見出し画像

初マンモ痛すぎて…記

※男性には読みづらい(少しピンとこない)テーマの内容かもですが、一生懸命書いたので最後まで読んでくださると嬉しいです…!※

わたしは婦人科系疾患の検査は割と積極的に受ける方だ。もともと生理痛が重く、20歳を過ぎた頃からクリニック(婦人科)にかかって薬の処方をしてもらっていた。その流れから、子宮頸がんなどの検査も定期的に受けるようになる。
健康診断でも、希望すればこういった検査をオプションとして追加することができる。そこで、ここ数年はクリニックでは受けたことのない「乳がん検査」も追加し、受けるようにしていた。

乳がん検査には大きく分けて「触診」「エコー検査(超音波検査)」「マンモグラフィ検査(乳房X線検査)」の3つがある。最初の2年は触診とエコー検査をオプションに追加した。
1年目は特に問題なしだったが、2年目の検査の時、担当医より「あれ?左乳房の側面にしこり…ある、かも?」というようなやや怪しい反応があったので、来年も引き続き検査しようねという”経過観察状態”となった。

だから今年の健康診断も、わたしは例年と同様2通りの乳がん検査項目を追加したのだけど、今回は間違って3つ目の検査方法「マンモグラフィ検査」も追加してしまっていた。


ここで各検査について簡単に解説。
「触診」とはその名の通り、手で実際に乳房やその周辺を触り、がんの兆候と思われるしこりやリンパ節の腫れがないか確認するもの。乳がん検査における最も基本的な検査だろう。

続いて「エコー検査」は乳房に専用機械を当て、超音波を流しその反射波を画像に映し出すことで、乳房内のしこりの有無・大きさなどを確認するもの。乳房周辺にジェルを塗られ、機械をあちこち動かされるので、くすぐったがりの人は少し苦手に感じるかもしれないが、比較的身体への負担が軽い検査方法だといえる。ただ、がんではない良性のしこりも画像に映ってしまうそうで、悪性・良性については医師が慎重に判断する必要があるようだ。

そして「マンモグラフィ検査」。これは乳房をできるだけ引き出し、板で挟んで圧迫し、薄く広げた状態で撮影する検査。より鮮明に乳房内の状態を確認できるため、しこりはもちろんのこと、エコー検査などでは逃しやすい”石灰化(乳がん初期症状に表れやすいカルシウムの沈着※ただし約8割は良性)”など小さな病変もキャッチできるのだそうだ。

――と、ここまで淡々と書いてみたのだが…
「マンモグラフィ検査」がいかにパワフルな検査であるか、お気づきいただけただろうか…?当たり前のことだけれど、乳房は気軽に伸ばしたり挟んだりできるような伸縮性に富んだパーツではない。それなのに、容赦なく伸ばされ、板に挟んで押しつぶされる、数秒間も。だってそれが検査だから。
そんなパワフル検査を、わたしは誤って健康診断のオプションに追加し、あろうことが検査当日までそれに気づかなかったのである。


検査当日、検査室に入りマンモグラフィ用の禍々しい機械を目の当たりにした時に初めて「あれ?」と思った。そして検査技師の方に「たしか、去年も検査を受けているから大丈夫ですよね」と諸々の手順を省かれそうになって、ますます「あれ?!」となった。(事前問診の時点でも、なぜか去年マンモグラフィ検査を受けたと答えていた。恐らく”エコー検査”と認識が混同していたのだ)
そこで、かくかくしかじか…間違えて追加してしまったことを説明。この時点で検査を辞退する気がなかったのは、マンモグラフィ検査の方法をあまり理解していなかったのと、いつかはこの検査をしなきゃと思っていた気持ちが少なからずあったからだ。

優しい技師さんは丁寧に手順を説明してくれる。この機械を使って、こんな感じで挟んで画像を撮って…。そこでわたしはやっと気づいた。あ、これすごく痛そう…ていうか、痛いって聞いたことがある、ネットで。ああそうだ、だからここ2年は触診とエコー検査だけを選択していたんだ。マンモグラフィ検査を受けるのはもう少し先でいいやと、後回しにしていたんだ。
……それがひょんなことから”たった今”から検査を受けることになった。

