【MBA/体験記】第11話「善人はなかなかいない」
こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!
前回までの『能ある鳩はMBA』では、「勉強会」の意義、そして鳩の変化について記載しました。
今回は、いかにしてビジネススクールの授業をスマートに切り抜けるかの秘訣を語ってまいります。
みなさんの日常生活にも取り入れられるところがあるのではないでしょうか。
1つの記事あたり、だいたい5分で読めますので、お気軽にスクロールしてみてください!
会議でスマートに見せる100の方法
突然ですが、みなさんはこんな本をご存じでしょうか。
えっ、まだご存じない?
特に、ビジネススクールに通っている、または通う予定のある方々。
ビジネススクールに通うというのに、ご存じない?
なんということでしょう!
週末大喜利をするためにビジネススクールへ通っているというのにこの本をご存じでないのは、大きな損失です!!!!
この本がいかに有用なのかは、読んでみればすぐにわかることかと思います。
さっそく、冒頭の文章を覗いてみましょう。
会議でスマートに見えること。
それが私の一番の望みだが、だれだってそうだろう。
とはいっても、会議中は眠くなったり、次の休暇やランチのことで頭がいっぱいになったりしてスマートに見せるのが難しくなるときもある。
そんなときこそ裏ワザの出番だ。
この本では、頼りになる100の裏ワザを紹介しよう。
サラ・クーパー、ビジネスあるある研究会訳(2016)『会議でスマートに見せる100の方法』(早川書房)
自分をいかにスマートに見せるのが、ビジネススクールでは大切です。
この導入文を読んだだけでもワクワクしませんか。
グループワークで使える裏ワザ
それでは、実際の内容を見てみましょう。
まずは、グループワークで使える方法をいくつか。
パーセンテージを分数に言い換えるのは、ビジネススキルを必要とせず自身の数字の強さをアピールするのに効果的です。
白熱した議論が高度過ぎて全くついていけないタイミングは誰しもあることでしょう。
そんなときの技が、著書ではこう言及されています。
ほとんどの会議で、あなた以外の全員が議論を白熱させる瞬間がある。
それを狙って「みんな、みんな、いったん冷静にならない?」と言う。
みんなはあなたを見て、ヒートアップした空気を覚ます能力に驚くだろう。
すぐに重ねてこう言おう。
「私たちが本当に解決したい問題はなに?」
ビシッと決めたら、その後1時間はなにもしなくても賢く見える。
サラ・クーパー、ビジネスあるある研究会訳(2016)『会議でスマートに見せる100の方法』(早川書房)
授業中に使える裏ワザ
続いて、授業中に使える裏ワザです。
誰かの発表をみんなが静かに聞いているときに使えるのは、こんな裏ワザ。
とりあえず戻させたスライドを数秒だまって見つめ、「よし、次に進んで」と言うだけでよいと、著書では言及されています。
授業でのあなたの存在感は一気に沸き立ちます。
また、授業中、あなたの華麗な発言に対し、あなたが全く知らないジャンルの観点から指摘をしてくる生徒がいますが、そんなときにはこう発言しましょう。
ビジネススクールでは度胸が大切です。
「白山 鳩『社長』」誕生!
さて、いかにして大喜利を楽しくやるかばかりを話していてもしょうがないので、ここでひとつ、授業の話題を。
とある夏の暑い日に迎えたその授業では、
架空の会社の役員となってディスカッションするロールプレイング
というコーナーがありました。
その授業では、人事部長、財務部長、と生徒にさまざまな役割が割り振られます。
さて鳩はというと、くじ引きの結果、なんと社長を務めることとなりました。
このとき鳩は、『会議でスマートに見せる100の方法』を読んできたのはこのためだったのかと、天命さえ感じました。
中身のないことについてそれらしく答えるという点につけて、
鳩の右に出る者はありません!
ロールプレイングの設定は、
「幼児向けの食品を製造している会社が、
大手食品会社Aから製造委託されている製品で、
異物混入をやらかしたと判明」
という内容。
監査役「白山社長、いますぐ全ラインの稼働を止めるべきです。善管注意義務に問われますよ」
鳩「ふむ、そのとおりだ。善管注意義務に問われてはいけない。業務担当部長、ラインを全て止めなさい」
業務担当部長「しかし、いますぐラインを止めるなんて、顧客に多大な影響が出ますよ! 財務的にどんなインパクトが出るか想定しているんですか、社長」
鳩「……」
鳩「財務部長、どう考えるかね(チラッ)」
とこのように、緊迫した雰囲気が続いても、
「進行は部下役に任せる」
「困ったら担当者に話を振る」
「どうせ架空のロールプレイングなので、なんだろうと業務は全て停止する」
という路線でなんとか切り抜けます。
議論が盛り上がってきて、何の話をしているか鳩がついていけなくなると……
鳩「すまないが、残り時間はどれくらいか確認してくれないか」
鳩「残り10分か。
もうすぐ、鳩は大手食品会社Aへ事情の説明に行かなければなりません。
それでは、ここまで決まったことを鳩にもわかるように整理してください」
こうして議論がまとまったところで、タイムアップを迎えました。
本当はもっと自分でも何かクリエイティブな意見を出したかったのですが、その日、朝から飲んでいた牛乳500mlが災いしたのか、
鳩は会議中ずっと下痢腹を抱えながら社長をやっていたのでそれどころではありませんでした。
重要なことはほとんど他人にやらせていたわけですが、聴講者からは、
「驚きと感動を与えてもらった」
というコメントが多数寄せられました。
うんこを我慢しながら感動を与えたなんて社長冥利に尽きます。
こうして、
何も学んでいないような、
社長にとって重要なことの片鱗を掴んだような、
そんなロールプレイングはみなさんの拍手で幕が下りるのでした。
次回、『能ある鳩はMBA』第12話「予告された入信の記録」お楽しみに。
to be continued...
参考資料
・サラ・クーパー、ビジネスあるある研究会訳(2016)『会議でスマートに見せる100の方法』(早川書房)