日本の新年度はどうして「4月1日」から始まるのか
こんにちは
今日は2023/04/01、2023年度のスタートです
学生の頃は4月といえば入学式があり、
学年が一つ上がって新年度が始まるのが
自然と当たり前のように感じていましたが、
冷静に考えたら、1年の始まりは1月1日なのに、
年度始めはなぜ4月1日なのだろうか?
という疑問が湧きました
新年度とは
とても分かりきったことだとは思いますが
おさらいのためにお話しいたします
新年度とは、多くの国や地域で行われる
1年間のスケジュールや予算、プロジェクトなどの
計画を新たに立て、新しい年度をスタートする
時期のことを指します
新年度は、企業や学校、自治体などで一斉に始まります
企業の場合、新年度には新しいビジネスプランの
策定や目標の設定、採用活動や転勤などが
行われることが一般的です
また、予算の配分や決算処理なども重要な作業の一つです
学校の場合、新しい学年がスタートすることで
クラス編成や教科書の入れ替え、
新しい教育プログラムの導入などが行われます
また、入学式や始業式などの
行事が行われることもあります
自治体の場合、新年度には
地域の計画や予算案の策定、
新しい施策の実施などが行われます
よく用いられるのは、
官公庁などが予算に沿って業務を行う期間である
「会計年度」、学校の学年の切り替わりを目的とした
「学校年度」です
どちらも4月から3月までを区切りとしています
新年度は、前年度からの反省点を踏まえ、
新しいスタートを切るための重要な時期であり
計画的な取り組みが求められます
4/1に新年度が始まるのは、日本の法律で定められた決まり事
新年度が4/1に始まるのは、
日本の法律で定められた決まり事です
この日をもって、多くの企業や学校、自治体などで
新しい年度がスタートします
しかし、日本の年度は、従来は1/1から
始まっていたそうですが
明治時代に西洋の文化や制度が導入される中で、
国際的な取引に合わせる必要があるという
考え方が生まれ、明治23年(1890年)に
新年度が4月1日から始まることになったそうです
当時の日本にとって、
イギリスは重要な国であったこともあり、
イギリスに倣(なら)って会計年度を4月からに
したともいわれているそうです
きっかけは明治時代の財政政策だった
一般に、日本の年度が4月始まりになった
きっかけとしては、明治時代の財政難、および
その解消のための会計年度の調整が挙げられるそうです
当時の日本政府の会計年度は
その時々の都合によって変化していたそうです
年度の考えが日本に入ってきたのは
明治時代になってから、と言われています
4月始まり3月終わりの会計年度は、
一説には納税面でも便利だったといわれます
初めて会計年度が定められた1869年(明治2年)が、
その始まりといわれています
会計年度の初日が4月1日になったのは、
1886年(明治19年)で、
4月という時期である理由として
よくいわれるのが、当時の日本は農業国で
江戸時代は米による税金(年貢)の納付であったことです
当時の日本は農業国で、労働人口の6~7割が
第一次産業に従事していたそうです
米を現金化して納税するためには、
収穫した後売れるまでの時間が必要です
そのため、収穫から約半年後にあたる
4月始まりの年度が好都合だったのだそうです
江戸時代なら年貢は米で納める現物納でしたが、
明治からは現金で納める金納に変わりました
そのため、米の収穫を終えて、
それを売って現金に換えて、それから納税する、
そして政府が現金を徴収して予算編成する、
という流れになります
12月末で区切り1月より新年度とすると、
スケジュール上非常に困難だったので
4月に会計年度が設定された、という理由だそうです
学校などもこれに足並みをそろえた結果、
日本で新年度といえば4月から、
というイメージができ上がったそうです
西洋の学校制度が導入された背景も
そして、当時、学校教育や官庁の運営を担う
人材を養成するために、西洋の学校制度が
導入されたことも背景にあるそうです
学校運営に必要な補助金を政府から
受け取るためにも、会計年度に合わせた方が
都合がよかったためともいわれているそうです
新年度が4月1日から始まることにより、
企業や学校などが年度末決算を迎えた3月を
しっかりと締めくくることができ、
さらに、4月からの新しい年度に向けて
目標を設定したり、新しいプロジェクトを
立ち上げたりすることができます
財政上の都合から、文化へとシフト
いずれにしても、日本の新年度が
4月1日始まりとなった背景には
財政との関係があるといえるのでしょう
昔の人の都合が1つの文化にまで成長したという事実は
本当にすごいことだと思います
2023年の新年度、変わることは
2023/04/01から医療や年金などの社会保障制度が
変更される事項があります
