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空前のブーム

近頃、頻繁にお菓子を作っている。まさに空前のお菓子作りブームだ。
わたしはもともと、お菓子作りにひどく苦手意識があった。それは、計量を誤る、手順を間違えるなど、あまりに大雑把にお菓子作りに臨むものだから、挑戦したお菓子がことごとく失敗作となった経験があるからだ。(詳細は「バレンタインを振り返ろう」でも触れている)その結果「お菓子作りは楽しくない」「自分はお菓子作りに向いていない」「お菓子作りは苦手だ」という思いが備わるようになった。

ところが最近、余った生クリームとホットケーキミックスで気まぐれにスコーンを作ってみたところ、簡単に成功をおさめた。出来栄えは、レシピ記事の写真と若干異なったものの、出来立てのスコーンは非常に美味しく、心が満たされた。それから、わたしは頻繁にお菓子作りに挑戦するようになった。

紅茶スコーン、チョコチップスコーン、チョコバナナスコーン、チョコチップマフィン、レモンマフィン、オートミールクッキー、チョコ入りオートミールクッキー…。わたしは一度お菓子作りに成功すると、他の味つけのバージョンにも挑戦したがる。それで成功するときもあれば、失敗するときもあった。
あるときは、計量や手順を誤り、少しも膨らまない見た目も残念なマフィンが出来上がった。このときはそこそこショックを受け、もうお菓子作りから引退しようと落ち込んだものの、数日するとまた作りたくなった。

わたしが作るのはシンプルで簡単なレシピばかり。基本「混ぜて焼くだけ」のお菓子だ。そんな簡単なものなのに、お菓子はどれも絶品でとても美味しい。出来立ての、香ばしい熱々のお菓子を一番に味わえる幸せも、お菓子作りの醍醐味なんだろう。こうして、小さな成功体験と、美味しい経験を積んでいくうちに、お菓子作りがわたしの日々の楽しみとなっていった。

作ったお菓子は、朝食にしたり、おやつにしたり。このお菓子作りブームのおかげで、最近はコンビニ等でお菓子やアイスを買う機会が減った気がする。コンビニでマフィンを見かけても「まあ、家で作れるしな」と思ってしまう。(エクレアやシュークリームといった、少し凝ったおやつなら、たぶん普通に買ってしまうけれど)

ただいっときのブームかもしれないとはいえ、わたしは今、全力でお菓子作りを楽しんでいる。食べることが好きなので、”簡単に出来立ての美味しいを作れる”というお菓子作りは、実はわたしにぴったりの行為なのかもしれない。

次はパウンドケーキ辺りに挑戦したいし、オートミールクッキーの別バージョンも作ってみたい。それに冷やすタイプのお菓子にも興味がある。わたしは、食欲の秋をこんな形で楽しんでいるのだった。

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