見出し画像

日記 パンと来客

午前中に妻が毛糸屋さんに出かけている間、家でこどもたちとパンを作った。次女の通う幼稚園で簡単にできるパン作りのキットが注文できたので、それを買っていたのだった。

ポリ袋にいろんな粉と液体を入れて揉む
自分もやりたくなった姉が乱入して揉む
かたまりになったら口を縛って1時間放置
袋からだして成形する
これなんだろう
できた
焼いた
できた

ふっくらしていておいしそう。左右の大きさが違うがそれも個性であろう。私は大きいのも小さいのも好きだ。これはなにかというと、長女と次女作のモンスターボールパンである。別の何かに見えた心の汚い人は反省してください。

友人が家に遊びに来た。彼は東京に住んでいて、私が福岡に移住する前は定期的に遊んでいた仲だった。今日は彼が実家の佐賀に帰ったついでに寄ってくれたのだった。

彼が来る前にふと、私は妻のナイトブラをこっそりつけて彼に会ってみたらどうだろうと考えた。別に私にそういう趣味があるわけでなく、ナイトブラが筋肉スーツとして使えるのではないかと昨日気がついたのだ。定期的に会っていた彼に気がつかれなかったら、それだけ自然だということになる。

ちょっと実験してみてもいいかな?と妻に相談したところ「彼は優しいからもし気がついても何も言わないタイプだろうし、しかも今回は新婚の奥さんと一緒にくるんでしょ?やめなさいよ」と真顔で言われた。昨日はあれだけ胸筋に見える!と絶賛していたのに。

たしかに彼は今回新婚の奥さんを連れてくるという。そして私はその奥さんとまだあまり話したことがない。もし奥さんの前でナイトブラがバレた場合、どう取り繕っていいかわからない。私はともかく、彼と奥さんの夫婦関係に深い闇を落としてしまうかもしれないと思い、私はノーブラで会うとこにした。

やがてわが家に友人夫婦が来て、一緒に焼鳥を食べながらお酒を飲んだ。私以外の誰かを交えて飲む時、妻が酔うといつもする話がある。6年前、私が肺気胸になって2週間入院した時のことだ。

私が突然入院となったその2週間で、妻は大切な友人の結婚式が3つも入っていた。ちょうど20代終盤の結婚ラッシュの年齢だったし、結婚式の多い10月のことだった。その楽しみにしていた予定を私のせいで全部キャンセルしたことを妻はいまだに根に持っているのだ。

1人目の子育てをほぼワンオペで手探りでやっていた頃、妻が束の間の非現実をどれだけ求めていたのかは計り知れない。結婚生活を続けるということは、こういう消えない遺恨を酒のつまみにしていくということなのだろう。なので妻がその話をしだすと、私は黙ってお酒を飲むしかないのだ。この話と新婚旅行に行かなかった話は一生言われ続けるんだろうなあと思う。

いいなと思ったら応援しよう!