未来の将棋考「人間よりCPUが強くなった今の人間が将棋を指す意味+新ルール案」

ホリエモン氏の「表面しか分ってない発言」をとりあげたツイッターより

はるぼー@将棋とサッカー審判に情熱を燃やすほんわか人事
@ref_sho47
堀江貴文さんが「将棋の藤井君は自分で手を考えてるわけじゃなくてAIが最善という手を指している。AIの指し手を完璧に覚えている」という類のことを話していて、興味とカバーする範囲の広さはさすが堀江さんだと感心する一方、専門外の人が語ることは話半分に聞いておいた方が良いと改めて感じました。

・・・堀江氏の「認識の浅さ」ヘのツッコミはさておいて。

CPUのほうが強い時代の人間が将棋を指す意味とは何でしょうか?

かつて母が「プロ棋士の真似をどれだけできるかで強くなれるから、私たちアマチュア棋士は『技術職』。対してプロ棋士の先生は『研究職』。科学者のように自分で道の領域を切り開かなければ第一人者にはなれないから」と言っておりました。それから時間が経過して、CPUが人間を抜き去り、プロ棋士もCPUというお手本に学ぶ技術職の時代になりつつあります。

自動車や交通機関が発達しても陸上競技が廃れないように。将棋も人間が行う意味は失われはしないでしょう。むろん、CPUに抜かれたことで多少也と意義が揺らいだとは思いますが。

②ルール変更
もともと先手有利とされているルールです。将棋のルールが行き詰まったら羽生さんが「香車を横に行けるようにすればいい」と発言されたことがあるとかないとか。

そこまではいきませんが、CPUの解析が完全に終わってしまった場合、そして先手有利問題を解決するというテーマでのアイデアがあります。

「新しい駒を増やす」とか「盤を広げる」とかの物理的変化のアイデアは単純明快なのは良いのですが、今までの定跡が即座に全否定されること、そして、なによりも新たな盤駒でなければならず「今までの盤駒が使えなくなる」のがもったいないので、盤や駒は既存から一切変更せず、かつ大きく変えるアイデアです。

・斜め傾けルール
「1手かけて左右どちらかの斜め45度に駒の向きを変える手を可能にする」というルールです。たとえば9九にいる香車を右45度にかたむけたら、次は8八、7七という方向に香車の動きができるようになるという感じです。桂馬でも金銀でも同じ要領です。飛車と角は斜め45度に傾ければそれぞれ次からは角と飛車の動きになるわけです。1手かけて傾けなおして元通りにすることも可能。

この「傾ける手」を先手の初手だけ禁じます。後手の初手以降で「傾け解禁」とすればなんとなく先手の有利さが減らせるかなと。また先手の初手に関しては既存ルールの縛りがあるので今までの定跡が多少也と生きるかなとか、駒の動きや初期配置の性質上、いつも活躍しにくい香車ももうちょっと活躍できるかなと思いました。

「持ち駒を打つ時にいきなり傾けて打てるか」とか「手として45度傾け限定か、右45度から左45度への90度傾けを許容するか」などは調整ルールの範囲でしょうけれど。「持ち駒の方向け打ち」や「90度傾け可能」のアリアリルールになると、もはや将棋はどうなってしまうのか?私ごときでは想像もつきませぬ。今のミクロコスモスな将棋がマクロコスモスな将棋になることだけは間違いないでしょう。自分も相手も応種が爆発的に増加するのですから。

人間もルール対応は大変でしょうけれど、CPUもかなり大変になるのではないかなぁ。かえって人間とCPUの差が開きそうな気もしますが、少なくとも既存ルールでは10の240乗と言われる将棋の変化を囲碁(10の360乗)なみに、既存の盤駒のまま増やせるのでゲームの寿命はかなり延びるのではないでしょうか?(CPUによって先手必勝という結論が出てしまうとゲームとしての寿命は終わりに近いでしょうから)

私の寿命が尽きたはるか未来で実現してたら楽しいなぁと妄想しております。

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。