出産育児一時金 50万円に
現在、原則42万円が支給されている
出産育児一時金が、4月から一律50万円に
引き上げられます
出産育児一時金とは、子供を出産した際に
一児につき42万円(産科医療補償制度の
対象外となる出産の場合は約40万円)の
一時金を受け取れる制度のことです
出産育児一時金は、原則、先に出産・分娩費用を
病院に支払い、後で一時金を受け取ります
申請は、加入する健康保険組合に行います
出産にかかる費用は医療機関によって異なりますが
厚生労働省が発表している出産育児一時金について
によると、
国公立病院などの公的病院では
約44万円、私立大学病院や個人病院などの
私的病院では約48万円、
助産所を含む診療所では約46万円
(いずれも平均値)となっており、
出産にともなう入院・分娩だけで
大きな出費になることがわかります
出産育児一時金について定めた健康保険法第101条では、
出産育児一時金の支給額について
「政令で定める金額を支給する」とあります
そのため、国保に加入している方も、
協会けんぽや組合健保などに加入している方も、
分娩の際に受け取れる出産育児一時金の額は
原則として一律となります
出産費用が年々増加する中、
子育て世帯の負担を軽減するのが狙いとしています
従来は出産費用の上昇に合わせて増額されてきましたが、
この引き上げ額は過去最大となるようです
このうち出産育児一時金は、
出産にかかる費用が年々増加していることから、
経済的な負担を軽減しようと、
これまでの原則42万円から50万円に引き上げられます
8万円の引き上げは、制度が創設された
平成6年以降、最大となるそうです
年金支給額 3年ぶり引き上げ
また、年金支給額が変わります
今月以降の支給額は3年ぶりに
前の年度より引き上げられ、
67歳以下は2.2%、68歳以上は1.9%と
それぞれ増えるそうです
具体的には、自営業者らが受け取る国民年金は、
67歳以下の満額で、
月額6万6250円と1434円増えるほか、
68歳以上は
月額6万6050円と、1234円引き上げられるそうです
また厚生年金は、
いずれも67歳以下の会社員だった夫と
専業主婦のモデル世帯では
月額22万4482円と4889円増えるそうぇす
ただ、支給額の伸び率は将来の給付財源を
確保するための、マクロ経済スライドと呼ばれる
措置により、物価や賃金の上昇率よりも
低く抑えられているため、
実質的には目減りすることになります
月60時間超の時間外労働の割増賃金率の引き上げ
法定労働時間とは、原則1日8時間、週に40時間
(※労働基準法に基づく)と定められています
ただし、企業が労働者と36協定を結び
労働基準監督署に届け出れば、
法定労働時間を超えて労働者に
労働してもらうことが可能だそうですが、
その代わりに、法定労働時間を超えて働いた
労働に対して、企業は通常の賃金に割増した金額を
労働者に支払わなければなりません
これを「割増賃金」といい、
割増賃金率は労働基準法37条によって定められています
割増賃金率の引き上げは、
2010年に労働基準法が改正され、
月に60時間を超える時間外労働に大企業は50%、
中小企業は25%の割増賃金率が課せられていました
ただし、このときには事業者に
大きな影響を与えかねないとし、
時間外労働に対する割増賃金率の引き上げ適用は、
大企業のみだったそうです
猶予期間が設けられていた中小企業ですが、
2018年の労働基準法改正により
猶予措置が廃止されることが決定しました
2023年4月からは中小企業も、
月60時間以上の割増賃金率が50%に統一されます
マイナ保険証に向けた取り組み
マイナンバーカードと健康保険証を一体にした
マイナ保険証が、4月から医療機関に対し
オンライン資格確認システムの導入が義務化されますが、
その導入にはまだばらつきがあるようです
一方、医療機関を利用する側では、
従来の健康保険証を使う場合
受診料が引き上げられるそうです
今の健康保険証を来年の秋に廃止し、
マイナンバーカードと一体化させるのに
向けた取り組みですね
マイナンバーカードに対応した医療機関で
従来の保険証を利用すると、
患者の窓口負担が加算されることになり、
窓口負担が3割の場合は、初診で6円、
再診も月1回に限って6円が上乗せされるそうです
マイナンバーカードを機械に置き、顔認証をおこない
後は簡単なアンケートに答えるだけで
操作は完了するそうです
過去の健康診断や服薬状況が確認できることは、
診療する上でも患者にもメリットがありますが
義務化されたのにシステムの運用が開始できない、
そんな事態が起きているようです
カードの読み取り機はすでに届いていても
通信用のコンピューターがまだ入って来ず
その設定が必要でスタートが遅れる医療機関も
あるそうです
また、マイナンバーカードの安全性についても
疑問視する声もあります
