持続可能な世界への責任⑭〜サステナビリティ・ソリューションへ〜企業のSDGs14(海の豊かさを守ろう)
どうもどうも、吉良です。
11月4日、僕の地元・神奈川県をフランチャイズとしている横浜DeNAベイスターズが26年ぶりの優勝を決めました。おめでとうございます。来シーズンは我が阪神タイガースに覇権奪還をしてもらって喜びの美酒を飲みたいものです。
僕は両親の故郷が大分県で生まれは青森県。その後父の転勤で横浜、東京暮らしが今日まで続いていますが、その大半は横浜です。まさに僕は半分、子どもたちは生粋の「浜っ子」です。
横浜の中核にはマリンタワー、ベイブリッジ、みなとみらい、中華街が横浜港を取り囲むように点在し、横浜DeNAベイスターズの本拠地・横浜スタジアムもその中にあります。まさに今回のSDGs目標14にふさわしい『海』と外国を繋ぐ都市が「みなと横浜」になります。
「うみは ひろいな おおきいな」の歌詞で始まる唱歌『海』
この『海』は地球の表面積の7割以上を占めています。この広くて大きな海は地球のあらゆる命の源です。そして、海からは海水だけでなく、魚介類や塩など生きるための多くの恩恵を受け取っています。
しかし、その海が今、深刻な問題を抱えています。ひとつは魚などの獲り過ぎで多くの海の資源が減少したこと。世界的な健康ブームで魚を食べる人が増加して漁獲量も増加し、違法操業も増加しています。その結果、魚資源が減少してきています。
世界の人口が増加し、漁業の技術も進歩したことによる「魚の獲り過ぎ」も大きな問題になっています。四方が海に囲まれ、魚が主食のひとつである日本人にとっては特に大きな問題で、将来たくさんの魚が食べられなくなる日がくるかもしれません。
そうならないようにするには、魚などの海の生き物をずっと獲り続けられるような仕組みを考えていく必要があります。
漁獲量を制限するのもひとつですが、漁業で生活をしている途上国の人たちが他の仕事で収入を得られるようにサポートをするなど、途上国の人たちの生活を守ることも同時に考えていかなくてはいけません。
もうひとつは人間が出すごみや排水で海が汚染してしまっていることです。このほとんど全ての原因は、海は広くて大きいから自分ひとりの行動が影響を与えることはない、という世界中の人々の慢心の連鎖が起こしていると僕は考えています。
つまり、この目標14も目標12、13と同じように自分事としての自覚でかなり改善される目標ということができます。
海岸にうちあげられたたくさんのプラスチックごみを見たことはありませんか?横浜港にも見受けられます。
プラスチックの生産量は増大しており1950年代と比べ、現在では約180倍ものプラスチックが生産されているといわれています。特に飲み物や食べ物の容器、荷物の運搬時に使用する発泡スチロールなど包装に使うためのプラスチックの消費が増大しています。
プラスチックはごみとして廃棄されると自然界に分解されることがほとんどありません。つまり、廃棄プラスチックごみが最終的に行き着くのが海なのです。
世界中の海には、毎年約1,400万トンものプラスチックごみが流れ込こんでいるといわれており、このままでは2050年には海に流れ込こんだプラスチックごみの量が海の魚の量を超えるといわれています。
また、プラスチックは海中で砕けて小さな破片となり、それを魚や海鳥たちがエサと間違えて食べてしまいます。クジラのお腹から山のようなプラスチックごみが出てきたという話を聞いたことのある人もいると思います。
同じような話が多くの海の生き物や、それを食べる生き物たちに起きているのです。「水の惑星」ともよばれる地球。そこに暮らす人間はきれいな海と海の生き物たちを守っていく義務があります。
そのために日常生活でできることを考えましょう。いつもの食卓にならぶ魚。その魚がどのように獲られたものかを知っていますか?
「海のエコラベル」とよばれているもののひとつに「MSC認証マーク」、「ASC認証マーク」があります。
これは、いつまでも魚を食べ続けることができるように海の自然や資源を守りながら獲られた水産物、養殖魚であることを示すマークです。このようなエコラベルのついた魚を買うことも海を守ることにつながります。
また、自分事として普段からプラスチックごみをなるべく出さないようにマイバックやマイボトルを持ち歩く、ペットボトルはリサイクルに出すなどの小さな心がけも豊かな海を守ることにつながります。
では、実際にSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」のスコアを見てみましょう。
目標別達成度と進捗状況(変化・動向)は下記のように表されています。
これだけ課題があげられていると、目標には到達していない事は想像できますね。まさにカラーは赤・大きな課題が残っている、ですね。
SDGs14・海の豊かさを守ろう、について詳しくは前回のシリーズの記事もご覧ください。
前回に引き続き、SDGs新シリーズの紹介動画を新しく制作しました。楽しくわかりやすくをコンセプトにマンガデザインモーションで創りました。
マンガデザインの解りやすさを感じていただけましたか?
