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【659/1096】子どもは小さな大人ではない~Children are not little adults
「ジャン=ジャック・ルソー」の名前は、歴史の教科書に必ず登場する。
フランス革命に多大な影響を与えた啓蒙思想家である。
このルソーが掲げた教育論「エミール」に
Children are not little adults.
子どもは小さな大人ではない
と説き、「子どもは大人ではない。子どもには、子ども時代がある。」という立場をとった。
ルソーがこれを発表する以前は「子どもは小さな大人」として扱われていた。
精神的にも肉体的にも大人と同じで、ただ体が小さいだけの存在であるとして、扱われていた。そのため、大人と同じような仕事もさせて当然だし、大人の思考で子どもの教育を考え、教えていた。
子どもは未熟であり、早く子ども時代を終わらせるのがよいと考えられていた。
それを、ルソーは、
「人は子ども時代というものを知らない。・・・いつも子どもを大人に近づけることばかりに夢中になり、大人になるまでの子どもの状態がどのようなものであったかを考えようとはしない」
と説いた。
これは、現代でも通じる。
大人は、大人になるまでの子どもの状態がどうだったか?を考えようとしなかったり、自分は子ども時代を覚えていると思っていて、子どもの状態を見なかったりする。
20世紀の児童心理学者ピアジェは、
「子どもは大人のミニチュアではなく、子どもの発想は子ども自身独自のものである。」
と言っている。
ルソーと同じように、子どもには、子ども独自の理論があり、発想があるとして、その子ども自身を良くみることが大切だと言った。
日本は、国連の子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)に1990年に署名している。1994年から効力しているが、いまだに知らない人も多いのではないか?と思うことがある。
ユニセフの解説がわかりやすい。
子どもには以下の権利がある。
・生きる権利
・育つ権利
・守られる権利
・参加する権利
世界中すべての子どもに生まれながらに「子どもの権利」があり、だれもそれを奪いとることはできない。
とされている。
「子どもの権利」は子どものものであり、子ども特有のものであり、大人のミニチュア版ではないのだ。
そのことをよくよく身に染みさせておきたい。
子どもを守るのは大人の役割であるが、そのためには
大人は大人になる必要がある。
大人の形をしている子どもがいかに多いか。(ということについてはまたいつか)
大人になるには、自分で自分の面倒をみられるようにならなくてはね。
では、また。
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