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ドキュメンタリーの時代。

先日行われたベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞に、ドキュメンタリー作品が選ばれましたね。「ダホメ」という仏植民地時代の西アフリカ・ベナンから奪われた美術品の返還問題を扱ったフランス映画です。
ドキュメンタリーの時代が来たかもしれませんね。
ドキュメンタリーって社会問題とか扱っている場合が多いので、ちょっと難しいというイメージがあるかもしれませんが、思えば情報化社会の現代において、口当たりのいい情報や楽しいだけのニュース、刺激的な映像なんてのは吐いて捨てる程あるわけで、表面だけきれいな話にウソっぽさを感じてしまっている現代人にとってはドキュメンタリーの本物感、ゴツゴツ感がちょうどよくなってきたのかもしれませんね。

でも、今の情報たちは手ごわい。
SNSなんかで「同意!」「いいね!」などと共感を求めてクリックしていくと際限なく同類が湧いてきて、自分の周りは自分のイエスマンだけになっちゃう(一億総裸の王様状態をかんじます)。「平和」「多様性」「SDGs」「人権」、聞こえのいい正義を連呼している人たちに寄っていくと大体やばいゾーンにはいっていく。日本人は皆みんないい人だと思っているが違う。我々は飛び交うステマとプロパガンダの中で生きている。

だから現代人はドキュメンタリーで武装すべきかもです。
「ニュースを見たり新聞読めばいいじゃないか」と思われる方もいるかもしれませんが、ちょっと違っていて、ファクト(事実)って並べただけだと実は何のことかわからない、事の本質に迫れない。だからニュースっておもしろくないじゃないですか。最新の事象だけ伝えられても所詮は「点」、つまらんのです。

その点ドキュメンタリーは監督や語り手の視点や知見を借りて、その問題が意味するモノに入っていけます。
「色のついた情報じゃないか?」
いやそれでいいんです。むしろ客観性の名を借りた印象操作の方が現代では怖い。
だいたい人の意見を聞いたらその人に同化するかといえばそんなことはない。むしろ人の話を聞くと発見がある、楽しさがある。ドキュメンタリーではとびっきり変わった趣味のおじさんや極端な考えのお姉さんに触れることができる。そこには決して劇映画では体験することのできないリアルな人間観察の世界が広がってます。やっぱりCGやアクションや音楽の前に我々は「人間が面白い」のだと思います。

ベルリン映画祭会期中には、日本のドキュメンタリー作品がフォーラム部門で上映され好評を博したそうです。日本はもっとドキュメンタリー映画で盛り上がったほうがいいと思いますね。3月にはTBSドキュメンタリー映画祭というのもあります。坂本龍一の生き様と彼が遺したものを見つめた「坂本龍一 WAR&PEACE」という出品作を見ましたが、YMO世代にはどうも泣けてしょうがない。
そんなわけで、私は「D会議室」というドキュメンタリー好きのコミュニティをつくりました。ご注目ください。


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