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大人の振る舞いは自制心から

父の職場で、送別会が行われました。

この職場の大変気難しい最高責任者が、「寸志」と書かれた封筒にお金を入れて、司会者の男性職員に渡していました。

司会者の男性が言います。

「○○さんから『寸志』を頂きました!」

ちなみに、この司会者、職場の皆から「超イケてない男」レッテルを貼られていました。年は、若いとは言えません。

周りの人達が凍り付きます。

最高責任者は、大変礼儀に厳しい人です。

「『寸志』って言った、『寸志』って言った・・・」ぼそぼそぼそぼそ。

ご機嫌斜めになる最高責任者。不穏な空気が流れます。

こうなると、父の出番です(笑)。

せっかくの送別会の雰囲気を壊してはなりません。

この職場で、彼の怒りをおさめられるのは父だけでした。

早速、最高責任者に冷静になってもらいます。

「○○さん、ここは、大目に見てあげて下さい!」

「別に悪気がある訳ではないのです。ただ、礼儀を知らないだけなんです」

「せっかくの送別会ではないですか?気持ちよく送ってあげてください!」

父もそう言いながら、半分呆れていたのですが・・・。

「何も、こんな些細な事で怒りをぶちまけて、旅立つ人を不快にさせる事はないではないか?笑って許せるだけの大きな心を持とうよ!」そう思う父。

こうして、この一件は、ある男性の失敗談として、笑い話で済んだのですが、一歩間違うと悲惨な送別会として皆の記憶に残るところでした。

その場に適した振る舞いが問われるのでした。


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