今回の目標14「海の豊かさを守ろう」について、マンガデザイナーズラボ制作の作品をご紹介します。
このnoteでも何度か紹介している2023年関東大震災から100年というタイミングに企画した『予防インフラ2023』の8月1日掲載で「水(上下水道)の不思議」をコマ割りマンガと解説でわかりやすく説明しています。ぜひ拡大してご覧ください。
では、学生たちが取り上げた企業3社のSDGs14「海の豊かさを守ろう」に対する取り組みを紹介してゆきます。
はじめに、パナソニックグループの「サステナブル・シーフード」です。
【製作意図】
パナソニックグループのサステナブル・シーフードの社員食堂導入を描きました。パナソニックでは、環境や社会に配慮した持続可能な方法で生産された水産物(サステナブル・シーフード)を社員食堂に導入しているそうです。これには認証マークが付いているようで、このマークにより乱獲などがされずに獲られたものとして見分けられ、結果的に海の生態系を守ることにつながります。
【吉良視点】
文中にも記述したASC認証マーク(環境と社会への影響を最小限にした責任ある養殖の水産物である証)の実現をしっかり企業で実施していることをコマ割りのマンガデザインで表現している、わかりやすい作品です。
サステナブルシーフードの響きが心地よいですね。
2つ目は、花王グループ株式会社カネボウ化粧品の「ALLIEのリーフセーフ処方」です。
【製作意図】
カネボウ化粧品ALLIEのリーフセーフ日焼け止めを描きました。海や川へ日焼け止めを塗って遊びにいく人が多いなか、環境に優しく人にも優しい日焼け止めはどのようなものがあるのか気になり調べてみました。
紫外線吸収剤を使用する日焼け止めは、透明で皮膚に塗ったときに白くなりにくく、白うきしないというメリットがありますが、肌上で化学反応を起こすため肌への刺激が強く、更に環境に良くないというデメリットがありました。
今回、日焼け止めの自然への影響がどのようなものか調べ、環境や人に優しい日焼け止めを使う人が増えると良いなと思いました。
【吉良視点】
この制作意図を読むだけで作品の素晴らしさを想像できますね。それほど制作意図が大切なわけです。地球温暖化や皮膚ガンの増加などで日焼け止めの重要性が伝えられるなか、紫外線吸収剤の成分が肌だけでなく環境、つまり海の環境に良くないということをこの作品で学びました。
海水浴をしつつ、海をゴミで汚し、日焼け止めで環境をも破壊してるとするならば、それを抑止することは我々の義務だということがよくわかり、その努力をしている商品を使うべきだと感じますね。いつもしっかり考えた作品制作ありがとうございます。
3つ目は、株式会社海遊館の「"未来の環境のためにできること" 新コーナーの開設」です。
【製作意図】
海遊館の未来の環境のためにできることという新エリアを描きました。水族館という海洋生物とその環境を研究する施設である海遊館。施設管理が民間の株式会社となった現在でもその役割は変わっていないはずなので、もっと警鐘を鳴らすべきだと感じ、こうなったら嫌だよねという皮肉を込めて描きました。
【吉良視点】
この海遊館の発想もこれを描く作者の発想も最高です。視点は気づかれなければ視点にならず、気づかれても表現しなければ広がりません。海遊館、素晴らしい場ですね。どういう風にこのデザインが表現されているのか見に行きたくなりました。本当に「こうなったら嫌」ですね。
最後にSDGsと大阪・関西万博を絡めたシリーズ作品をご覧ください。
【吉良視点】
直前の高田さんの「海遊館(未来の環境のためにできること)」の考え方を廃棄ペットボトルと魚の量との比較で意識喚起させながら、マイ水筒、マイボトルの普及を促す。良い作品ですね。大阪関西万博ではどのように見せるのか気になりました。
『持続可能な世界への責任〜サステナビリティ・ソリューションへ〜企業のSDGs14(海の豊かさを守ろう)』いかがでしたでしょうか?
次回も楽しみにしていてください。
楽しいマンガデザインで企業のSDGsを学びましょう!