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辻村深月「名前探しの放課後」登場人物の備忘録

私にとっての辻村深月7作品目。
前の記事でも書いたが、これ読んで「冷たい校舎」読むと色々ダブるので、冷たい校舎の後に読むのがよかったかなと。

まず物語の気になった点。
『友春にいじめを辞めさせるために、そのきっかけとなった水泳を上手くなって見返そうぜ!』ってロジックに『…(閉口)』となったのは私だけだろうか。
いやいや、いじめっ子からしたら、いじめの対象になってる子が仮に上手くなったからとて、それとこれとは別じゃね!?!?となった。
これが結局はあすなを止めるために無理矢理水泳と結びつけるための工作だったと。(河野基って多分最初から泳げてたと、で、いきなり泳げるようになった!?ってあすなが驚いたのも納得。)
ちょっとその展開に違和感があったことが、少し気になった。


登場人物への印象

【依田いつか】
いるいる、こういう外見も内面もイケてる感じの子。
私の定義する「内面がイケてる」てのは、寡黙(そう)で真っ直ぐ、それでいて性格がカラッとしてる、クール、男らしさを全面的に出してこない男らしさ、等々。んー、女関係のだらしなさはさておき、男性部門ではチヨダコーキと並ぶくらい好き。

途中あすなからは「水泳から逃げてる!」みたいなことを言われてたけど、私はそうは思わない。大きい怪我までしたのに、わざわざ同じスポーツやらなくても。逃げるのが悪いこととは思わない。


【坂崎あすな】
↑の、いつかのパートでも述べた件で、、、。同族嫌悪は分かる。挑戦せずに逃げてきた自分、同じく水泳をやめちゃったいつか。でもそれって自分の弱さでしょ?それ友達にも押し付けるとか意味分からんくね?てなった。
あと「私なんかが彼女と思われたら申し訳ない」みたいな、卑屈な感情。いやいや、それ謙遜になってないし、てかほんまにそう思ってる?そう言って否定してほしいだけやろ!?となった。(てかそもそも私はどんなけ架空の人物にムキになってるんだっていう。。。笑)

【長尾秀人】
「ぼく」と分かった時の衝撃。(経緯は↓のふみちゃんを参照)
そうかー。罪と罰の能力発揮してたかー。確かに今から思うと、冒頭のイオンの屋上?で突然あの条件提示、意味不明やもんなーと思いつつ。最後の最後で「ぼくのメジャースプーン」による伏線回収、完全にやられた。
確かに途中、秀人の「恩師とご飯食べてた」ていう「そのくだりほんまにいる!?!?」みたいな描写あったわー、とか思い出したら色々繋がる。秋山先生ね。
てか、これ以外にも見落としてる匂わせ絶対いっぱいあったはず。もう一回読み返したい。涙


【椿史緒】
あの「ふみちゃん」だと分かった時の衝撃。笑
ピアノのくだりで松永郁也が出てきて、「松永君には勝てない」「君も上手いジャン」みたいなやりとりがあったのを見て、あれ、、?となり、凍りのくじら→ぼくのメジャースプーンで出てきたシーンを思い出してみた。
あれ、、、ふみちゃんもピアノやってたよな、、、えっそういえばなんか秀人が「椿は丸い性格じゃなくて、角だらけの四角形を丸に近付けてるだけ」的な意味ありげなこと言ってたな、、これはもしや!?となってググった。
いやー、ふみちゃんすごい大きくなってて涙。
大きくなってもちゃんとふみちゃんはふみちゃんのまま真っ直ぐ成長してた。子ども時代verのふみちゃんについては「ぼくのメジャースプーン」版で書きたい。


以上。
河野基と小瀬友春は割愛。
(全編に渡っていじめっ子・いじめられっ子になりすましてたが故に、本当の性格ってのがイマイチ掴めなかったので書けなかった)

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