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東京寫眞帖 : 大井鹿嶋神社
大森での用事を終えたら電車で帰るつもりだったはずが、足が勝手に改札とは反対に向かい、池上本通りに出ていました。
大森から大井町へとつながる池上本通り。
そのなかほどに大井鹿嶋神社があります。
大好きな神社のひとつです。
大井鹿嶋神社
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初めてこちらの神社にお参りしたのはいつのことだったか、背の高い木立に囲まれた森閑とした境内に、武神が鎮まるお社らしいと感動したものでした。(ちなみに自分の中では、ここのご祭神は黒糸縅の大鎧に身を固めた老練な武者のイメージだったりします)
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「かっこいい…」と感動します。
境内は広々として、ちょっと東京とは思えない雰囲気です。
この日は七五三のご祈祷が行われていて、太鼓の音が鳴り響いていました。
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自宅からはちょっと行きにくいところにあるので、久しぶりにお参りできて嬉しかったです。
このあとは神社近くの交差点から西大井駅に出て自宅へと戻りましたが、2020年の年末ごろには池上本通りを大井町まで歩いたことがありました。
2020年の池上本通り
その日も、大森に買い物に出かけた帰りになんとなく歩きたくなって、駅前の人混みを抜けて池上本通りをふらりと歩き出しました。
大森駅前は狭い歩道がバス停も兼ねていて、バス待ちの人やら駅に向かう人やら、そのうえ自転車で走り抜ける人までいて、わりと危険な感じ。
けれど、ジャーマン通りとの交差点を過ぎれば人通りはめっきり減って、急に人の気配のなくなった幅広のゆるい坂道をのんびり歩くことができます。
道端には燃えるように紅く色づいたドウダンツツジ。
横目に見て通り過ぎてからまた戻り、スマホを構えようとしてやめました。
この光の加減も、色合いの鮮やかさも、目で見るようには写し取れない。
そう思ったのです。
池上本通りの道ぞいにはポツリポツリと昔風の商店の構えをした建物があって、昭和趣味の私の琴線に触れてきます。
今度は、通りの向かいのビルに目を引かれて立ち止まりました。
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そこだけとても昭和。
撮ったばかりの写真をその場で確かめてみます。
なかなか思うようには撮れないもので、けれどこれはこれで記憶のよすがになるからいいかな… と思い直したら、やっぱりさっきの紅葉も撮っておけばよかったなあ、と後悔しきり。
紅葉はまた来年も見られるかもしれないけれど、いまここで、この空気、この日差し、この色合いで見る紅葉はこれきりなんですよね。
目で見たそのままには写し取れなくても、それを残しておけばよかった。
撮らなかったことで、かえってあの紅いドウダンツツジは自分の心に深く刺さってしまったようでした。
立派な庭園の豪華な紅葉などではない、ふつうの街路樹だったのに。
鹿嶋神社を過ぎて大井町が近づいてきたところで、板張りの家を発見。
最近は窓の少ない箱のような家が多いけれど、あれで息が詰まったりしないのでしょうか。
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池上本通りの終点は大井三ツ又の交差点。
向こう側の信号の下に祠のようなものが見えました。
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昭和どころか一気に江戸。
こういう建物がちゃんと残って守られているのはなかなかいいな、と思いつつパチリ。
道は数百年の時を生き残り、人はその上を行き交い続ける。自分もまた、この道を歩いた数多の人たちのひとり。
(2024.11.9)
(2020.12.26)