何にも縛られたくなくて、髪を金髪にした。
昔から真面目な人間だった。
厳格な家庭で育ったからかもしれない。
親と世間が敷いたレールから外れたことは、学生時代なかった。
高校生の時、大学受験に失敗した。
地元の少ない学校から選んだ高校受験とは違い、何をしたいかすら自分で考えることが出来なかった大学受験は、選ぶことすら難しかった。
親は私を責めた。
私は苦しくて苦しくて、左手を掻きむしった。
それが、小さな抵抗だった。
「高校卒業したら、この家を出て行け!」
と、箸を投げつけられたこともあり、家を出たいと強く思ってい