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持続可能な世界への責任⑬〜サステナビリティ・ソリューションへ〜企業のSDGs13(気候変動に具体的な対策を)

どうもどうも、吉良です。

10月も半ばを過ぎて少し暑さも和らぎ、爽やかな秋の気配を感じると「日本っていいな」ってしみじみ感じます。

ちょうど紫金山・アトラス彗星が見頃を迎えた10月14日に自宅のベランダから西の空を撮影しました。彗星を見るには少し早過ぎましたが、美しい夕焼けと富士山のシルエットは秋の美しさを際立たせてくれていました。

アトラス彗星を探せ!

17日(木)の月は、2024年の中では地球から最も近い位置で満月になり、今年見える満月のうちで最も大きな「スーパームーン」でした。東戸塚駅に着いて空を見上げるとまさに天空に。

今年最大のスーパームーン

今回の「持続可能な世界への責任〜サステナビリティ・ソリューションへ〜」で取り上げるのはSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」です。この目標も目標12と同様に自分ごととして捉えられる内容ですね。

ところで、気候変動ってなんでしょう?

それは今年の日本の夏のような異常気象、熱波、集中豪雨、大型台風などのことです。日本のみならず世界中でさまざまな自然災害が起こっています。

その影響は農業や水産業、飲み水の確保、エネルギーなどあらゆる分野に及び、国民の暮らしに深刻な被害をもたらしています。

こうした被害は地球温暖化が引き起こすさまざまな気候変動が要因になっています。

地球温暖化は、僕たち人間が経済活動の中で出す二酸化炭素が主な原因です。この二酸化炭素が地球の上空をおおい、「温室効果ガス」となることで、地球が温められ、気温が上がってしまうのです。

1850年から1900年の気温と比べ、2011年から2020年の気温は1.09℃上がったと言われており、ご存じのようにこのペースはここ数年世界中で高まっています。

100年に一度レベルの台風、大雨、高温、干ばつが2022年、23年、24年と続き、日本においても10月の下旬になっても半袖で生活できるほどの真夏日を観測しています。気象予測では、来年2025年も今年以上の高温と言われています。

二酸化炭素排出量を減らして、温暖化にストップをかけることは世界全体の問題です。2015年の「パリ協定」では、世界の国々が協力して気候変動に取り組むことを約束しました。

その内容は地球の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く、できたら1.5℃に抑えようというものです。そのために各国は「温室効果ガスを減らす2020年以降の目標を作りましょう」ということを取り決めました。

地球温暖化を防ぐために、僕たちにできることは何でしょうか。まずは、今の暮らしの中で、できるだけ二酸化炭素を出さないように工夫すること。電気をこまめに消してムダな電気を使わないこと。

大量消費をやめて、前回の目標12の時にも書いた「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」を心がけることも、そのひとつです。

二酸化炭素を出さない暮らしに変えていくことも大切です。再生可能エネルギーを利用したり、電気自動車を使ったりするなどの取り組みも二酸化炭素排出量を抑制することにつながります。

毎日の生活、まさに日常を見渡して、二酸化炭素を減らしたり、出したりしないようにするため、どんな工夫ができるか生活者自らが自分ごととして考え、行動することが大切です。

では、実際にSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」のスコアを見てみましょう。

目標別達成度と進捗状況(変化・動向)は下記のように表されています。

<目標別達成度>
緑:SDGs達成
黄:課題は残る
オレンジ:重大な課題が残っている
赤:大きな課題が残っている

<進捗状況(変化・動向)>
↑:SDGs達成が軌道に乗っているか、維持している
↗:やや改善中
→:停滞している
↘:減少中
・・:データなし

この目標に対しても皆様の予想通り、最低レベルの赤「大きな課題が残っている」となっているうえに現状分析も「停滞している」になっています。

SDGs13・気候変動に具体的な対策を、について詳しくは前回のシリーズの記事もご覧ください。

前回に引き続き、SDGs新シリーズの紹介動画を新しく制作しました。楽しくわかりやすくをコンセプトにマンガデザインモーションで創りました。

マンガデザインの解りやすさを感じていただけましたか?

今回の目標13「気候変動に具体的な対策を」について、マンガデザイナーズラボ制作の作品をご紹介します。

SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」の時に書いた「予防インフラ2023」においても気象変動に対する備えをマンガデザインしたマンガデザイナーズラボ作品を列挙しています。あらためてご覧ください。

その6回シリーズの最終回の9月1日、まさに関東大震災から100年目の日に掲載した高砂熱学のマンガデザイン企画においても有事に対する生活者の備えとそれに対峙する高砂熱学の企業姿勢と対策について、2つのプロジェクトを1つにまとめて制作しています。

文部科学省の閣議案件、イノベーション白書の令和3年版『SCIETY5.0』においても気象変動に対する備えをポスターと動画(マンガデザインモーション)で表現しています。

科学技術・イノベーション白書 令和3年版

では、学生たちが取り上げた企業2社のSDGs13「気候変動に具体的な対策を」に対する取り組みを紹介してゆきます。

はじめに、大塚ホールディングス株式会社の「CO2フリー電力」です。

(大阪芸術大学 デザイン学科 嶋田奈千さん)

【製作意図】
大塚ホールディングスのCO2フリー電力を描きました。気候変動に具体的な対策を出し、目標を決め、実際におこなっているため選びました。

【吉良視点】
近年続く気象変動による猛暑対策、熱中症対策に継続的に取り組み、世界中のたくさんの命を救っているポカリスエットやOS1の会社、大塚製薬。そのインドにおけるCO2フリーについてのマンガデザインはポカリブルーの色使いが爽やかないい作品です。『人の命だけじゃなく地球も救ってるんだよ』のフレーズは秀逸です。

2つ目は、株式会社栄光製作所の「ドアの開け閉め徹底」です。

(大阪芸術大学 キャラクター造形学科 宮下侑大さん)

【製作意図】
栄光製作所のドアの開け閉めを描きました。一見、企業がやることにしては小さい取り組みに感じるが、これにより電気使用量を3割減らせるため、いきなり大きなことからではなく確実にできる小さな取り組みから始めようという意味で描きました。

【吉良視点】
「当たり前のことを当たり前に」これがなかなかできないですね。「ドアを閉める」という行為をきちんと継続するだけで電気消費量を3割減少するというのは素晴らしいことです。小さな取り組みから始める素晴らしさをうまく表現したマンガデザインです。

最後にSDGsと大阪・関西万博を絡めたシリーズ作品をご覧ください。

(大阪芸術大学 デザイン学科 冨士七瀬さん)

【吉良視点】
この企画にはいつも気づきがあります。
この学生が気づくポイントをまったく伝えられていない万博協会の広報は酷いですね。チケットさえ売ればいいわけではないですよね。やはり世界中に万博のいい面の訴求が必要ですね。このマンガの中の、①脱炭素化ツアー、②再生可能エネルギーを導入している宿泊施設、③材料の長距離輸送を行わない地産地消メニュー、全て良い話です。是非もっと告知すべきです。

『持続可能な世界への責任〜サステナビリティ・ソリューションへ〜企業のSDGs13(気候変動に具体的な対策を)』いかがでしたでしょうか?

次回も楽しみにしていてください。
楽しいマンガデザインで企業のSDGsを学びましょう!

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吉良俊彦(マンガデザイナーズラボ代表)
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