東京寫眞帖 : 鷲神社・酉の市
こちらの記事の続きです。
参拝の行列
ということで、酉の市の行列に戻ってきました。
参拝者の列はゆっくりゆっくりと進み、ようやく神社の入口へとたどりつきました。
入口の左右には神職さんがいて、台の上から幣を振ってお祓いをしてくれています。
拝殿まで
行列の左右には熊手のお店が並んでいます。テレビなどでよく見知っている光景ですが、自分の目で見られて嬉しい気持ちでした。
お店の人が熊手を買った人に景気づけをするかけ声があちこちから聞こえてきて、とても賑やかです。
熊手にもいろいろな種類があって、大きさも彩りも縁起物の取り合わせも本当に様々。見ているだけでも楽しいので、行列が進まなくてもそんなに苦にはなりません。
そして、ようやく拝殿前に到着。
来るだけでも運気が上がるとかいう酉の市。
今年、来年と星回りのよくない自分は、とにかく平穏無事であるようにと祈りました。(今年の前半はつらかったです…)
境内点景
お隣のお寺(長国寺)
人であふれかえる境内を行ったり来たりしているうちに、神社にとなりあったお寺の境内に入ってしまいました。
「妙見」という文字に、実家から数駅先の千葉妙見神社のことを思い出して、こちらのお寺にも親しみがわき、お参りしていくことにしました。
お寺のおみくじ
お堂のすぐ脇には小さなブースのようなところがありました。
中にはお坊さんがひとり座っていて、見ていると、そのお坊さんがなにやら呪文を唱えた後、おみくじの箱をがらがらと振っています。
自分で引くのではなく、人が引いてくれるなんて、珍しいですよね。
それで急に自分もおみくじをしてみたくなって、お願いしてみると…
箱から飛び出した棒に書かれた数字を確認して、脇の棚からおみくじを取り出したお坊さんは、「あ」という顔をしました。
出てきたのは「凶」。
………
最近は、めったにおみくじを引かないのに。
よりによって凶?
酉の市には行くだけでも運が良くなると聞いていて、賑やかな雰囲気に自分の気持ちもふわふわと上がりかけていたのに。
後悔しました。
おみくじを引き取ってもらう
凶が出てしまった人には、お坊さんがもう一度おみくじを引き直してくれます。
凶のおみくじは境内裏手にある妙見様の祠のところに結んで、妙見様に引き取ってもらうようお参りしてください、と言われました。
行ってみると自分のほかにもおみくじを結んでいる方がいて、仲間だ〜… と申し訳ないながらちょっとだけほっとしてしまいました。
鷲神社の舞
2度目のおみくじは吉と出たものの、すっかり気持ちがしぼんでしまいました。
そのままなんとなく境内を出て、びっしり立ち並んでいる屋台をぼんやりと見て歩きました。
おみくじ、ふだんはあまり引かないのだから、今日もやらなければよかったなあと、考えてしまいます。
それでもちゃっかり、途中でシャーピン買い食いしましたが、過ぎたことをぐだぐだ考え続けているので、当然美味しくありません(笑)。
道なりに歩くうちに、気がついたら屋台が途切れていました。道の先は薄暗く、夜のこととて、自分がどこにいるのかも分かりませんでした。
仕方なく来た道を戻ります。
このまま帰るのもいまひとつなので、また鷲神社の賑やかな空気をもう一度味わって気分を直そうと思ったのです。
妙見様のお堂の前を横切って鷲神社に戻り、拝殿前の行列に並ぼうとすると、みんなが上のほう見ていることに気づきました。
自分もその視線をたどって、拝殿脇の渡殿を見上げます。
そこにはおかめさんがいました。
おかめさんの舞が終わると獅子舞が始まり、そのまま見ていると、こんどは鳥の面をつけた舞手が登場。
鷲の舞です。
…珍しい舞を見ることができました。
もしお寺で吉のおみくじが出ていたら、きっとそれで満足してあのまま帰ってしまい、渡殿での舞は見逃してしまったことでしょう。
凶のおみくじが私を足止めして、舞を見せてくれたのかも。
禍福はなんとやら。
単純な自分はすっかり気分が戻り、拝殿の行列に並び直して、舞を見られたことのお礼のお参りをすると足取りも軽く神社を後にしたのでした。
おまけ
最後は上野駅から見上げた月を。
今回もお付き合いありがとうございました!
(2024.11.17)