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去年の月

去年の今日は府中にいました。
今年、2024年も同じようにこの風景を見るはずでしたが、体調を崩して家にいます。

夕暮れ時に歩いて渡る是政これまさ橋はなんとなく怖いものです。
大きな橋で、川からはだいぶ高さがあるせいかもしれません(高所恐怖症ぎみなのです)。

去年は夕焼けの空に富士山の影がくっきりと見えて、南多摩駅へと向かいながらしょっちゅう振り返っては、富士山を見て気を紛らわしていました。

写真だと明るく見えますが、自分の感覚としてはもっと暗くて、多摩川の川面は薄闇に沈んでいたように記憶しています。自分の「怖い」という感情が影響しているのでしょうか。

秋の終わり、つかの間の楽しい時間、ひとりでたどる帰り道、取り返すことのできない日々、いろいろな後悔… そういった諸々が、しだいに輪郭を朧ろにしていく景色とないまぜになって、ひどく心を締めつけます。
それでも来年はまたこの風景を見られたら、と思っています。

(2023.11.24)

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