検査内容が恐ろしくて、わたしはもう既に少し汗をかいている。しかしもう後戻りはできない。身支度を整えたあと、ややしっとりとしたわたしは技師さんに導かれ例の機械のもとへ。「我慢できないほど痛かったらおっしゃってくださいね」との優しい言葉をかけられるも、自分が根を上げないであろうことは最初から決まっていた。わたしはこういった痛みが伴う場面の時、ほとんど声を上げたことがない。ただ、恐怖はあったし、仮に我慢ができなかったとして一体どんなトーンでどんな言葉でその旨を伝えればいいのだろうかと考える。頭の中は混迷を極めた。

で、とにかくいろいろサポートしてもらいつつ、まずは左乳房からいざ実践。技師さんがわたしの体を支えつつ、足元のペダルを踏んで乳房の上に板を押しつける。ウィーンという機械音と痛みの強さとがしっかりとリンクしており、わたしは身じろぎもできぬ声も出ぬ戦慄の表情のみを浮かべて、その痛みを享受した。「はい、では息を止めて」と技師さん。それからモニターのようなところに行って画像撮影の操作をする。そのあとようやく板が上に上がっていくのだが、彼女がわたしを板から解放してくれるまでの数秒が本当に本当に長く思えた。

「検査、どうですか?初めての方は痛いですよね。続けられますか?」と技師さん。わたしはこの人生で初めて経験するタイプの痛みに呆気に取られていて、「はい、いえ、あの、わたし、痛みには強いタイプなんで…へへ」というようなことを言って、心ばかりの笑顔を見せた。つまり、一も二もなく検査続行。
右乳房も当然、この世のものとは思えない圧迫痛。なんだかもう、痛みにめちゃくちゃビックリして硬直しちゃう。そうして数秒後、解放……。

痛みに始終驚愕しっぱなしで下半身にもびっしょりと汗をかいている。今日自分がジャージ素材のパンツを着てきてよかったなぁなどと考える。(この施設での健康診断では、下は私服・上は施設専用の検診衣が配られそれを着用する)

そして恐れていたことが起こる。検査は左右の乳房を上からプレスして終わりではない、横からもプレスされるのだ。ここからはもう技師さんの傀儡みたいになってされるがままに潰され、呼吸を止め、撮影される。目は開いているけれど、何も見ていないみたいな感じ。そして全ての検査が終わり、待合室に戻った時の自分は茫然自失。持ち込んだ文庫本を1ページも読み進めることがないほどぼうっとしており、その後も指示されるがままに各所での検査室を回り、気づけばすべての検査が終わっていた。

こんな風に記してきたけれど、わたしは決してマンモグラフィ検査を批判したいわけではない。身体の不調は目に見えないことも多いし、今後もこういった検査には積極的に参加していきたい。しかし、このマンモグラフィ検査だけはどうにかならんのだろうか…?こんなにも医療技術が発達した昨今、本当に、本当にこの乳房プレス式でしか精度の高い検査はできないのだろうか…??わたしは本来痛みには強い方ではあるのだけど、このマンモグラフィ検査だけは当分避けたいと思うほど衝撃を受けた検査だった…。

ただ調べてみると、これらの乳がん検査については、年齢や過去の検査内容に応じて適宜検査方法を選択するのがいいらしい。今回は図らずも、乳がん検査の理想的な形である「エコー検査とマンモグラフィ検査の併用」を実施し、しかも検査直後の段階では、昨年気にかかっていたしこりも今回は所見なしのようであった。結局、しっかりと見てもらえて結果オーライなのだろうか…。

わたしは、今この記事を読んでくださっているあなたにも、なるべく健康でいて欲しいし、そしてわたし自身もできるだけ健康でありたいと思っている。だからこそ「健康でいるためには、時として大変なこともあるよね…」と、あなたたちに語り掛けたくなった、そんな今回のわたしであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?