【感想】『無意識を鍛える』と「つかず離れず」
こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!
マガジン『本を読んだら鳩も立つ』での本のご紹介です。
前回の記事はこちらです。↓↓↓
今回は、梯谷幸司さんの『無意識を鍛える』から、「大風呂敷を広げて無意識を書き換える」にはどうすればいいのかを見ていきます。
なお今回は、「無意識」「潜在意識」をどう書き換えるのかについて、
本の中で共感できた部分を抜粋し、
私なりの解釈を加えたり書き換えたりしながら、
内容に関連したスライドを作成しました。
本来のメッセージとは異なるかもしれませんが、
「そういう考えもあるのだな」と捉えていただければと思います。
無意識を鍛えるための準備体操
さて、同書ではまず、
自分の中の価値観と向き合いながら、
「現在の自分」と「未来の本来の自分の姿」との差を埋めていく作業が必要だ、と説きます。
イメージとして、マンガ『吼えろペン』のとあるシーンが参考になると思います。
漫画家養成学校で、漫画家のタマゴたちに対し、主人公の漫画家・炎尾燃は、
「大風呂敷を広げろ!」と説きます。
そうして、大風呂敷を広げて未来の本来の自分の姿を想像し、現在の自分との差を比較したところで、
「では、この差を埋めるには、どんなものが必要になるか?」
を考えていきます。
ここで同書は、とにかく「なぜ?」と自分に徹底的に問いかけることを説きます。
文中でもよく、「理由を200個並べろ!」だとか「なぜの千本ノックをしろ!」といった文言が踊っています。
「なぜ?」と問い続けると、その内容は抽象的になっていきます。
普段、ぼんやりと生きている間にはわからなかった問題の本質が、「なぜ?」という問いによって浮かび上がってくるわけですね。
「なぜ?」の千本ノックを通して、
「なんのために生まれて なんのために生きるのか」
も見えてくることでしょう。
メタ無意識を自在にコントロールする
さて、同書では「潜在意識」の手前に、
自分の感じた情報をフィルタリングする「メタ無意識」なるものが存在すると説きます。
そして、メタ無意識には13の類型があるとしています。
↑ここでは、同書に挙げられていた類型を、よりわかりやすくなるよう違った言葉で表現してみました。
みなさんはそれぞれ、どちらの類型に属しているでしょうか。
さて、ここまでの「必要なリソース」「メタ無意識の類型」を頼りとしつつ、
「未来の本来の自分の姿」を補強してみましょう。
また、その「未来の本来の自分の姿」になれるかどうかは、現在、どれくらいの自信があるかを○%で、ざっくりと考えてみましょう。
それが、↓の図です。
ここで同書に書かれていないポイントで、鳩が個人的に重要だと思うのが、
「人生の転機ごとに将来の姿は自由に書き換え続ける」
ということです。
未来史を描くときは、変化できる柔軟性が重要です。
これについては、のちほどもう一度触れます。
「意識を鍛える実践トレーニング」と「環世界」
さて、無意識を鍛えるにはどのような方法があるのでしょうか。
同書では具体的な方法がいくつか書かれていましたが、その要点は、
いかにして自分は○○な人間だと信じ込むか
にあると言えます。
ここで、同書では説明されていない考え方として、「環世界」という概念をスライドに入れてみました。
動物はそれぞれに、自分たちだけの「固有の時間・空間」を生きている、という考え方で、ドイツの哲学者・ユクスキュルが提唱しました。
トカゲは自分が座っている岩を、「岩」ではなく「自分が座っている何か」としか認識しないですし、
ダニは動物の存在などは認知できず、ただ「におい」と「温度」だけを頼りに「血を吸う対象」へ飛びかかるのだ、というわけです。
このように、動物は自分たちの固有の世界を生きているので、別の「環世界」を生きるのは難しいです。
しかし、人間だけは「他の環世界」へ移ろうことができます。
勉強をしたり、出来事を経験したりして、「価値観が変わる」というのも、「異なる環世界」を見るようになった、と言えるでしょう。
つまり、「未来の本来の自分の姿」を常にイメージし続けると、
やがて「未来の本来の自分の姿」の環世界を生きられるようになる、というわけです。
「俺は東大に絶対受かる!」と信じ続けると、
いつのまにか「ああ、そうか、自分が東大に受かるのは当然だ」と考えるようになる「根拠のない自信の大切さ」に通ずるものがありますね。
無意識のコントロールの落とし穴とつかず離れず
さて、ここまでが『無意識を鍛える』の内容でした。
同書では、無意識を鍛えるための具体的なトレーニング方法などがこの後は続きます。
さて、「無意識を鍛える」ことは「未来の本来の自分の姿」を達成するために良いこともあるのですが、落とし穴もあるように鳩は感じています。
それをまとめたのが次のスライドです。
本来、「自分はダメだ」「そんな未来の姿になれるわけがない……」という思い込みを書き換えるために、この無意識のトレーニングがありました。
しかし、一度無意識をコントロールしてそれっきりだと、今度は新たな思い込みに捉われるようになるのではないでしょうか。
「自分はできる!」と過度に思い込みすぎていると、高慢になって成功していない人間を見下す可能性もあります。
また、「自分は勝てる!」と思っていたのに大事なスポーツの決勝戦に負けてしまうと、取り返しのつかないようなひどい落ち込み方をする人もいるものです。
そうならないために、何度も立ち止まり、自分自身を点検することが、真の「無意識のコントロール」だと鳩は思うわけです。
「金」「地位・権力」「学歴」などだけが絶対のステータスだと思い込み、その軸に特化するような人生を生きることは、あまり豊かではないように思います。
ときに立ち止まり、考えながら、無意識と向き合えるようになりたいものですね。
次回「本を読んだら鳩も立つ」では、『孫子』と社内政治の関係性について書いていきます。
お楽しみに。
to be continued...
参考資料
・スライドのマンガ:島本和彦『吼えろペン』(小学館)
・梯谷幸司(2020)『無意識を鍛える』(フォレスト出版)
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