれでも、彼に縋りついた。
「彼を逃したら、私に構ってくれる人は現れない」
本気でそう思っていた。
その時はまだ、付き合ってすらいなかった。
「付き合うと別れるのがつらいから、みぃとは付き合えないんだ…」
彼の言い訳という戯言を、信じていた。
「好き」と伝えるたびに、彼からの好きは貰えなくなった。
立場が逆転したのだ。
価値を感じない女と付き合う必要はない。
私は都合のいい女だった。
*
ある日、彼の携帯の中身が見えてしまった。
見えたのは、ハートマーク。
女だ。
私は固まった。
なぜ、他の女の存在があるとは考えなかったのだろう。
付き合ってもいないのに、彼を責めることはできない。
付き合ってもいないから、別れることもできない。
私は彼から離れることにした。
*
私からの連絡が減ったことを、敏感な彼は見逃さなかった。
「忙しいから」
そう言って、素っ気ない態度をとった。
彼から連絡がきても、無視をした。
*
彼に、こんな質問をしたことがある。
「私が結婚したらどうする?」
「俺と?」なんて聞いてほしくて、若かった私はウキウキしながら聞いた。
「それでもこのままの関係を続けるよ」
彼は、笑ってそう言った。
ショックだった。
彼にとって、それだけの存在。それが私。
そんなことを思い出していたら、腹が立ってきた。
「彼氏を作ろう」
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