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こころを知る、こころを感じる、シアターエデュケーションのちから

本日はこちらに参加しました!!

NYシアターエデュケーションプログラム×パルテノン多摩

パネルスピーカーはシアターアートエデュケーターのステファン・ディメンナさんと森永明日夏さん。

お二人ともNYなどを拠点に活動されている方々。

シアターエデュケーションとは

演劇が学校教育の義務ではない日本ではあまり聞き慣れない言葉だけどシアターエデュケーションとは名前の通り、「演劇教育

演劇を取り入れた教育法で、小中学校で活用されたりワークショップが開講されて参加したり、とその形態は様々。

中高と6年間演劇部に全てを捧げていた私としてはもうたまらないくらい熱い。。

私も、日本の義務教育にシアターエデュケーションが取り入れられるのは大賛成で応援したい。

近年日本でも全国各地で子ども向けのワークショップが開催されたりとじわじわと認知度をあげていると思います。

己を知る、相手を知る

私自身演劇をやっていた身としてもとても実感するシアターエデュケーションの最大の効果は

己を知る、相手を知る

だと感じています。森永さんとステファンさんの講演を聞いていて、久しぶりに演劇やりたくてたまらなくなりました。

演劇はいわば「自分じゃない誰かになる」ということ。

自分と全く違う人物やキャラクター(人物じゃないことだってある)がどんなことを考えているのか、どんな仕草をするのか、想像して、想像して、感じて、表現して、それの繰り返し。

はるか昔、演劇部として新入生を迎えるために生徒会とコラボする、という伝統があったんですが(学芸会レベルじゃなくてかなり本気度高めの)、

私は「自販機のキャサリン」という役になったんですよね。

本当に、リアルな自販機の衣装に手と顔だけだして、まさに自販機の役柄。

(画像はいらすとやさんから拝借)

こんななかば大道具みたいな衣装でした。(足下にキャスターがついていてゴロゴロ動かせる)

相棒が「ゴミ箱のエリック」という男の子だったんだけど、キャサリンとエリックはラブラブのカップル。

空き缶のポイ捨てをする学生をエリックとともに怒る、というシーンがあり、一番新入生の笑いを誘うコメディ演劇の大きな山場。

これには本当に本当に悩んで、ポイ捨てされてキャサリンが大泣きするというシーンがあり、どうしたら面白く表現できるかを研究に研究を重ねて試行錯誤していた日々を覚えています。

全身鏡で自分の動作、表情、言葉の使い方、抑揚と向き合い、

とにかく「己を知ること」を越えないと、「相手を知る」ことはできないというのを日々痛感しました。

これは self awareness(自己認識) ともいって、成人学習でもとても大事なことです。

Articulate こころを表現をする

後半、ステファンさんの基調講演では「若者の劇作」についてでした。

演劇の面白さは与えられた役を表現すること、だけではなくて、自分が表現したいものを創りあげるもの、というところにもあります。

演劇部時代、一度だけ脚本を書いたことがあります。

オムニバス形式で15分と私が書いた部分はすごく短かったけど、それでも自分がそのときに表現したかったことをそのまま脚本にしました。

英単語に articulate という言葉があり、日本語では「明瞭に表現すること」と訳されますが、まさに劇作は心の葛藤、むずがゆさ、どうしようもない思いを言葉と演技にのせて舞台にのせることができる。

舞台はなんでもありの自由さがある。

人が死んで生き返ったっていいし、麻薬などのドラッグをしても、人をナイフで殺しても、とっくみあいのけんかをしても、舞台のうえではそれが罰せられることもなく、「経験」となり「学び」になる。

(私も毒薬飲んで死んだり、生き返ったり、王子と結婚したり、恋人と駆け落ちをしたり、自販機になったり、といろいろぶっとんだ経験をさせていただきました)

だからこそ、若者のシアターエデュケーションのちからは無限大。演劇の体験は「眠っているクリエイティブな才能を呼び起こす」とステファンさんがおっしゃっていたように、ひとつの自己表現の形として欠かせないものだと私も思います。

人はDNAレベルで自己表現したい

ステファンさんの講演のなかで面白かった一節を紹介します。

人類が生まれて一番最初にする表現は?

おそらく新生児が「泣く」というように答えるかたが多いでしょう。

ですが、違う見方をしてみると、新生児が誕生した瞬間に「泣く」のではなく、その時の自分の言語を使った初めてのモノローグ、とも言えるでしょう

生まれたことに対する喜び、うれしさ、衝動、興奮、その時の持つ言語や音の連鎖をつかって、内面で感じる表現のモノローグ。

自己表現こそが最初の衝動的行為であり、本質的なクリエイティブな表現。

DNAのなかに、自己表現をすること ものづくりをすること コミュニティと分かち合うことが刻み込まれているから、シアターエデュケーションはとても自然なこと。

演劇はどんなところでもできる。教室でも、空っぽな倉庫でも、刑務所でも。

舞台装置や照明や衣装がなくてもできる 物語を語りたい人がいれば成立する。

ここの部分が一番ぐっときました。

10:00-12:30まで2時間半におよぶウェビナー。やっぱり自分の分野と異なる話を聞くのは心が潤って心地が良い。

シアターエデュケーションとアダルトラーニングもいろいろ冒険できそう!

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