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20年以上営業一筋だった私が独学でシステム開発を成功させた記録

私は今フリーランスとして、小規模事業主の方々に向けて収支集計や顧客管理などのシステムを開発、提供しています。
そんな私ですが、今の仕事を始める前は、20年以上営業をしていました。
営業という肩書きしかなかった私ではありますが、前に勤めていた会社での経験が今の私にとってなくてはならないものになっています。
なぜ営業しかしたことない私がシステムを一から開発したのか、きっかけや開発過程、開発後の成果についてお伝えします。


1.なぜ営業マンがシステムを開発したのか

私は大学卒業後、大手の住宅建材メーカーの営業として14年間勤務し、その後中小企業の金属加工会社に9年間営業として勤務しました。
私がシステム開発を始めたのは、金属加工会社に転職したことがきっかけでした。

転職前の会社は、大手だったこともあり、パソコン操作ができて当たり前の環境で働いていました。
転職後の会社は、工場の現場にパソコンはなく、営業も個人にパソコンは与えられていましたが、ほとんど使っていない手書き文化でした。

手書き文化を象徴していたのが、工場への製作指示と工程管理でした。
営業が注文を受けると工場に製作指示を送るのですが、毎回手書きの指示書を発行し、進捗状況の確認は工場の作業者へ電話で聞いて日々納期管理をしていたのです。

大手の会社にいた時には想像もつかない作業がそこにはありました。

私自身、この非効率にストレスを感じていました。
ただ、「これがこの会社では当たり前なんだ」と思うようになり、この環境に慣れていく努力をしていました。
しかし、工場の人たちもこの環境に大きなストレスを感じていることが、日々コミュニケーションをとっていく中でわかってきました。

【工場のストレス】
・毎日営業からの確認の電話で作業の手を止められる
・工場の混雑状況に関わらず、営業から短納期の製作指示が流れてくる
・前工程の作業者が納期ギリギリで後工程に回してくるため、後工程の作業者がずっと忙しい

私も営業として、このアナログの環境に大きなストレスを抱えていました。

【営業のストレス】
・お客様から納期問い合わせがくると、毎回その製品に関わる全ての作業者へ電話をしないといけない
・納期直前に納期遅れの連絡が工場から入り、お客様から怒られる
・自分が手配した製品がどこまで出来上がっているか、いつ完成するかわからない

ただ、アナログ文化なので、これをどう解決すればよいか、誰もわからない状態でした。
私が入社する数年前に、外部のシステムを導入したこともありましたが、そのシステムは現場の要望が反映されておらず、使い方さえわからない作業者がほとんど。
結果的に、部分的にしか活用されず、実質機能していませんでした。

外部のシステムもダメ、社内でシステム開発できる人もいない…
「もう自分がやるしかない!営業をやりながら、システムも作る!」
と決意
したのが、システム開発をしたきっかけです。

エクセルは得意でしたが、当時プログラミングの知識はゼロの状態でした。
今考えると、よくやろうと思ったなというのが正直なところです。

2.システム開発で目指した未来

私が目指したのは、次の4つの目標でした。

1.生産性の向上
効率的な段取りを可能にし、作業に集中できる環境を整えること。

2.客先からの信頼向上
納期遅れを削減し、迅速に納期回答ができる体制を作ること。

3.時間の創出
手書きの作業伝票をパソコンで作成し、確認電話を削減すること。

4.社員の安心感
工程を見える化することで、全員が安心して働ける環境を提供すること。

3.開発過程、手探りの日々

これまで誰もやったことのない取り組みでしたので、どう進めていけばよいかもわからなかったのですが、日々試行錯誤しながらも以下のステップで進めていきました。

1.システム開発の許可
社員全員(約70名)が関わるシステムでしたので、全員の許可が事前に必要でした。社長と社員全員に向けてシステム開発の必要性をプレゼン資料で説明し、許可を得るところから始めました。

2.工場へのパソコン設置
システム化にあたり、工場の各現場へのパソコン設置が必要でしたので、社長に許可をもらい、工場内のWi-Fi工事を実施、パソコンを各工程(15ヶ所)に設置しました。

3.書類のエクセル化
システム化の初めのステップとして、これまで手書きだった製作指示書のエクセルフォーマットを作りました。工場の作業完了も各工程のパソコンからエクセルで入力してもらうことにしました。そのエクセルデータを私が一覧にまとめ、どこまで工程が進んでいるかを日々更新し、その一覧を社員全員が見れるようにしました
ただ、私の作業がかなり時間がかかるもので、毎日早朝から深夜まで仕事している状態が続き、このままではいけないということで、プログラミングを勉強していくことになります。

4.プログラミングの勉強と自動化
プログラミングは本とネットから全て独学で勉強しました。本で基礎を学び、システム開発をしながら、やりたい動作を都度ネット検索し、プログラミングに反映→うまくいかなければまたネット検索という繰り返しで、徐々にシステムを作り上げながら、自分のスキルを上げていきました。

5.フィードバックをもらい、改良
システム開発をしていく中で、最も大切にしていたのが、
「現場の声を反映する」ことです。
システムの概要ができた段階で営業、工場の社員に見てもらい、改善点や要望をヒアリングしました。
難しい内容もありましたが、現場からもらった改善点や要望を全てシステムに反映していきました。

上記のステップを経て、全社員が使えるシステムを1年間かけて完成させることができました。

4.システム開発がもたらした成果

完成したシステムは、次のような成果をもたらしました。

  • 非効率な確認電話がゼロに
    製造の進捗状況がパソコンで確認できるようになり、営業や工場の業務がスムーズに。

  • 顧客満足度の向上
    営業が納期を正確に把握できるようになり、お客様への回答も迅速に。

  • ストレスの軽減
    現場のストレスが大幅に減り、仕事に集中できる環境が整った。

社内アンケートで
8割以上の社員が「仕事環境が良くなった」「このシステムがなくなると困る」と回答。環境が悪化したと回答した人はひとりもいませんでした。
工場、営業から直接「ありがとう」という言葉もたくさんいただきました。
この結果を見た時に、「自己満足ではなく、みんなの役に立てるシステムが作れて本当に良かった」と、感動したことを今でも鮮明に覚えています。

5.この経験を経て、これから

外部に頼らず、一から自分の手でシステムを開発する決断は、大きな挑戦でした。しかし、途中であきらめることなく、現場の声を大切にしてシステム開発を成し遂げた結果、多くの課題を解決できたことは、何物にも代えがたい経験です。
特に嬉しいのは、私が独立し、会社を辞めた今でも、そのシステムが大切に使われ続けていることです。現在も社員の皆さんがそのシステムを活用し、現場での業務効率化に役立てているのを見ると、本当にやって良かったと思います。

私はこの思いを胸に独立しました。

一生懸命頑張っている忙しい人に「時間」と「安心」を提供する

これは会社員時代に「時間」と「安心」に飢えていた私が、たどり着いた理念です。

・システム開発
・経営分析やシミュレーション
・情報整理
・業務代行や業務効率化      etc…

クライアントさんの状況に応じて、いろんな形でサポートさせていただいておりますが、全ては日々一生懸命頑張られているクライアントさんの
「時間」と「安心」を生み出すためだと思って、
日々試行錯誤しながら取り組んでいます。

「濱野さんのおかげで人生が変わった!ありがとう!」

と言っていただけることが私の生きがいであり、ひとりでも多くそう言っていただける方を増やしていくことが私の人生の目標です。
今後も愚直に私がお役に立てることに日々全力を注いでいこうと思います。

FC-Face 濱野 政法について

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