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視点を変えて楽しむ人

幼き日、私が考えた母にふさわしい夫像。

母と同じ匂いのする男性。

暗く、翳りのある、怖い目をした人。

怒りに震え、世の中に背を向けている男性。

ところが…。

母が夫に選んだ男性は、これらの特徴からは、大きくかけ離れています。

(類は友を呼ばないのか?)

私は、母に尋ねてみました。

「お母さん、何で自分とそっくりな人と結婚せんかったん?」

すると…。

「私みたいな、ひねくれた人間は好かんわ!」

とのこと(笑)。

この様な超難関人物を手玉に取る父。

恐ろしすぎる…。

時に不真面目で、不埒。

母のことをいなしている様で、きっちり信頼も獲得。

基本、妻は野放し。

しかし、要所はきちんと押さえて来ます。

暴走の兆しを目ざとく察知。

母に気付かれない様に、そっと制御をかけて来ます。

これが、なかなか絶妙。

自分の力を最大限発揮できる相手を妻にした父。

なんだか、楽しそう…。

母という人物は、一歩取り扱いを間違うと、悲惨な事になるのですが…。

狂気的なモノをまともなモノに変換する。

これが、父の最大の得意技(笑)。

その手法は、もちろん(?)、皆が想像する様な真面目なモノではなくて…。

母とまともに対峙すると、玉砕することを百も承知の上。

訳の分からない特技を、どこで身に付けたかは、全くもって謎。

人とは違った発想をする父。

人間の複雑さを、良く理解している様なのでした(笑)。


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