企業や行政機関からの
情報漏洩も問題になっていますので
セキュリティは大丈夫なのか?という不安もありますね
男性の育休取得率を公表
男性の育児休業取得率の公表義務化についても、
2023/04/01からスタートするそうです
対象となる企業は、
年に1回公表しなければなりません
対象となる企業は直前の事業年度の実績を
おおむね3か月以内にホームページなど
一般の人が閲覧できる方法で公表することになるそうです
育児休業取得率等の公表義務化の対象となるのは、
常時雇用する労働者が1000人を超える企業です
常時雇用する労働者は、
雇用の実態を見て判断され、
期限なく雇われている場合は
常時雇用する労働者になるそうです
そのため、
アルバイトやパート従業員も対象となるそうです
育児休業等の取得率の公表内容としては、
男性の育児休業等の取得率か、
男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率の
いずれかが必要となるそうです
・男性の育児休業等の取得率
男性の育児休業等の取得率は、
公表前事業年度において
育児休業等をした男性従業員の数÷配偶者が出産した
男性従業員の数
で求められます
育児休業等には産後パパ育休(出生時育児休業)も
含まれるそうです
・男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率
男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率は、
公表前事業年度において
(育児休業等をした男性従業員の数+小学校就学まで
の子を養育する男性従業員のうち
企業の独自の休暇制度を利用した人数)÷
配偶者が出産した男性従業員の数
で求められます
企業の独自の休暇制度とは、
たとえば配偶者出産休暇制度や育児参加奨励休暇制度
などです
ただし休暇制度には育児休業等および
子どもの看護休暇は含まれないそうです
厚生労働省によると、2021年度の育休の取得率は
女性が85.1%だったのに対し、
男性は13.97%にとどまっていて
男女ともに仕事と育児を両立できる
職場の環境整備に向け企業の意識を
高めたいねらいだそうです
公表義務違反をすると、
行政指導や勧告を受ける可能性があるそうです
企業名が公表された場合、
ブランドイメージがマイナスになる可能性が
高くなるかもしれません
そのため、対象となる企業は
公表を適切に行わなければならなくなります
賃金の“デジタル払い” 可能に
賃金の支払いは、これまで現金での支払いや
銀行口座の振り込みに限られていましたが、
決済アプリを使ったいわゆるデジタル払いが
可能になるそうです
デジタル払いの導入にあたっては、
企業は労働者と労使協定を結ぶ必要があり、
決済アプリの運営業者は厚生労働省の指定を
受ける必要があります
特に運営業者の指定には、財務状況が健全かどうかや
賃金を保護する仕組みが整っているかといった
審査が必要となるため、実際にデジタル払いが
始まるには数か月はかかる見通しだそうです
厚生労働省は2022年10月に
労働政策審議会分科会にて、
電子マネー・決済アプリなど
資金移動サービス業者(資金移動業者)への
支払いを可能とする省令改正案を了承し、
2023年4月から改正法が施行されるそうです
主なメリットとして、
銀行口座を持っていない労働者にも
送金が可能となるため、
企業側は外国人・日雇い労働者などを
受け入れやすくなるそうです
またデジタル給与を銀行口座に戻して
現金として引き出すことも可能で、
3/31時点で、PayPayがデジタル給与事業に
参入することが明らかになっており、
早ければ4月上旬にも厚生労働大臣に
指定申請する方針のようです
このほかにも、au PAY、楽天Payなどが
サービス参入を検討しているようです
一方でデメリットとしては
口座残高上限が100万円までとされており、
高額な給与振込には向いていない側面もあるようです
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます
日本では学校年度が4月となったことにより、
卒業が3月、企業への入社も4月となり
現在もその流れが続いていますが
世界では9月始まりが主流で、
入社の時期などもまちまちだそうです
世界でも珍しい日本の新年度4月始まりですが、
春という季節、また、桜が開花する季節ということで
長い冬が終わり、暖かくなり花が咲いて
さあ、新年度だ!と、印象深い出来事と
なっているでしょう
グローバルスタンダードに合わせて、
日本でも学校年度を9月に、という話があるそうですが
季節と行事が綺麗に組み合わさっているこの時期は
素敵だと思います
気分も新たに新生活がスタートするこの時期、
みなさまはどんな目標がありますか?